「アイ・アム・サトシ・ナカモト」クリプトアーティスト:ヴェサ・キヴィネン氏 インタビュー ②
これは私が初めて制作したクリプトアートなのですが、当時は「サトシは一体誰なのか」ということが切実な問題となっていました。今でもそうかもしれません。私はこの問題において本当に重要なことは何かということを問うために、命題を反転させました。この手法は心理学NLP(Neuro-Linguistic Programming、神経言語的プログラミング)において「リフレーミング」と呼ばれているものです。問われるべき命題は「どうして私がサトシ・ナカモトなのか」というものです。するべきことは、サトシの技術を使い「どうして自分こそがサトシなのか」「何が私をサトシにするのか」と問うことなのです。そうすれば、人生を今の何百倍も生産的なものにすることができるでしょう。また「サトシは彼だ」とか、「彼女だ」「あの人たちだ」というような論争に巻込まれることもありません。この作品が、パーカーのフード越しに世界を見る構造となっているのにはこのような意図があります。フードを通して見えているのは、今まさに私のこの作品とつながりあっている、現実世界なのです。