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デプスチャートでどんなことがわかる?【暗号資産塾〜初心者のための入門コラム】

デプスチャートは、暗号資産市場において価格と流動性の理解に欠かせないツールです。

この記事では、デプスチャートが何を示しているのか、どのように読み解くべきかを分かりやすく解説します

デプスチャートとは?

デプスチャートは、特定の資産に対する市場の売買注文の分布を示すことで、トレーダーが市場の流動性や、買い注文が優勢なのか、売り注文が優勢なのかを視覚的に理解するのに役立ちます。前回の記事で解説した、オーダーブックの指値注文を視覚的にわかりやすく表示したチャートといえばわかりやすいかと思います。(「オーダーブックでどんなことがわかる?」の記事にて解説)

通常、縦軸には価格を、横軸には注文量(買い注文と売り注文)を表示します。今回でいうとチャートの左側に赤色で表示される買い注文と、右側に緑色で表示される売り注文を通じて、市場の動向を視覚的に捉えることができます。

特定の価格帯に集中する大量の売り注文や買い注文は、「売り壁」や「買い壁」と呼ばれ、これらは価格の動きに影響を与える可能性があります。注文量が多ければ多いほど、その資産の流動性は高いとされ、大きな注文が価格に大きな影響を与えにくくなります。(こちらは、例を元に後述します。)

トレーダーはデプスチャートを利用して短期的な価格動向を予測し、売り壁や買い壁が価格の上昇や下落を制限する可能性があるかどうかを分析することができます。

基礎的なワード

デプスチャートを理解する上での基礎的なワードは以下の通りです。

買い注文(ビッド)

デプスチャート上の買い注文は、投資家が特定の価格またはそれ以下で購入したいと考えている資産の量を示します。チャート上では通常、左側に表示されます。

売り注文(アスク)

売り注文は、投資家が特定の価格またはそれ以上で売却したいと考えている資産の量を示します。チャート上では通常、右側に表示されます。

売り壁

特定の価格レベルで多くの売り注文が集中している状態を指し、その価格帯で売り手が多く、価格が上昇するのを抑制する可能性があります。例えば、多くのトレーダーが同じ価格で資産を売却しようとしている場合、その価格帯での売り注文の量が増加し、売り壁が形成されます。

買い壁

特定の価格レベルで多くの買い注文が集中している状態を指し、その価格帯で買い手が多く、価格が下落するのを抑制する可能性があります。例えば、多くのトレーダーが同じ価格で資産を購入しようとしている場合、その価格帯での買い注文の量が増加し、買い壁が形成されます。

サポートレベル

資産の価格が下落する際に、価格が下がりにくいと見られる特定の水準です。このレベルは、買い手が市場に参入しやすく、資産の価格を押し上げる可能性があるため、価格の下支えとして機能します。簡単に言えば、サポートレベルは価格の「床」のようなもので、ここまで価格が下がると、再び上昇する可能性が高まります。

レジスタンスレベル

資産の価格が上昇する際に、価格が上がりにくいと見られる特定の水準です。このレベルは、売り手が市場に参入しやすく、資産の価格を押し下げる可能性があるため、価格の抵抗点として機能します。言い換えれば、レジスタンスレベルは価格の「天井」のようなもので、ここまで価格が上がると、再び下降する可能性が高まります。

デプスチャートの読み方の例

買い圧力が優勢のパターン

デプスチャート上で、買い注文(赤色)が売り注文(緑色)よりも大きく、またはより急な傾斜を持っていることが観察できます。これは、多くの投資家がその資産を買う意向を持っており、市場に強い買い意欲があることを示しています。

買い注文が売り注文を上回ると、供給が需要に追いつかないため、価格が上昇する可能性があります。市場のこの状況は、価格がサポート(価格が下がりにくい水準)されているか、あるいは上昇トレンドにあることを示唆しています。

トレーダーは、買い圧力が優勢な場合、価格上昇の機会を捉えるために購入を検討するかもしれません。しかし、市場の感情や他のテクニカル指標も考慮することが重要です。

売り圧力が優勢のパターン

デプスチャート上で、売り注文(緑色)が買い注文(赤色)よりも大きく、またはより急な傾斜を持っていることが観察できます。これは、多くのトレーダーがその暗号資産を売る意向を持っており、市場に強い売り意欲があることを示しています。

売り注文が買い注文を上回ると、供給が需要を上回るため、価格が下落する可能性があります。市場のこの状況は、価格がレジスタンス(価格が上がりにくい水準)に直面しているか、あるいは下降トレンドにあることを示唆しています。

売り圧力が優勢な場合、トレーダーは価格下落の機会を捉えるために売却を検討するかもしれません。しかし、市場の感情や他のテクニカル指標も考慮することが重要です。

売り壁ができるパターン

特定価格での大量注文によって売り壁が形成されるパターンは、デプスチャート上で、ある特定の価格レベルに売り注文が集中している状況を指します。このパターンは、市場でその価格レベルが売り手によって強く抵抗されていることを示しており、価格上昇の障害となる可能性があります。

デプスチャートでは、特定の価格帯で売り注文が急に増加することが観察できます。この状態は、赤色のエリアが特定の価格ポイントで突出しているように見えることが多く、売り壁として知られています。

売り壁は、その価格が市場の売り手にとって重要なレジスタンスレベル(価格が上がりにくい水準)となっていることを示します。多くのトレーダーがその価格で暗号資産を売る意向を持っているため、価格がそのレベルを超えて上昇することが難しくなります。

売り壁が存在すると、価格がそのレベルに近づくにつれて上昇が停滞する可能性があります。この壁を突破するには、相応の買い圧力が必要です。売り壁が維持されると、価格はそのレベルを超えることなく下落する可能性があります。

売り壁を確認したトレーダーは、価格がそのレベルを超えることが難しいと判断し、売却の機会を検討するかもしれません。しかし、市場の他の要因やニュースも考慮することが重要です。

デプスチャートの注意点

デプスチャートは特定の暗号資産に対する市場の売買注文の分布を視覚的に示す有用なツールですが、これを活用する際にはいくつかの重要な注意点があります。まず、デプスチャートに表示される情報はリアルタイムで変化し、市場の動向は継続的に更新されるため、最新の情報に基づいて判断することが重要です。また、デプスチャート上の注文量が必ずしも市場の流動性を正確に反映しているわけではなく、大量の注文が実際に執行される保証はありません。このため、注文量の多さが高い流動性を意味すると誤解することは避けるべきです。

さらに、デプスチャートに表示される売り壁や買い壁は、市場操作の手段として使用されることがあり、大量の注文が意図的に配置されている場合があることを理解することが重要です。これらの注文は市場の誤誘導を目的として設定され、価格の動きを人為的に操作する可能性があります。したがって、デプスチャートから読み取れる情報は、他のテクニカル分析ツールや市場ニュース、ファンダメンタルズ分析と併せて考慮することが推奨されます。市場の全体的なトレンドや外部要因を総合的に分析することで、より正確な市場の理解と効果的な投資戦略を立てることが可能になります。

まとめ

デプスチャートは暗号資産市場において、市場の売買注文の分布を視覚的に理解するための重要なツールです。このチャートは横軸に価格、縦軸に注文量を表示し、買い注文と売り注文を比較することで、市場の流動性や価格のサポートレベル、レジスタンスレベルを判断するのに役立ちます。

デプスチャートでは、特定の価格帯で大量の売り注文や買い注文が集中することを「売り壁」や「買い壁」と呼び、これらは価格の動きに影響を及ぼす可能性があります。注文量が多いほど資産の流動性が高いとされ、価格の大きな変動を抑制します。トレーダーはデプスチャートを利用して短期的な価格動向を予測し、売り壁や買い壁の存在が価格の上昇や下落にどのように影響するかを分析できます。

デプスチャートの分析では、買い圧力が優勢な場合や売り圧力が優勢な場合、特定価格での大量注文による売り壁や買い壁の形成などのパターンを識別することが重要です。これらのパターンを通じて、市場のセンチメントやトレンドの方向性を理解することができます。しかし、デプスチャートの情報はリアルタイムで変化し、市場操作の可能性もあるため、他のテクニカル分析ツールや市場ニュース、ファンダメンタルズ分析と併せて検討することが推奨されます。デプスチャートは市場の短期的な動きを捉えるのに役立ちますが、市場の心理や感情を考慮に入れることが重要です。

   

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記事執筆(コンセンサス・ベイス株式会社)

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