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暗号資産におけるAPI取引って何?どんなことができるの?【暗号資産塾〜初心者のための入門コラム】

暗号資産におけるAPI取引とは、主に暗号資産の自動売買、自動取引のことを言います。

この記事ではそんな暗号資産のAPI取引についての概要、メリットやデメリットなどについて初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

APIについて

まずは、暗号資産で自動売買をするために必要なAPIについて解説していきます。

APIとは

APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略で、サービス提供者がそのサービスのソフトウェアやアプリケーションの一部を公開することで、外部のソフトウェアとデータの読み込みや送信、関数の実行などのコミュニケーションを可能にするものです。

もっと簡単に言うと、サービス提供者のアプリと利用者のアプリ(もしくは利用者が開発したアプリ)を連携することで、より便利にサービスを利用することが可能になるものとなります。

例えば、Twitterが公開しているAPIを利用することで、投稿やリツイート、フォローやフォロー解除、フォロワー管理など、オリジナルのアプリでは出来ないことが出来たり、金融機関が公開するAPIを使って資産を管理したり家計簿をつけたりするアプリを利用することが出来ます。

APIと暗号資産の関係

暗号資産においても取引所が公開しているAPIを活用することで、今回のテーマでもある自動売買及び自動取引や、それ以外にも暗号資産の管理に関するアプリなどが数多く存在します。

自動売買については後述するとして、例えば国内外の暗号資産の取引所が公開しているAPIを利用することで、ウェブ上で各取引所で管理している暗号資産のポートフォリオ管理、資産の推移、移動などの一元管理を可能にしたものがあります。

このようにAPIと暗号資産は非常に相性がよく、ユーザー体験をより良いものとするために非常に便利なものであるということが言えるでしょう。

取引所APIの種類

暗号資産の取引所が提供するAPIには「認証が不要なAPI」と「認証が必要なAPI」に分けることが出来ます。

それぞれどんなものか、どんな違いがあるのかについて見ていきます。

認証が不要なパブリックAPI

認証が必要か不要かというのは、基本的にはそのユーザーのログイン情報が必要か不要かを示しています。

その上で、「認証が不要なAPI」というのは、取引所が提示している暗号資産の価格や注文状況、公開されている取引の履歴、板情報などがこれにあたります。

その取引所にログインしなくても見れる公開情報を取得することが可能なのが、認証不要なパブリックAPIとなります。

認証が必要なプライベートAPI

一方で認証が必要なプライベートAPIは、利用ユーザーの新規注文やそのキャンセル、残高情報などを取得することが出来ます。

ログインしないと確認できないこと、及び操作できないことや情報などの取得がこれにあたるため、次項で解説する自動売買などを行うためには必須となります。

また、個別のユーザーのデータにアクセスしないAPIであっても、高頻度のAPIアクセスを利用するためにアカウント登録が必要な場合も多くあります。そのようなAPIは、API提供サービスにてアカウントを登録し、APIキーなどを発行してAPIにアクセスする必要があります。

APIを用いた自動売買

上記のように、取引所が公開しているAPIを使用することで可能になることの一つが、本記事のメインテーマでもある自動売買です。

ではAPIを用いた暗号資産の自動売買というものが、一体どんなものなのかについて解説していきます。

APIを用いた暗号資産の自動売買とは

暗号資産における自動売買とは、指定した暗号資産が指定した価格まで下落したら購入したり、購入した暗号資産が指定した価格まで上昇した時に売却するといった取引を自動で行ってくれるものです。

暗号資産の価格を常に人手で監視する必要がなく、価格さえ指定しておけばあとは自動的に売買してくれるため、忙しくて価格をチェックする時間がない方でも取引が可能となります。

さらにこれをより高頻度で行うことも可能で、一日に何十回何百回と取引させることも出来ます。

また、裁定取引といって、同じ暗号資産でも取引所によって価格差が発生した際に、割安な取引所で買い付けを行い、割高な取引所で売却するといった取引も自動で行うことができます。

APIを用いた自動売買は、このような手動では難しい取引を、常に監視することなく自動的に行ってくれることを可能にします。

自動売買のメリット

こうした自動売買は実に様々なメリットを生み出します。

戦略を完全に自動化することによって感情の影響を排除したり、人間の手では不可能な速度での取引を高頻度で行ったりすることが可能になることは非常に大きなメリットとなるでしょう。

また、指値や逆指値、トレーリングストップやOCOといった様々な注文タイプも発注できるため、より複雑な戦略を組むことも可能です。

そして何よりもこれらの売買を監視する必要がないというのは、仕事をしながら暗号資産の売買をしたいと考える方など、暗号資産の売買のための時間を確保することが難しい方にとって非常に大きなメリットとなるでしょう。

自動売買のデメリット

一方で、APIを活用した暗号資産の自動売買にはデメリットもあります。

例えば取引所のサーバーが不安定であったり、なんらかの理由でサーバーがダウンしてしまった時にはその対処ができなかったり、大規模な相場の変動などによって、自動売買のプログラムが正しく機能しないなどのトラブルにより思わぬ損失を被ることがあります。

また、一度作った自動売買のプログラムが半永久的に機能して利益を生み出し続けるということはまずないと言えるため、結局は定期的にメンテナンスが必要であるということもデメリットの一つと言えるかもしれません。

さらに現在では、ろくに機能しない暗号資産の自動売買プログラムを高額で販売するなどの詐欺まがいの事例もあり注意が必要です。

まとめ

今回は、「暗号資産におけるAPI取引とは?」というテーマで解説させていただきました。

自動的に暗号資産の取引を行うことが可能なAPI取引は、忙しい人や感情的に取引をすることで失敗してきた方にとって非常に便利なものです。

全く知識がない人にとっていきなりAPIを使った自動売買はハードルが高いかもしれませんが、徐々に勉強したり、最初のうちはすでにある自動売買のツールを使って勉強してみるのも良いでしょう。

いずれにしてもこうしたAPI取引は、効率的且つ効果的な暗号資産の取引をサポートしてくれる重要なツールであるということが言えるのではないでしょうか。

   

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記事執筆(コンセンサス・ベイス株式会社)

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