取引所に送金する際、通常、暗号資産(仮想通貨)の着金には、一定数の承認数が必要であり、取引所のホームページなどにもそれぞれの暗号資産の承認数についての記載があります。
この記事では、取引所への暗号資産の送金に必要な承認数とは何かについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
暗号資産の送金に必要な承認数とは
暗号資産の送金に必要な承認数とは、取引所がその着金を確定し口座に反映されるまでに必要な承認の数のことです。
承認とは、おおまかに説明すると自分の送金がネットワークに認められた数です。例えば、自分の送金データが入るデータのまとまり(ブロック)を0とします。
つまり、この状態では、承認数は0です。そのブロックに次のブロックが繋がると承認数は1となります。その次のブロックが繋がると、承認が2となります。
つまり、ここでいう承認の数とは、ブロックチェーンにおいて自分の取引を記録したものをまとめたブロックが、チェーン上に繋がっていく際に、続いたブロックの数をいいます。
例えば取引所が設定した承認数が3であれば、ブロックが3つ繋がった段階でその送金が承認され、口座に反映されることになります。
なぜ承認数が必要なのか
この承認数ですが、実は取引所は0回に設定することも出来ます。
しかし一般的には取引所は一定数の承認回数を設定します。
その理由は、送金がなかった事になる可能性があるためです。
具体的には、ブロック(とその中に含まれる送金情報)が無効化され、別のブロック(送金情報)が採用される可能性があります。
例えば、取引所が承認数0で着金として認めシステムに反映した場合、その後にその送金がブロックチェーン上で無効になると、その分の金額を取引所が損をすることになります。
そういったリスクを回避するための観点から取引所は承認数を設定しています。
一定の承認数を経ることによってその取引が正当なものである確率が十分高まり、その暗号資産を別のウォレットに送金したり別の暗号資産に交換したとしても、あとから問題が起こる可能性が低くなります。
承認数は同じ暗号資産でも取引所によって異なります。
承認数が多ければその取引は多くの承認を経ていることになるため安全になるということが言えるでしょう。
ただし承認回数を増やして安全性を高めようとすると、それだけ承認に時間がかかってしまうというデメリットもあります。
また、取引所によっては同じサービス内での送金であれば承認回数を少なくして、他のウォレットからの送金の場合は回数を増やすなど、安全性とのバランスによって承認回数を変えるというケースもあります。
承認数が多い暗号資産と少ない暗号資産
承認数は取引所ごとに違いますが、暗号資産ごとにも違いがあります。
これは一体なぜなのでしょうか。
それは暗号資産ごとに承認にかかる時間や、1承認あたりに得られる安全性が異なるためです。
例えばビットコインの承認にかかる時間は承認1回につき約10分、イーサリアムであれば約12秒と暗号資産ごとにかなり違いがあります。
一般的に確率的に安全、つまり送金が無効になる可能性が低いと考えられている承認数は、ビットコインでは6承認(約1時間)で、イーサリアムはPoWの時に12承認(約3分)、PoSでは50承認(約10分)と言われています。
この場合、1回の承認にかかる時間が少なくて済むイーサリアムはビットコインに比べて多くの承認回数を設定しても送金にかかる時間は少なくなることになります。
いずれにしても、その暗号資産の安全性と承認にかかる時間とのバランスによって承認数は設定されており、その変更は取引所が独自に行うことになります。
承認数は変更出来るのか
ここまで解説してきた通り、承認数の変更を行うことが出来るのは取引所となります。
承認数は信頼性や安全性、送金にかかる時間など様々な要素を考慮して決定され、変更されることもあります。
ちなみに、承認にかかる時間に関してはそれぞれの暗号資産の仕様によって定められているため変更することは出来ません。
あくまでも承認数のみ取引所によって変更が可能となります。
まとめ
以上、暗号資産の取引所への送金に必要な承認数について解説してきました。
取引所はこの承認数を設定することで、暗号資産の送金の信頼性や安全性を高めています。
ただあまりに承認数を増やしても今度は取引の速度に問題が出てしまうためそのバランスを考慮した上で決められています。
これは取引所ごとに異なるため、送金の速度を重視する場合には取引したい暗号資産の承認数が少ない取引所を選ぶなどする必要があるでしょう。
目的や使い勝手に合わせて承認数をチェックしてみるようにしてください。
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