暗号資産を始めとする投資をしていく上で、多くのチャートやグラフに直面し、それらが何を意味しているのかを理解することは難しく感じるかもしれません。
中でも人気なチャートとして「ローソク足」が使用されることがあります。
この記事では、ローソク足が何であるのか、そしてそれの基礎的な種類について、初心者にも分かりやすく解説します。
ローソク足の基本
ローソク足は、暗号資産を含む金融市場で一般的に使用されるチャートの形式で、価格の動きを視覚的に理解するのに役立ちます。ローソク足の基礎、その基本構成、およびローソク足の種類について初心者向けに説明します。
ローソク足の基礎
ローソク足は、1時間、1日、1週間など、特定の期間における資産価格の動きを表すために使われます。このローソク足チャートは、価格の変動を視覚的に簡単に把握できるように設計されており、市場の感情やトレンドを迅速に判断するのに役立ちます。
ローソク足チャートの始まりは、江戸時代に本間宗久という人物が作成したのが発祥とされています。これが現代のローソク足チャートの原型となり、現在では、その直感的な視覚表現が、世界中のトレーダーに広く受け入れられています。
ローソク足の見方
ローソク足は、一定の時間枠での価格の上昇または下降を示します。ローソク足の本体(四角い部分)は開始価格と終了価格を表し、上下に伸びる細い線(ヒゲ)はその時間枠における最高値と最低値を示します。
ローソク足の形状とサイズは、市場の感情を示唆します。例えば、長い本体と短いヒゲは、その時間枠内で価格が大きく動いたことを示し、市場の強い感情を反映しています。逆に、短い本体と長いヒゲは、価格が大きく変動したものの、最終的には開始価格に近いところで終わったことを意味し、市場の不確実性を示しています。
ローソク足の基本構成
まず、ローソク足を知るためには最低限、構成されている値の名称と意味を理解する必要があります。まずは、ローソク足の「四本値」と「陽線・陰線」について覚えましょう。
ローソク足の四本値
ローソク足は、「四本値」と呼ばれる以下の4つの主要な要素から構成されます。
始値(はじめね)
特定の期間内に”最初に取引された価格”。
終値(おわりね)
特定の期間内に”最後に取引された価格”。
高値(たかね)
特定の時間枠内で取引された”最も高い価格”。
安値(やすね)
特定の時間枠内で取引された”最も低い価格”。
ローソク足の陽線・陰線
次に、二つの主要なローソク足のタイプである「陽線・陰線」について説明します。
陽線
陽線は通常、緑色で表示され、”価格が上昇”したことを示し、終値が始値よりも高い場合に形成されます。つまり、ローソク足の期間の始めに比べて終わりには価格が上がっています。陽線は市場の買い意欲が強く、市場の強気の感情を反映しています。
陰線
陰線は通常、赤色で表示され、”価格が下降”したことを示し、終値が始値よりも低い場合に形成されます。つまり、ローソク足の期間の始めに比べて終わりには価格が下がっています。陰線は市場の売り意欲が強く、市場の弱気の感情を反映しています。
ローソク足の種類
ここでは、基本的なローソク足の種類を紹介し、それぞれが市場の感情やトレンドにどのように関連しているかを説明します。
基本的なローソク足の種類
大陽線・大陰線
「大陽線」は、特定の期間に”価格が大きく上昇”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が長く、開始価格が下部、終了価格が上部に位置します。このパターンは市場の強気の感情を示し、市場の”買い意欲が高い”ことを意味し、上昇トレンドの開始または継続の可能性を示唆することがあります。
「大陰線」は、特定の期間に”価格が大きく下落”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が長く、開始価格が上部、終了価格が下部に位置します。このパターンは市場の弱気の感情を示し、市場の”売り意欲が高い”ことを意味し、下降トレンドの開始または継続の可能性を示唆することがあります。
小陽線・小陰線
「小陽線」は、特定の期間に価格が”わずかに上昇”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が比較的短く、開始価格が下部、終了価格が上部に位置します。このパターンは、その期間における買い手のわずかな優位を示していますが、強気の動きとは言い難く、市場の方向性が不明確であることを示唆することがあります。
「小陰線」は、特定の期間に価格が”わずかに下落”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が比較的短く、開始価格が上部、終了価格が下部に位置します。このパターンは、その期間における売り手のわずかな優位を示していますが、弱気の動きとは言い難く、小陽線と同様に市場の方向性が不明確であることを示唆することがあります。
陽線坊主・陰線坊主
「陽線坊主」は、特定の期間に価格が開始価格から終了価格まで”ほぼ一貫して上昇”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が長く、下ヒゲがほとんどまたは全くないことが特徴です。このパターンは、その期間における買い手の”購入”意欲が高いことを示し、価格が今後上昇すると広く期待している状態を反映しています。陽線坊主は、上昇トレンドの継続または強い価格上昇の可能性を示唆することがあります。
「陰線坊主」は、特定の期間に価格が開始価格から終了価格まで”ほぼ一貫して下落”したことを示します。ローソク足の形状では、本体が長く、上ヒゲがほとんどまたは全くないことが特徴です。このパターンは、その期間における売り手の強い支配を示し、価格が今後下降すると広く期待している状態を反映しています。陰線坊主は、下降トレンドの継続または強い価格下落の可能性を示唆することがあります。
上影陽線・上影陰線
「上影陽線」は、期間内の価格が最初は上昇したものの、その後下落して終了価格が開始価格よりわずかに高いか、またはそれに近いレベルで終わったことを示します。このパターンの特徴は、上部に長い上ヒゲがあり、本体は比較的短いことです。上影陽線は、価格上昇後に売り圧力が増加したことを示しており、強い上昇トレンドの後で見られる場合、トレンドの転換を示唆する可能性があります。
「上影陰線」は、期間内の価格が最初は上昇したものの、その後大幅に下落して終了価格が開始価格よりも低いレベルで終わったことを示します。上ヒゲは期間中に達した最高価格と終了価格の間の距離を表しています。上影陰線は、価格上昇後の売り圧力が強まり、市場が悲観的に傾くことを示しています。このパターンは、市場の弱気の反転や下降トレンドの始まりを示唆することがあります。
下影陽線・下影陰線
「下影陽線」は、期間内の価格が最初は下落したものの、その後上昇して終了価格が開始価格よりわずかに高いか、またはそれに近いレベルで終わったことを示します。このパターンの特徴は、下部に長い下ヒゲがあり、本体は比較的短いことです。下影陽線は、価格下落後に買い圧力が増加したことを示しており、強い下降トレンドの後で見られる場合、トレンドの転換を示唆する可能性があります。
「下影陰線」は、期間内の価格が最初は下落したものの、その後回復して終了価格が開始価格よりも低いレベルで終わったことを示します。このパターンも下部に長い下ヒゲがあり、本体は比較的短いです。下影陰線は、価格下落後の買い圧力が一時的に強まったものの、市場が引き続き悲観的な状態にあることを示しています。このパターンは、下降トレンドの継続を示唆することがあります。
ローソク足を組み合わせたパターン
ローソク足を組み合わせたパターンについても簡単に紹介します。これらの数は他にも多く存在するため、興味のある人は自身でも調べてみましょう。
包み足
包み足は、ローソク足チャートにおける重要な反転パターンの一つです。このパターンは、特定の期間の価格動向が前の期間のそれを大きく「包み込む」ことによって形成されます。包み足パターンは、市場のトレンドが反転する可能性があることを示唆しています。
はらみ線
はらみ線パターンは、前日の大きなローソク足に続いて、それよりはるかに小さいローソク足が現れた場合に形成されます。このパターンは市場の方向性に変化が生じている可能性を示唆します。
まとめ
ローソク足チャートは、暗号資産を含む金融市場で広く用いられ、価格の動きを視覚的に捉えるのに役立つツールです。このチャートは特定の期間枠(例えば1時間、1日、1週間)における資産価格の動きを表し、市場の感情やトレンドを迅速に判断するのに役立ちます。
ローソク足の基本構成には、始値、終値、高値、安値の「四本値」があり、これらはローソク足の形状を決定します。陽線は価格の上昇を、陰線は価格の下降を示します。
ローソク足の形状とサイズは市場の感情を示し、大陽線や大陰線、小陽線や小陰線、陽線坊主や陰線坊主など様々なパターンが存在します。これらのパターンを理解することで、トレーダーは市場の心理や将来の価格動向を予測する手がかりを得ることができます。
今回ご紹介したロウソク足は基礎的な内容のため、その他の種類や実際の考察例などをご自身で調べ学んでいく必要があります。ご興味のある方は、ぜひご自身でもチェックしてみてください。
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