独立行政法人国民生活センター
[2022年3月3日:公表]
国民生活センター越境消費者センター(CCJ)では、2021年2月に、出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺について注意喚起を行いましたが、その後も、「出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会い、恋愛感情を持った相手から、実態のわからない投資等の海外サイトを紹介され投資したが、出金できなくなった」等の相談が多数寄せられています(図)
図.CCJにみる、出会い系サイトやマッチングアプリ等に関する年度別相談件数
年度別相談件数:2018年度は12件(うち投資等に関する相談は2件)、2019年度は25件(うち投資等に関する相談は5件)、2020年度は109件(うち投資等に関する相談は84件)、2021年度は12月31日までで187件(うち投資等に関する相談は170件)です。
相談事例
2人の将来のためと勧誘され投資したが、出金しようとすると保証金を要求された
マッチングアプリで自称外国人経営者、ファッションブランドでVIP待遇を受けているという男性と出会った。男性がアプリを退会し、無料会話アプリでやり取りする中で、「Baby」「妻」と呼ばれるようになった。将来のため、紹介する投資サイトで投資するよう何日か説得され続け、断り切れず投資した。少額を投資したところ利益が出て出金できた。元金が多ければもうけも多いと説得され、銀行や消費者金融から借り入れて、合計約500万円投資した。出金しようとしたところ、利益を含めた総資産の15%(180万円)を保証金としてさらに支払う必要があると言われたため、50万円をさらに借り入れた。残りの130万円についてマッチング相手に相談していたところ、連絡が途絶えた。
(2021年11月受付 30歳代 女性)
その他、以下のような相談も寄せられています。
- 投資金を個人の口座宛てに振り込み、利益を出金しようとすると、所得税を支払うように要求された
- 投資金を出金するための手数料等を支払ったが出金できない
相談事例から見えるトラブルの特徴、手口
ロマンス投資詐欺では、1~8の流れで財産的な被害が発生します。
- 出会い系サイトやマッチングアプリ等でマッチングが成立
- 実際に会う前に、出会い系サイトやマッチングアプリ等以外でのサービスでやり取りしないかと持ち掛けられる
- マッチングの相手から、投資サイトを案内され、投資を勧められる
- マッチングの相手から、投資用資金の送金を指示される
- 初めは少額からの投資を勧められ、投資サイト上では利益が出る
- マッチングの相手から、さらに高額の投資をするよう勧められ、送金する
- 出金しようとすると、さまざまな名目で送金を要求され、結局出金できない
- マッチングの相手、投資サイト運営事業者と連絡がとれなくなり、返金されない
相談事例から見た問題点とアドバイス
- 出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会った相手の指示で投資するのはやめましょう
- 出会い系サイトやマッチングアプリ等は、ルールに従って利用しましょう
不安に思った場合やトラブルにあった場合は
すぐに居住地域の消費生活センター等に相談してください。海外事業者とのトラブルについては、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています。*消費者ホットライン「188(いやや!)」番市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。*国民生活センター越境消費者センター(CCJ)ご相談はウェブフォームで受け付けています。