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リカバリーフレーズって何?【暗号資産塾〜初心者のための入門コラム】

暗号資産を安全に管理する上で非常に重要な「リカバリーフレーズ」。

この記事では、暗号資産におけるリカバリーフレーズの役割や注意点について初心者の方にも分かりやすく簡潔に解説していきます。

ご自身の暗号資産を守るためにも大切な「リカバリーフレーズ」についてしっかりと理解しておきましょう。

リカバリーフレーズとは

リカバリーフレーズとは、なんらかの理由でウォレットにアクセス出来なくなってしまった際に、再度そのウォレットにアクセスするために必要なものです。

12〜24個の単語からなる文字列で、ウォレットを作成した際に生成されます。

リカバリーフレーズという呼び方以外にも、「シードフレーズ」もしくは「ニーモニックフレーズ」と呼ばれたりもします。

パスワードとの違い

リカバリーフレーズと混同されやすいのが、パスワードですが、この二つは明確に違います。

パスワードはウォレットにログインする際に必要となります。

一方リカバリーフレーズは、ウォレットを復元、復活させる際に必要となります。

リカバリーフレーズが必要な場面

では、リカバリーフレーズが必要となる場面とは一体どんな時なのでしょうか。

それは主に以下の3つです。

●  ウォレットに入るためのパスワードを忘れてしまった時

●  スマホやパソコンを新しく変えた時

●  ハードウォレットを紛失したり、新しく変えた時

これら3つの場面では、リカバリーフレーズがないと保管している暗号資産を触ることが出来なくなってしまいます。

つまり、リカバリーフレーズを忘れてしまうと、最悪の場合ウォレットの中にある暗号資産を動かしたりすることが出来なくなってしまうということです。

ちなみに、このリカバリーフレーズはパスワードとは違い、再設定することが出来ません。

つまり忘れてしまえば永久に暗号資産を動かすことが出来なくなってしまうため、非常に重要なものであるという認識を持つようにしましょう。

リカバリーフレーズの仕組み

リカバリーフレーズはウォレットを作成することで自動的に生成されます。

2048の単語からランダムに選ばれ、24単語の場合には途方もない組み合わせの数となるため、推測することはほぼ不可能です。

上記の通りリカバリーフレーズは人間が認識できる12〜24の単語となっていますが、実際には長いデータ列であり、人間が認識しやすいように単語で表記されています。

秘密鍵との違い

暗号資産を管理する上で重要なリカバリーフレーズですが、似たような言葉で「秘密鍵」というものがあります。

秘密鍵というのは、その暗号資産を持っている人を示すと言っても過言ではないものであり、秘密鍵の管理者、つまり秘密鍵を知っているものがその暗号資産の管理者となりえます。

ちなみに秘密鍵はランダムな文字列であり、リカバリーフレーズとは異なります。

秘密鍵は個々の暗号資産を動かすために必要なパスワードであり、リカバリーフレーズは暗号資産を管理しているウォレット自体にアクセスするためのものと言えるでしょう。

もしもリカバリーフレーズを紛失したら

ここまでの解説で、「リカバリーフレーズ」が大事なものであるということはお分かりいただけたかと思いますが、実際にリカバリーフレーズを紛失、もしくは他人に知られてしまったらどうなるのでしょうか。

一言でいえば「管理している暗号資産は盗まれたと同義になる」となります。

つまり、あなたのウォレットのリカバリーフレーズを知られてしまうということは、その人がそのウォレットの管理者になってしまうと言い換えることができます。

ウォレット内の暗号資産は全て送金が可能となり、それを防ぐことは難しいと言えます。

では、他人に知られないまでも紛失、もしくは忘れてしまった場合はどうなるのでしょう。

リカバリーフレーズは上記で触れた通り、再設定、再発行が出来ません。

ウォレットのパスワードを忘れる、もしくはハードウェアウォレットを無くしてしまう、壊れてしまうなどの事態になった場合、そのウォレット内の暗号資産は動かすことが出来なくなります。

ウォレットのパスワードであれば再発行が可能な場合もあるため最悪のケースを免れることはあるかもしれませんが、いずれにしても管理している暗号資産を失うことにつながる恐れがあることは認識しておきましょう。

リカバリーフレーズの保管方法

暗号資産を管理する上で非常に重要なリカバリーフレーズですが、実際にはどのように管理するべきなのでしょうか。

その管理方法についていくつか解説していきます。

紙に書く

リカバリーフレーズを安全に管理するためには、やはりオンラインではなくオフラインでの管理が良いでしょう。

その中でも最も手軽であり安全な方法の一つが、リカバリーフレーズを紙に書き写して保管しておくという方法です。

手軽ですぐに実践できることや、オンライン上で管理されるわけではないのでハッキングなどの恐れがありません。

さらにリカバリーフレーズをいくつかの紙に分けて書いておき、複数の場所に分けて保管すればより安全です。

ただし紛失や盗難、また紙の劣化などのリスクはあるため、保管場所には注意を払う必要があるでしょう。

ハードウェアに保管

紙に書いて保管するのはちょっと違うとお考えの方には、暗号化されたハードウェアで保管するという方法もあります。

情報漏洩対策のために自動で暗号化する機能を備え、衝撃にも強いハードウェアもあります。

盗難や紛失のリスクは紙同様にありますが、利便性や紙のような劣化を心配する必要はないかもしれません。

複数のハードウェアを使ってバックアップをとっておく方が安心ではあるものの、その分手間がかかるといったデメリットもあります。

保管アイテムの使用

リカバリーフレーズを物理的に保管するアイテムとして、リカバリーフレーズを打ち込んで保管するためのチタンケースがあります。

紙などに比べ、損傷や劣化と言ったリスクがなく、長期保管にも向いています。

金庫などに預けるなどによってより安全性を高めることもできるでしょう。

購入費用がかかってしまうことがデメリットとなりますが、オフラインで保管する方法としては候補に入るでしょう。

オンラインでの保管はしないように

保有する暗号資産を守る上でも非常に重要なリカバリーフレーズですが、その保管はオフライン、すなわちインターネットの繋がっていない環境で保管するようにしましょう。

スマホやPC、暗号化されていないクラウドに保管するのは便利ですが、ハッキングのリスクと隣り合わせです。

自分だけは大丈夫という油断で大切な暗号資産を失わないようにしましょう。

まとめ

近年その広がりを見せる暗号資産ですが、セキュリティに関する認識はまだまだ浸透しているとは言い難いかもしれません。

保有する暗号資産を安全に管理するためにもリカバリーフレーズの重要性についてはしっかりと認識し正しく管理しましょう。

   

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記事執筆(コンセンサス・ベイス株式会社)

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