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2020年度の確定申告の注意点:クリプトリンク株式会社

執筆者:クリプトリンク株式会社 代表取締役 酒井 孝幸
監修:税理士法人ファシオ・コンサルティング 代表・税理士 八木橋 泰仁

2020年は一時期価格をさげたもの後半に向けてBTCを中心に大きく価格が上がったこともあり、利益を出された方も多いのではないでしょうか。

確定申告の準備としては過去の記事をご参考にしていただければと存じますが、当記事では2020年度の確定申告について注意が必要な以下の2点についてご紹介いたします

①申告期限について

②収支額について

申告期限について

今年は新型コロナウイルス感染症に関して緊急事態宣言が発令されたこと等を受け、個人所得税・消費税の確定申告期限が延長されています。

申告期間:2月16日から4月15日まで(3月15日までから延長)

1か月延長されており、期間は延びていますが御自身のペースで確定申告を行うようにしてください。

詳細は以下ご確認ください

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0021002-018_1.pdf

収支額について

冒頭でも述べましたが、2020年は暗号資産の価格が右肩上がりとなっていました。

このような状況の時は、トレードの仕方により総平均法と移動平均法では大きく損益額が変わってくることがあります。

個人所得税の申告では、原則として総平均法での計算が求められていますが、購入と売却を定期的に行っており、年内に一部の通貨を売却せずに翌期に繰越をされている場合、総平均法で計算をするとご自身の感覚・想定と異なる収支結果となる場合がありますのでご注意ください。

以下に例をご紹介します

1月1日に2BTCを購入して1月2日に1BTC売却。

その後は毎月1日に1BTC を購入して 翌日2日に1BTCを売却するという取引を続けて、翌期に1BTCを繰越した場合。

総平均法で計算すると以下のようになります

※収支の計算【売却額13,448,120 – (売却数12 × 取得単価1,092,043) = 343,610円】

収支の金額は、343,610円となります。

    

続いて移動平均法で計算した場合

収支の金額は:908,025円となります。

総平均法は前年度末に「保有している通貨の数量」と「保有している通貨の取得原価」に、「その年に購入した通貨の総数」と「総購入額」を足し合わせたものと、「その年に売却した通貨の総数」と「総売却額」を差し引きして計算を行う形になりますので、売買の都度、収支を計算する移動平均法と比べると、想定と違った損益計算がでる場合がありますのでご注意ください

また、単年で見ると収支が異なっていますが、それぞれの計算方法で繰越の金額が変わってくるので、翌年残りの1BTCを売却しすべての取引を合算した収支はどちらの計算方法でも同じになります。

1BTCの繰越金額
  • 総平均法:1,092,042円
  • 移動平均法:1,656,457円
2021年に1BTCを400万円で売却した場合の利益
  • 総平均法:2,907,958円
  • 移動平均法:2,343,543円
通年での収支額
  • 総平均法:3,251,568円(2020年度/343,610円 + 2021年度/2,907,958円)
  • 移動平均法:3,251,568円(2020年度/908,025円 + 2021年度/ 2,343,543円)

   

このように、通年で考えると収支は同じ額になります。

もし、総平均法で計算して収支額に違和感を感じた場合には上記のことを参考にしていただければ幸いです。

当記事では、「申告期限について」と「計算方法による収支額の違いについて」をご紹介しました。

実際の確定申告の方法については以下参考にしてください

クリプトリンクでは、ご自身で収支計算を行うWebアプリ「クリプトリンク」を提供しております。BTCBOXをはじめ、他の取引所・ウォレットのデータをアップロードするだけで総平均法・移動平均法での現在の収支の状況が計算できます。

他に、計算をマルナゲできる計算代行サービスも提供しております。「自分で計算を行うのが不安」「計算を行う時間がとれない」「相談しながら進めたい」というご要望がございましたら、ぜひご検討ください。

クリプトリンク(https://cryptolinc.com/

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