「Layered Money」の著者、ニック・バティア氏(Nik Bhatia)にインタビューしました。バティア氏は大手投資運用会社での米国債のトレーダーとして働いた経験もあり、Bitcoinや従来の金融業界に関しても深い知見があります。彼の著作に登場する「お金の層」という概念についてお話しをしていただきました。ぜひご覧ください。
インタビュー日 : 2020年2月3日
- ニック・バティア氏(全インタビュー記事)
- 『Layered Money』を執筆した経緯
- 「お金の層」という概念
- 第一層のお金へアクセスできることの重要性
- 中央管理者のいない世界は混乱しないのか
- そもそもBitcoinとはどういう存在か
- 「お金の層」という構造はどのようにして生まれたのか
- 今日のドルはどのようなお金なのか
- 超低金利へ動く世界と、高まるBitcoinの需要
- 資産をインフレから守ろうとする人々
- Bitcoinはどこまでゴールドに迫れるか
- Bitcoinに時間的価値はないのか
- Bitcoin建ての経済が発展
- 債券発行でBitcoinを購入すること
- マイクロストラテジーがBitcoinの価格に与えた影響は?
- OTC取引は市場に悪影響を及ぼすか
- Bitcoinの時間的価値を変化させるライトニングネットワーク
- ライトニングネットワークのリスク
- 普通の人でもノードを管理できるか
- 自分自身でBitcoinを管理するには
ニック・バティア氏(全インタビュー記事)
『Layered Money』を執筆した経緯
『Layered Money(お金の層)』の言わんとすることは、我々は信用経済のシステムの中に組み込まれている、ということです。これはつまり、日常的に使われているお金はすべて信用の形態である、という意味です。
信用の形態とはどういうことかと言うと、我々の使っているお金は、実は金融機関が債務証書や信用証書という形で出している金融機関の負債だということです。例えば当座預金には、ドルや円が預金という形で入っていますが、預金というのは、銀行の貸借対照表の負債側にのるものです。
お金の層という概念で考えると、銀行預金は第三層になります。では第二層は何かというと、中央銀行の負債です。これはたとえば、日銀の準備金といった民間銀行の資産です。
そしてお金の一層目は、中央銀行が裏付けた資産である国債です。日本の場合は、日本国債が第一層のお金ということになります。
この本は、既にBiotcoinの信者である人のために執筆したというよりは、Bitcoinに興味をもっている人、そしてとりわけ、従来の伝統的な金融業界出身の人のために書きました。
だからこそ、なぜBitcoinが我々の通貨の未来にとって非常に面白い存在なのかということを説明するために、敢えて従来の金融業界の言葉を使って本を執筆しました。
「お金の層」という概念
「お金の層」という表現を用いたのは、過去におけるゴールドも、現在そして未来におけるBitcoinも、どちらも第一層のお金に属するということを示したかったからです。
つまり言いたいのは、これらのお金は純粋な商品であり、純粋な資産だということです。これらは金融機関の貸借対照表の負債部分の項目ではありません。
現金預金は負債という形態のお金です。人々がPayPalの口座や、その他の預金口座に保有しているようなお金は、ドルや円でやりとりをするための電子的な境界面に過ぎません。
これに対してBitcoinとゴールドは、誰かによって発行された負債ではありません。しかし、たとえばBitcoinを取引所で保有していれば、そのBitcoinは第二層のお金ということになります。自分でBitcoinを保有しているのではなく、取引所の負債という形で取引所に預けているからです。
Bitcoinはこのようにして異なる層に所属することもできます。しかしBitcoinの最大の特徴は、誰でも第一層のお金にアクセスすることができる、ということです。
第一層のお金へアクセスできることの重要性
第一層以外のお金を使っている時というのは、我々は常に取引先を信頼しなければいけないという状況下に置かれています。たとえば銀行預金の場合は、銀行が破綻しないということを信頼しなければなりません。
たとえ政府が銀行預金に保険をかけてくれていたとしても、今度は銀行が破綻した際には政府が保険金を出してくれる、ということを信用しなければなりません。
中央銀行と政府の負債である紙幣というお金を使用している限り、そのお金の価値を信頼しなければならないという状況下にあるのです。しかしこれは決して、紙幣が悪くてBitcoinが良いと言っているわけではありません。
ここで言いたいのは、人々は既に、負債である紙幣を代替できる選択肢を求めはじめているということです。人々は誰にも依存しないような通貨を求めていて、自分の収益と貯蓄をより自由にすることができる選択肢を望んでいるのです。
中央管理者のいない世界は混乱しないのか
ほとんどの人はBitcoinを自分で管理したり、貯蓄を完全に自分で管理したりすることはないだろうと考えています。人々は皆保険をかけるのが好きなので、銀行、政府、金融機関、そして金融テック企業に頼り続けるでしょう。
多くの人々にとっては、資産を失ったり紛失したりしてしまった時に、回復できる仕組みがあった方が好ましいのです。だからこそ、誰しもが将来的に第一層のお金を自分で管理するわけではないと考えます。
信頼に依存しなくてもいいお金を求める人もいれば、銀行や政府にお金の管理を任せつづける人もいる、というのが自然の成り行きだと思います。しがたってお金の層が自然とできるのです。
そもそもBitcoinとはどういう存在か
Bitcoinとは、選択の自由です。好きなものを選択できる、そして同時に2つのものを選択できる、という自由もあっていいはずです。自分の富のうち半分をドルで、そしてもう半分をBitcoinで保有したいと思うのであれば、そのようにする自由があるべきなのです。
しがたって、Bitcoinが法定通貨に取って代わり銀行を完全に排除する、と言いたいわけではありません。Bitcoinはあくまでも選択肢の一つであり、人々は一つの代替手段としてBitcoinを使用しています。そしてこのトレンドは今後も継続していくと考えています。
「お金の層」という構造はどのようにして生まれたのか
人々は何千年も前から、ゴールドやシルバーをお金として使ってきました。しかし13世紀に入ってから、フィレンツェやヴェネチアといった北イタリアの一部の年共和国では、純金に代わる貨幣が鋳造されるようになりました。
これは前代未聞のことでした。なぜなら貨幣というのはこれまでにもありましたが、どの貨幣もこの時に作られた貨幣ほど安定してはいなかったからです。
ローマやギリシャの都市国家の歴史においては、政府による通貨の価値の切り下げが行われてきました。これと比べるとフィレンツェで鋳造された金貨はこのようなこともなく、大変な安定性があったのです。
フィレンツェの金貨とヴェネチアの金貨が大変安定していたため、これらの金貨を取り扱う商人銀行家が登場してきました。彼らは金貨の支払いを約束する証券を発行しました。そして人々はこの約束を、まるでお金のように扱ったというわけです。
このようにして、初となる「お金の層」という構造が誕生しました。第一層のお金は「安定した金貨」そして第二層のお金は「安定した金貨を支払うという約束」という構造です。
この約束は信用のある約束でした。したがってヨーロッパでは信用の文化が発展し、銀行家たちは進んで支払いの約束をし、そして人々はその約束を信用して受け入れました。この結果として、現在のような重層的な貨幣制度が生まれたのです。
今日のドルはどのようなお金なのか
アメリカは1971年に、通貨の兌換性からゴールドを除外しました。ゴールドはこれにて第一層のお金という枠組みから削除されたということです。そして歴史の中ではじめて、政府の通貨であるドルがそれまでの裏付けから切り離されて独立した存在となりました。
これが我々が現在も生きている貨幣システムであり、ドルとはこのような経緯のある資産です。
ところがその一方で、人々は今でもゴールドを求めています。だからこそゴールドの価格は過去10年間、非常に好調に推移してきています。Bitcoinもゴールドと同じで我々の貨幣システムに含まれていません。
しかし、Bitcoinが新しいデジタルマネーとして一番トップの層に君臨する世界に移行することは可能です。実際に我々は現在もその方向に発展しつつあると思っています。ですが規模的な面からみると、従来のシステムであるドルと比べれば、Bitcoinの規模はまだまだはるかに小さいです。
Bitcoinの発展は今後緩やかなものとなり、やがて政府の通貨と共存していくようになるのではないかというのが私の見解です。
超低金利へ動く世界と、高まるBitcoinの需要
私はアメリカの金利がどこに向かっているのかという論文を執筆し、今後数年で金利が大幅に低下するだろうという予測を強く主張しました。
世界の国債金利は40年連続で低下傾向にあります。日本もドイツもアメリカも、いずれの国も超低金利です。そして日本は他の国々や他の西側諸国よりもいち早くこの低水準に達しました。
世界をみてみるとこのような状況なので、なぜBitcoinの需要が高まり価格が上昇しているのか、ということも理解することができました。そしてBitcoinこそが、ゴールドと米国債と並んで今後の10年において世界でもっとも需要が高まっていく資産だと考えるようになりました。
資産をインフレから守ろうとする人々
低金利だからインフレが起こるという予測は正確ではないということは、既に数年前から証明されています。ほとんどの先進国では、ここ数年金利が0かマイナスになっているにもかかわらず、インフレにはなっていません。
ヨーロッパ、日本、アメリカではインフレは起きていません。そして人々の間では、不動産をはじめとする様々な資産がインフレをヘッジする方法として使われています。そしてたとえばゴールドや美術品、そしてさらにはクラシックカーといったような資産までもが、同じ目的で活用されています。
人々は、このような富の保全方法や、これと似たような方法で資産を守ろうとしているのです。
たとえばロシアからの億万長者らが、ロンドンのアパートや、ピカソの絵画や、JPモルガンチェースの株式を購入したりしています。このような行動は、長期的に購買力を維持するためになるべく多くの方法で富を分散して多様化しようとしているものです。
Bitocoinも不動産や美術品、クラシックカー、そして米国およびその他西洋諸国の優良株、といった資産の一員だと考えています。つまりBitcoinも正式に人々が富を保全するために投資する資産の仲間入りを果たしたということです。
Bitcoinはどこまでゴールドに迫れるか
ゴールドは10兆ドルの時価総額を誇る資産です。今のところ、時価総額で1兆ドル規模の評価を得ているのは、アップルやアマゾンのような超巨大企業だけです。Bitcoinの時価総額も1兆ドルに近づいてくると、ゴールドの規模の10%に達し、この領域の仲間入りをすることができます。
Bitcoinに時間的価値はないのか
Bitcoinはゴールドと同じで時間的価値をもちません。たとえば延べ棒という形で金庫等で保管している場合は、ただそこにずっと置いててもそのゴールドは何の収入ももたらしてはくれません。
それどころか、ゴールドを保管するためにお金を払っている可能性が高いのでむしろ「負の収入」が発生しているということになります。
しかしたとえばプラス金利の米国債や株、あるいは不動産等を保有していた場合、これらの資産は置いておけば利子収入や配当収入や賃貸料収入といった収入が発生します。つまりこういった資産クラスには、時間的価値があるということです。
ゴールドやBitcoinには、このような時間的価値がありません。つまりBitcoin自体に収入が発生するような仕組みや機能はついていないということです。むしろ前述のように、保管するためのセキュリティーや設備に費用がかかるので、理論的には負の収入が発生する可能性があります。したがってBitcoinには時間的価値がないのです。
Bitcoin建ての経済が発展
今日のBitcoinはまだ富を貯蓄するための媒体に過ぎません。つまり、Bitcoinが主に貯蓄技術であるというのは変わっていません。
ただ、Bitcoinは普及の波を経験し、高いボラティリティによる変動も経験してきました。そんな中でBitcoinの恩恵を一番受けられる人たち、それは使わずに保有している人たちです。
Bitcoinユーザーは1億人をはるかに超えました。また、地球上の暗号通貨ユーザーは今後の数年間で10億人に達しようとしています。そんな状況の中、これからはより多くの商品やサービスの価格設定が、法定通貨とBitcoinの両方でなされるようになっていくでしょう。
価格がBitcoinのみで設定されるような商品やサービスもやがてはどんどん登場してきます。そしてBitcoin建ての経済全体がさらなる発展を遂げていくようになるでしょう。今はまだ初期段階で若い経済ですが、これからユーザーが発展し、それから商業が、会社が、そして政府が、というように徐々に発展を遂げていきます。
しかしこの発展によって我々が現在使っている通貨が完全に廃止されるというわけではありません。これからはあらゆるものが法定通貨とBitcoinの両方で会計処理される、二元的な経済になっていくだろうと思っています。これが私の抱いている未来のビジョンです。
債券発行でBitcoinを購入すること
数ヶ月前に「社債発行とBitcoin購入:Bond Issuance and Bitcoin buying」という記事を書きました。この記事の中で、マイクロストラテジーが社債、つまり負債を発行してドルを調達し、調達した現金をすぐにBitcoinの購入に充てているということについて書きました。
マイクロストラテジーはBitcoinがドルよりも優れた資産であると考え、このような大胆な行動に出たのです。これは世界初の試みであり、金融理論の観点からも非常にわくわくするような興味深い出来事でした。
債券市場は年間10兆円規模の巨大な市場であり、政府や企業は皆この市場を通じてお金を借りています。債券を発行することで、将来的な借金をする代わりに、今すぐ使えるお金を入手して、投資や収益の向上や研究開発などに使うことができるのです。
マイクロストラテジーはそのお金を使ってBitcoinを買ったというわけです。もしも世界中の他の企業もこれを真似して後に続けば、Bitcoinの価格が爆発的に高騰するという可能性があります。
債券を買うための待機資金というのはまだ大量にあります。この資金が導線となったり、または債券市場自体がBitcoinを買う導線になったりすれば、これまでに存在していなかった、全く新しい購買層や需要が生まれるということになります。
マイクロストラテジーがBitcoinの価格に与えた影響は?
マイクロストラテジーによる債券発行が行われた際のBitcoin価格は1BTCが17000ドルでした。つまりマイクロストラテジーがBitcoinを大量購入し、10億ドル相当以上ものBitcoinを蓄積した際、Bitcoin価格は現在のおよそ半分だったのです。
このことを踏まえると、債券発行でBitcoin価格が上昇したとまでは言いませんが、何らかの影響があったということを否定することはできません。
マイクロストラテジーは前例を作りました。たった一社の会社による大量買いが、価格に影響を及ぼしたという前例です。もしも世界中の他の企業や、ひいては政府までもが債券発行に関与し、資本を得たらどうでしょう。その資本がBitcoinに注ぎ込まれたらどうでしょう。想像してみてください。
Bitcoinの供給量は限られています。したがって、需給関係の変化によってBitcoinの価格が押し上げられる可能性はあるということです。
OTC取引は市場に悪影響を及ぼすか
OTC取引で悪影響が出ることはないと思います。オフチェーンやOTC取引は市場にとって重要な要素です。
Bitcoin市場というのは西部開拓市場のような性質を持つ野性的で自由な市場であり、価格も一つに定まっていません。だからこそ、誰もがBitcoinはこの価格だ、いやこの価格だ、と主張したがりますが、それはどの価格を見ているのかによって違うのです。
世界中には何百もの取引所が存在します。我々の目に見える価格だけでも無数にあるということです。マイケル・セーラー氏がどこで、そしていくらでBitcoinを購入したのか、我々には明かされていません。しかしそれでいいのです。結局のところ真の価格というのは、購入者や販売者によって発見されるものです。
Bitcoinは24時間365日、地球上のあらゆる地点で、デジタルで取引されています。そしてOTCの多くは、SignalやTelegramといったアプリのテキストメッセージで行われています。
取引所以外で取引されている、いわゆる影で行われているBitcoinの売買というのも、いたって自然なことです。おそらく市場にとっても良いことだと思います。なぜかというと、たとえ取引所が閉鎖されてもどこかしらではBitcoinを取引できる場所がある、ということを知ることができるからです。
Bitcoinは発行者のいない通貨で、アルゴリズムによって発行されます。だからこそ他の暗号通貨としっかり区別されなければいけません。Bitcoinには管理者がいないため、政府はBitcoinを停止しようにも、誰に命令するわけにもいきません。
OTC市場は一般の人も利用できます。今や人々は、取引所を介さずしてP2P市場でBitcoinを売買することができます。また、世界中にはいくつかのOTC市場プラットフォームがあり、そこでは人々がBitcoinを現金で販売しています。
こういった取引は全て、疑似匿名の状態で行うことが可能です。KYCを経る必要も、個人情報を共有する必要もありません。
OTC市場においては、大口取引のできる買い手が必ずしも有利だとは思いません。小口の売買と大口の売買が同じ場所で行われることはありません。この市場の性質上、OTC取引というのは多々ある窓口のうちの一つに過ぎないのです。
Bitcoinの時間的価値を変化させるライトニングネットワーク
ライトニングネットワークというのは「Bitcoinを瞬時に取引する」という金融契約に合意したBitcoinのネットワークです。ライトニングネットワークにおいては、Bitcoinの時間的価値が変化します。
ライトニングネットワーク上で使えるBitcoinを持っていれば、人々の間の支払いを促進することができます。Bitcoinの持ち主は、この流動性を提供することで、その対価としての収入を得ることができるというわけです。
つまり、ライトニングネットワークによって、Bitcoinはその時間的価値による収入を得ることができるということです。
ライトニングネットワークにあるBitcoinは、これを機能させるために使用されているスマートコントラクトであるHTLC(hash time-locked contracts)によってロックされています。
Bitcoinの時間的価値が得られるのは、Bitcoinがライトニングネットワークのスマートコントラクトによってロックされている間だけです。逆にそれ以外の場合は、時間的価値は得ることができません。
私は、ライトニングネットワークに関する「The Time Value of Bitcoin:Bitcoinの時間的価値」という研究論文を2018-19年に執筆しました。
とある日本人のファンの方が、私の論文を初めて外国語に翻訳してくれました。今でもずっとこのことに感謝しています。
この新しい技術の背後にある金融理論を提示することこそが、Bitcoinの世界における私の役割だと思いました。
ライトニングネットワークのリスク
もちろんリスク要因は存在します。しかし、伝統的な銀行システムにあるようなカウンターパーティーリスク等ではありません。
例えばHTLCを使用することにより、間違った金額を入力してしまうかもしれないというリスクがあります。また、コンピュータ科学に関する側面の管理を誤ってしまうもしれないということも考えられます。さらには、機器が故障してお金を失うかもしれないというリスクもあります。
自分のBitcoinをライトニングネットワークに捧げて収入を得るには、無数のリスクがあるのです。しかもリスクは決して小さくありません。おまけにほとんどの人が、これらのリスクをどのように管理すればいいのか、適切な方法を分かっていません。
普通の人でもノードを管理できるか
普通の人はノードを管理することはおろか、興味を持つことすらしないでしょう。普通の人というのは、自分の財産の99%以上を預金として銀行に預けています。このことからも、普通の人であれば自分のお金を管理したり管理責任を持ったりしたくないということが分かります。
私自身、ライトニングネットワークのノードを持っていません。私はライトニングネットワークを通してBitcoinから収入を得るということをしていないのです。なぜかと言えば、私はコンピュータ科学者でもプログラマーでも専門家でもないので、自分に相応の技術的能力があるとは思えないからです。
私がライトニングネットワークを使って自分の資産を管理しようと思わないのは、私の専門知識が金融の研究、理論化、執筆であり、コンピュータ科学ではないからです。
ほとんどの人はノードを自分で管理するということはないと思います。そしてそれはそれでいいと思っています。大半の人は、Bitcoinの秘密鍵を自分で持つことすらしていないでしょう。
これもこれでいい、とまでは言いませんが、少なくとも人々が取引所を信頼して自分のBitcoinを預けるのはごく自然なことだとは思います。
例えばアメリカへ行けば、コインベースが地球上で最大級のBitcoin保有者であることが分かります。また、グレースケールが立ち上げた投資ファンドであるGBTCという事業体も最大規模のBitcoin保有者です。これは人々がグレースケールを信用して、Bitcoinを預けたり取引をしたりしているからです。
大部分の人が自分自身でBticoinを管理していなくても、Bitcoin自体にはなんらマイナスの影響はありません。これはBitcoinの価格からも分かります。Bitcoinは日々成長し続け、史上最高値を更新し、強くなり続けています。時に上下に揺れたりしながらも、Bitcoinは長期的には順調に増え続けているのです。
自分自身でBitcoinを管理するには
カウンターパーティーの影響を一切考える必要のない、お金の第一層にいたいと思うのであれば、まずは自分のBitcoinの管理者について把握してください。真に学びたいという気持ちがあれば難しいことではありません。
それから、Bitcoinのプログラミングやウォレットについて書かれた本を買えばいいと思います。また、ハードウェアウォレットやソフトウェアウォレット、そしてウォレットの作り方等について調べることもできます。
私はプログラマーではありませんが、先ほど挙げたようなことについてはいくらか勉強しました。私が自分の勉強に使うことができたのはYouTubeやGoogle、それからBitcoinの構築に貢献した偉大なる人々たちの教えでした。これら以外には何もありませんでした。
しかし世の中には自主学習を手伝ってくれる素晴らしい人たちというのもたくさんいます。Bitcoinは学びたい人にとって、非常に力を与えてくれる存在だと思っています。
Bitcoinというのは、私のようにコンピュータ科学を学ぼうとする人に力を与えてくれる存在であり、我々が個人の資産を自分自身で管理することを可能にしてくれる存在なのです。
インタビュー・編集: Lina Kamada
翻訳: Nen Nishihara
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