「お金の階層構造はどのように生まれたのか」Layered Money著者 ニック・バティア氏(全インタビュー記事)
人々は何千年も前から、ゴールドやシルバーをお金として使ってきました。しかし13世紀に入ってから、フィレンツェやヴェネチアといった北イタリアの一部の年共和国では、純金に代わる貨幣が鋳造されるようになりました。これは前代未聞のことでした。なぜなら貨幣というのはこれまでにもありましたが、どの貨幣もこの時に作られた貨幣ほど安定してはいなかったからです。ローマやギリシャの都市国家の歴史においては、政府による通貨の価値の切り下げが行われてきました。これと比べるとフィレンツェで鋳造された金貨はこのようなこともなく、大変な安定性があったのです。