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トロン(TRX)の最新動向:2023年〜2024年前半のニュースと今後の展望

記事提供元:BITTIMES(ビットタイムズ)

仮想通貨市場ではこの数年間で非常に多くの仮想通貨が誕生しましたが、比較的長い歴史を持つ仮想通貨の1つであるトロン(Tron/TRX)は記事執筆時点でも時価総額ランキングTOP10にランクインしています。

この記事では、2023年〜2024年にかけてのトロン関連ニュースを紹介するとともに、今後の展望も合わせて紹介します。

トロン(Tron/TRX)とは?

トロン(Tron/TRX)とは、2017年に起業家のジャスティン・サン氏によって立ち上げられたブロックチェーン・暗号資産プロジェクトです。Tronはプロジェクト・ブロックチェーンの名称を指し、TRXは仮想通貨のことを指します。

Tronは元々イーサリアム基盤のトークンとしてスタートしましたが、その後は独自のブロックチェーンがローンチされ、主要なレイヤー1ブロックチェーンの1つに成長しました。

TRXはジャスティン・サン氏が設立したトロン財団によって発行・運営されていましたが、2021年7月にはトロン財団の解散が決定し、その後は分散型自律組織(DAO)が主導する形でプロジェクトが推進されています。

トロンは代表的な仮想通貨・ブロックチェーンである「イーサリアム」のようなブロックチェーンプラットフォームで、契約を自動執行できるスマートコントラクトを展開したり、分散型アプリケーション(DApps)を構築したり、独自トークンを発行したりできるようになっています。

技術的には高速・低コストな取引環境を実現している点を特徴としているため、現在は分散型金融(DeFi)、ゲーム、ギャンブル、NFTマーケット、ソーシャルツールなどといった様々な分野のサービスでトロンの技術が活用されています。

仮想通貨業界は変化が激しく、時価総額ランキング上位の銘柄では激しい競争が繰り広げられていますが、トロンは代表的なレイヤー1としての立場をキープしていて、記事執筆時点における仮想通貨の時価総額ランキングでは9位にランクインしています。

2023年〜2024年のトロン関連ニュース

トロン(Tron/TRX)に関するニュースの数は初期の頃と比べると減少したものの、海外メディアなどでは現在もトロン関連ニュースが定期的に報じられています。

2023年1月には、分散型金融(DeFi)関連の情報サイトであるDeFiLlamaから、トロンのTVL(ロックされた預かり資産)がBSCを抜いて2位にランクインしたことが報告されています(1位はイーサリアム)。これはトロンのネットワークに多くの資金が流入していることを示しています。

2023年3月には、Tronネットワーク上の取引件数が50億件を突破したことが報告されていて、記事執筆時点におけるトロン上の合計取引件数は87億件以上にまで成長しています。これは、トロンのネットワーク上で現在も活発に取引が行われていることを示しています。

2024年1月には、Tronのデイリーアクティブユーザー数が一時的に140万を突破して、ビットコインやイーサリアムを上回り、ランキング1位を記録したことも報告されています。なお、記事執筆時点における「Token Terminal」のデータでは、トロンのデイリーアクティブユーザー数は約190万で、ソラナに次ぐ2位とされています。

2024年2月には、欧州のデジタル資産運用会社CoinShares(コインシェアーズ)が公開した週次レポートの中で、デジタル資産投資商品への流入額ランキングで40万ドルを記録して、トロンが6位にランクインしたことも報告されています。仮想通貨関連の投資商品はここ最近で特に注目度が高まっているものの1つです

2024年2月には、ブロックチェーン分析企業「IntoTheBlock」が公開した主要プロジェクトのGitHubコミット数ランキングで、トロンが5位にランクインしています。これは現在もトロン関連の開発活動が活発に行われていることを示しています。

2024年5月には、大手会計事務所のErnst & Young(EY)が公開したレポートの中で、機関投資家に人気の仮想通貨ランキング5位にトロンがランクインしたことも報告されています。今後は仮想通貨投資を行う機関投資家がさらに増加すると予想されているため、そのような流れはトロンの成長にもプラスの影響をもたらす可能性があると期待されます。

2024年7月には、トロンの創設者であるジャスティン・サン氏がガス代無料でステーブルコインを送金できる新しいソリューションの開発を発表したことも話題となりました。ガス代無料のステーブルコイン送金技術は、Tronネットワーク全体の成長を促進する可能性があります。

2024年10月には、ビットコイン(BTC)を公式通貨として採用することを宣言している未承認国家リベルランドから「ジャスティン・サン氏が首相代行に選ばれたこと」も発表されています。ジャスティン・サン氏がリベルランドで今後どのような取り組みを行なっていくかは不明であるものの、トロンの技術が活用されるようになれば、トロンのネットワークがさらに活発化すると期待されます。

トロン(TRX)の将来性・今後の展望

トロン(Tron/TRX)についてはジャスティン・サン氏の影響力が非常に強かったことなどから一部では中央集権的だと批判する意見も出ていましたが、現在もトロンのエコシステムは順調に成長していて、仮想通貨の時価総額ランキングでもTOP10入りをキープしています。

分散型自律組織(DAO)が主導する形で仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトを推進していくことには様々なリスクが伴いますが、トロンはトロン財団の解散後も安定して成長を続けているため、そのような点も高い評価ポイントの1つです。

完全分散型のブロックチェーンでは、そのネットワークやエコシステムを支えるコミュニティが重要になりますが、トロンは世界中で大規模なコミュニティを形成しているため、今後もコミュニティ主導のもとで長期的に成長していくことが期待されます。

初期のトロンはゲームやギャンブルなどのDAppsが活発でしたが、最近では分散型金融(DeFi)の分野でも成長が見られています。今後もDeFi関連サービスの成長が続けば、エコシステム全体の成長が促進される可能性があります。

また、トロンは機関投資家に人気の仮想通貨ランキングで5位にランクインしたことも報告されているため、機関投資家のさらなる参入にも期待が高まります。最近ではアルトコインのETF(上場投資信託)を申請する事例が増えているため、トロンのETFに関するニュースなどにも注目です。

トロンは他の主流ブロックチェーンと比べるとやや特色が強いプロジェクト・銘柄ではありますが、高速・低コストな取引環境を実現していて、時価総額ランキングでも長期的に上位をキープするほどの支持を得ているため、今後もさらに成長していくことが期待されます。

ジャスティン・サン氏はトロンの第一線を退いているものの、現在もトロン関連の取り組みは続けられていて、SNS上でもトロン関連の発言を行なっているため、ジャスティン・サン氏の今後の取り組みなどにも注目です。

同氏が首相代行に選ばれたリベルランドでは、暗号資産やブロックチェーンの技術活用が積極的に進められているため、リベルランドでトロンの技術活用が進めば、トロンの有用性を示す重要な事例の1つとなるでしょう。

記事執筆(ビットタイムズ)

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