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暗号資産の価格はなぜ変動するの?【暗号資産塾〜初心者のための入門コラム】

暗号資産は投機や投資対象として非常に大きな注目を集めています。

ただ一方で、従来の金融商品に比べると価格の変動が激しく、ボラティリティが高いと言われ、大きな損失を被ってしまう可能性があることも事実です。

この記事では、そんな暗号資産の価格がなぜ変動するのか、その要因について初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

暗号資産の変動要因

暗号資産の価格が変動する要因は一つではありません。

様々な事象が重なることで価格が変動しますが、ここではそれら様々な要因について一つ一つ解説していきます。

一つの要因が別の要因に関与することもあるため、重なる部分もあることを頭に入れておいていただきながら読み進めてみてください。

需要と供給

暗号資産の価格を変動させる要因としてまず挙げられるのが「需給」です。

世の中の商品は、需要が多ければその価値は上がり、供給が多ければその価値は下がりますが、これは暗号資産においても同じです。

一部の暗号資産は供給量が制限されているものもあり、それに対して需要が高まればその価値は上がりやすいと言えます。

一方で需要に対して供給量が多いと判断されれば価格が下がる要因となるでしょう。

需給は、マーケット参加者の心理状態(リスク商品に対して強気か弱気か)、規制の問題、ニュースなどにも大きく影響を受け、需給のバランスが大きく崩れることで価格の変動も大きくなります。

政府などによる規制や法案

分散型であることが大きな特徴である暗号資産ですが、実際には各国の規制の影響を大きく受けます。

規制や法案の変更によって、暗号資産の市場自体が停滞したり取引がしにくくなることによって需要が低下し価格が下がったりすることがあります。(その逆も有り得ます)

例えば、「アメリカ政府のリップル社提訴」によるリップルの上場廃止や取り扱いの停止などによる暴落、「エルサルバドル政府のビットコインの法定通貨採用」や「アメリカ市場におけるビットコインETF上場」などは当時のビットコインの大幅な上昇を演出しました。

ニュースやイベント

ニュースという意味では上記の各国政府による規制と被る部分もありますが、暗号資産市場に関係するニュースやイベントも価格の変動に大きな影響を与えます。

例えば、「テスラ社のビットコインに関するニュース」はビットコインの価格に大きな影響が有りました。

テスラ社が多額のビットコインを保有していることが明らかになったり、ビットコイン決済に対応したというニュースは価格の上昇に大きく影響した一方で、同社のビットコイン売却や決済中止のニュースは価格の暴落を招きました。

他にも暗号資産取引所のハッキングやプロジェクトのアップデート、取引所への新規上場なども関連する暗号資産の価格に大きな影響を与えることになります。

市場心理

投資対象としてもみられる暗号資産は、市場参加者の心理状態も価格変動に大きく関係します。

市場全体の方向性がリスクオンであれば、リスク資産である暗号資産にも資金は流れてきやすくなり価格は上昇しやすくなります。

一方、市場全体が悲観的でリスクオフの状態であれば、暗号資産に資金が向きにくくなり需要が低下することで価格が下落しやすい状況になると言えるでしょう。

テクニカル的な要因

暗号資産に投資をする際に、チャートなどを見て購入を検討したりするトレーダーは少なくありません。

トレーダーは、過去の価格推移をチャートで確認し、未来の価格を予測分析し、買われやすい状態なのか売られやすい状態なのかを判断します。

この時、チャート上に示されるローソク足、移動平均線、サポートラインやレジスタンスラインといったテクニカル分析と呼ばれる伝統的な手法が用いられます。

このテクニカル的な要因も暗号資産の価格変動に影響を与えると言えるでしょう。

暗号資産の価格変動は予測可能か

ここまで暗号資産が変動する主な要因について解説してきましたが、果たしてこれらの情報をもとに、未来の暗号資産の価格変動を予測することは可能なのでしょうか。

結論から言えば、正確な予測はほぼ不可能であると言えるのではないでしょうか。

暗号資産の価格は、最終的には買いたい人と売りたい人の値段が合致する価格で決まります。

そして買いたい売りたい人、つまり暗号資産を取引する人はこの世界に無数にいます。

未来の価格変動を正確に予測するということは、「何時何分何秒に、誰が誰からどの価格でどれくらいの数量を売買するのか」ということがあらかじめ分かっていないと出来ません。

そしてこれを連続的に行われる売買の全てで知らなくてはいけないという、ほぼ不可能なことであると言えるでしょう。

しかし、正確ではなくとも、需要が高まったり低下したりする要因を知っておけば、価格が変動する可能性が高い時期を予測することは可能かもしれません。

需要が高まりそうな要因が出たら、もしくは出そうであれば購入を検討する、逆であれば購入を控えるといった判断要因にすることは可能でしょう。

まとめ

以上、暗号資産が変動する要因についてまとめてきました。

この記事で解説した通り、暗号資産は様々な要因が絡み合い、その価格を形成していきます。

そしてその変動を正確に把握することは不可能と言えるでしょう。

しかし変動の要因を知っておけば、その要因が起こりそうな時、実際に起こった時に出来る対応の質が変わります。

これらの要因をしっかり頭に入れておくことで、予測不能な暗号資産の価格変動にもしっかり対処できるようにしておきましょう。

   

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記事執筆(コンセンサス・ベイス株式会社)

コンセンサス・ベイスは、国内初のブロックチェーン技術の専門企業として事業を展開しており、専門的な知識と技術を持った企業としてアドバイス、コンサルティング、開発、教育を行っています。

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