Web3とブロックチェーンは共に近年非常に注目されている技術であり、ニュースやネットなどで目や耳にする機会も非常に多くなったのではないでしょうか。
Web3とブロックチェーンを正しく理解するには、両方の技術の違いについて理解することが非常に重要です。
この記事ではそんなWeb3とブロックチェーンの違いについて初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、分散されたネットワークで現実的な合意形成を行うアルゴリズムを使用することで、中央集権的な管理者なしで取引データのやり取りを行うことができるシステムのことです。
取引データをブロックと呼ばれる入れ物にまとめ、それらを連鎖的につなげることで、一連のトランザクション(取引)を記録していきます。
ブロックチェーンにはいくつかの大きな特徴があります。
分散型である
一つ目は分散型であるということです。
ここでの分散型とは、ネットワークを構成しているノードが複数に分散していることと、管理・運用している人や組織が分散していることの二つの意味があります。
一つ目はブロックチェーンに参加するコンピューターが分散している(複数ある)ことで、従来のようなサーバーがダウンするなどのシステムダウンが起こりにくいことや、攻撃者からの攻撃を受けにくいという特徴があります。
もう一つは、管理・運用をしている人や組織が分散し、そのシステムに対する権限も分散しているということです。
これは不特定多数のブロックチェーンネットワーク参加者によって共同管理されることを意味しており、中央管理者がいないというブロックチェーンにおける大きな特徴の一つとなっています。
透明性が高い
二つ目は透明性が高いという点です。
ブロックチェーンに保存されたデータはすべての参加者が見ることができるため、不正や改ざんがあるとすぐに分かるため、非常に透明性の高いシステムであるということが言えるでしょう。
仮名性
三つ目は仮名性です。
ブロックチェーンでのやり取りはトランザクションと呼ばれる取引の内容に関しては誰もが見ることが出来ますが、誰が取引をしているかに関してはランダムなアドレスデータをIDとして使うため、アドレスが個人情報に紐付けられない限り、一定のプライバシーが保たれています。
これ以外にも、スマートコントラクトと呼ばれるブロックチェーン上で自動的に実行されるプログラムは、金融や不動産など、様々な取引において応用が期待されています。
こうした特徴により、ブロックチェーンは、安全で透明性が高く、自動化された取引を可能にする新しい形のデジタル技術として注目されていると言えるでしょう。
Web3とは
Web3という言葉は人によって解釈が大きく異なるが最大公約数としては、ブロックチェーン技術を活用した分散型ウェブとも呼ばれているもので、EthereumやPolkadotなどの著名なブロックチェーンプロジェクトの共同設立者として知られるギャビン・ウッド氏によって2014年に提唱されました。
Web3以前のウェブサービスは、GoogleやInstagram、YouTubeなどに代表される、特定の運営者が管理するサービスやプラットフォームを利用することが一般的でした。
これに対しギャビンは「分散化とプライバシー保護を徹底したインターネット インフラ」として、GAFAMなどの巨大IT企業のデータ独占や国家による過剰な監視に対するカウンターとしてのコンセプトで、特定の運営者に依存しない分散型アプリケーション(DApps)を用いた新しいWebの概念を提唱しました。
これにより管理者となるプラットフォーマーが存在しなくてもユーザー同士でデータを管理したり、デジタルデータのやり取りをしたりすることが可能です。
Web3とブロックチェーンの関係性
Web3とブロックチェーンは、分散化、透明性、改ざん防止といった共通の特徴を持っていますが、そもそも大枠から違いがあります。
前述の通りWeb3は人によって解釈が異なりますが、ここではWeb3=「ブロックチェーン技術を応用したサービス群を指す言葉」と定義します。
その場合、Web3とブロックチェーンの関係を分かりやすくいえば、現在のウェブとインターネットの関係に似ています。
現状ではインターネットが基盤技術としてあり、その上に様々なウェブサービスが乗っています。
これがWeb3とブロックチェーンでは、ブロックチェーンという基盤技術の上に、Web3がアプリケーションとして乗っていると言えるでしょう。
具体的な違いを見ていくと、まずブロックチェーンは、取引データを管理するための分散システムであり、データをブロックにまとめ、連鎖的に繋いでいくことでデータの信頼性を高めています。
一方、Web3は、ブロックチェーンを基盤としており、ブロックチェーン上で動作する分散型アプリケーションとして、さまざまなWeb3サービスが登場しています。
また、ブロックチェーンは、あくまでもデータを保存するための技術であるのに対して、Web3は、スマートコントラクトを用いることで、プログラムの自動実行や外部サービスとの連携が可能です。
Web3とブロックチェーンの将来性と展望
Web3とブロックチェーンの将来性は非常に高く、今後も注目される技術となっていくことは間違いないでしょう。
Web3は、現在のインターネットをより透明で安全なものにするための潮流であり、将来的には、様々な産業において透明で公正な取引やデータの管理が可能となることが期待されています。
中央集権的なプラットフォームの排除により、プラットフォームの支配下に置かれることなく、自己決定的な行動を取ることができるようになることも期待されていると言えるのではないでしょうか。
一方、ブロックチェーンは、従来の中央集権的な仕組みに比べ、改ざん防止や透明性の高さなどのメリットを持ち、様々な産業において利用される可能性があります。
例えば、金融業界では、ブロックチェーンを用いた決済や証券取引が。物流業界では、ブロックチェーンを用いた物流管理が検討されています。
ただし、Web3やブロックチェーンにはまだまだ課題も存在しています。
例えば、ブロックチェーンには、トランザクション処理速度の問題やスケーラビリティの問題があり、Web3には分散化によるセキュリティリスクの問題や、スマートコントラクトのプログラムミスによるセキュリティリスクの問題があります。
これらの問題を解決するために、現在も技術開発が進められています。
まとめ
以上、Web3とブロックチェーンの違いについて、それぞれの特徴を紹介しつつ解説してきました。
いずれにしてもWeb3とブロックチェーンは、今後も進化し続ける技術として注目されており、様々な産業や分野において活用される可能性は非常に高いと言えるでしょう。
現在はまだ発展途上の技術であり、様々な課題やリスクも存在していることは事実ですが、いずれこれらの問題も解決されていくのではないでしょうか。
これらの課題やリスクを克服し、Web3やブロックチェーンの技術が普及し、実用化されることで、より公正で透明性の高い社会が実現されることが期待されるでしょう。
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