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ビットコインの価格に影響を与えた重大イベント【暗号資産塾〜初心者のための入門コラム】

ビットコインは様々なイベントや出来事によってその価格に大きな影響を与えます。

この記事ではそんなビットコインが過去大きな価格変動を起こした要因となった出来事やニュース、イベントについて解説していきます。

ビットコイン価格に影響を与えたニュース・イベント【2016年まで】

上記の画像は2009年から2016年までのビットコインの価格の推移をあらわしたものです。

画像内には大きな値動きがあった時の出来事について記載しています。

それぞれの出来事について解説していきます。

【2009年10月】初のビットコインの価格が提示

こちらは価格の変動というわけではありませんが、ビットコインの歴史的スタートとして紹介します。

2009年1月に最初のブロックである「Genesis Block」が生成されたビットコインでしたが、当時はまだその価値が認められず価格は0円でした。

それが同年10月にビットコインのマイニングにかかる電気代から算出された0.07円という価格が「New Liberty Standard」というサイトによって初めて提示されました。

【2011年5月〜】ビットコイン初バブル期

ビットコインが世界的に注目され出したのは2011年と言われており、3月のTibanne社による取引所のMt.Goxの買収、4月のTIME誌による特集により知名度が一気に上昇。

それにともなって価格も一気に上昇していきました。

上記のグラフでは小さな変化に見えますが、前年には数円だった価格が1,500円まで上昇。初の提示価格から実に2万倍という上昇を果たしました。

【2011年6月19日】Mt.Goxハッキング事件

注目度や将来性などからその価格を一気に上昇させていたビットコインですが、ここでM t.Goxによるハッキング事件が起きてしまいます。

ビットコインに対する信用の低下からその価格は一気に下落し初のビットコインバブルは崩壊してしまいます。

【2013年10月〜】第二期ビットコインバブル

2013年に入ると3月のキプロス危機をきっかけに再びビットコインが注目を集め、その価格は再び一気に上昇。

10月には中国大手検索サイト「バイドゥ」がビットコイン決済を採用、12月には日本でもNHKがビットコインの特集を組むなど注目度、知名度が再び上昇し年末には12万円台まで上昇しました。

【2014年2月】Mt.Gox閉鎖

2011年にハッキングによって大きな事件となっていたMt.Goxが取引を中止し閉鎖。

この事件をきっかけに再びビットコインに対する信用低下が再燃し、価格は大きく下落しました。

【2015年10月】欧州司法裁判所、ビットコインの取引をVAT課税対象外に

2015年に入ると、アメリカニューヨーク州でビットコインの取り扱い事業者を免許制にするなど法整備が進みます。

10月には欧州司法裁判所で、ビットコインの取引に対してVATの課税対象外であることが認められ、税金の問題がクリアに。

正式な支払い手段として認められるようになったことなどに反応して価格は大きく上昇します。

【2016年5月】日本において「改正資金決済法」が成立

日本でもビットコインに対する法整備が進み、暗号資産に関する規制が初めて法律に明記された「改正資金決済法」が成立。

国内でも暗号資産に対する信用が高まり価格の上昇を後押しします。

【2016年7月】ビットコイン2度目の半減期

さらに同年7月にはビットコインの仕組みとしても大きな変化である2度目の半減期を迎えたことでビットコインの需要はさらに高まるきっかけを与えたことも同時期の価格上昇を支えたと言えるでしょう。

ビットコイン価格に影響を与えたニュース・イベント【2017年以降】

上記は2017年以降のビットコインの価格推移と、大きな価格変動時に起こったイベント、ニュース、出来事です。

一つ一つ解説していきます。

【2017年4月】改正資金決済法の施行

まずは前年に成立した「改正資金決済法」が施行され、投資家保護やマネーロンダリング対策が進んだだけでなく、暗号資産の取引所を登録制にすることで、より安心して暗号資産を取引できる環境が整っていきました。

これもきっかけとなりビットコインの価格は徐々に上昇していきます。

【2017年8月】ビットコインキャッシュ(BCH)誕生

ビットコインの開発者とマイナーの対立によりハードフォークが発生し、ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生します。

当初は価格にネガティブな影響があると予想されましたが、結局価格は下がらずに堅調な推移となりました。

【2017年12月】CMEがBTC先物の取り扱いを開始

さらに同年12月にはアメリカの先物取引所である「シカゴマーカンタイル取引所(CME)」においてビットコイン先物の取引が開始。

大口の投資家の参入などもあり、価格は一気に200万円を突破しました。

【2018年】ビットコインバブル崩壊

前年に強い上昇を見せたビットコインですが、翌年にはその上昇を消してしまうほどの下落が起こります。

FacebookやTwitter、Googleなどの代表的な企業による広告掲載の禁止などがビットコインなどに代表される暗号資産への信用低下を加速させ、価格は高値から30万円台へと下落してしまいました。

【2019年11月】BitMEXの顧客メールアドレスが流出

翌年2019年は前年の影響を受け3月頃まで価格は停滞するも、4月以降から価格は一気に上昇し再び100万円の大台を回復します。

しかし9月以降に頭打ちとなると、11月には暗号資産取引所大手のBitMEXで顧客のメールアドレス流出が発覚し、再び暗号資産に対する信用は低下し価格は再び下落します。

【2019年11月】中国政府による暗号資産取引取り締まりの新規制スタート

さらに同じ月、中国政府による暗号資産取引への取り締まりが強化される新規制がスタートすることなどが弱気相場を後押しする形で価格は80万円前後に下落しました。

【2020年3月】コロナショック

2020年に入ると前半は比較的強い動きを見せたビットコインでしたが、3月にコロナショックが発生。

市場は暗号資産に限らず、あらゆるリスク資産に対してネガティブな反応を示し、ビットコイン価格も大きく下落しました。

【2020年5月】3回目の半減期

コロナショック後は各国政府が積極的な金融緩和を行うことで市場は一気に持ち直します。

ビットコインも価格は持ち直し、5月には3回目の半減期を迎えて100万円台まで価格は回復。

2020年後半には非常に強い上昇となりビットコインは最高値を一気に更新し400万円台へと到達しました。

【2021年2月】テスラ社によるビットコイン15億ドル分購入

2021年に入ると年明けは利益確定などの売りなどに押されたのか若干の調整は入ったものの、2月にはテスラ社によるビットコイン15億ドル分購入というおおきなニュースをきっかけに再びビットコインは上昇します。

この頃はイーロン・マスク氏の口先介入によってビットコインの価格は大きく動きました。

【2021年3月】ビープルのNFTが75億円で落札

この頃から一気に注目を集め始めたのがNFTです。

2021年3月にアメリカのアーティストであるピープルのデジタルアートがNFTとして競売にかけられ、6930万ドル(当時のレートで75億円)という値段で落札されました。

これをきっかけにNFTが大きな注目を浴び、クリプトパンクスなどNFTの価値が一気に上昇。

それに伴い暗号資産の市場に資金が流入することでビットコインの価格も大きく上昇しました。

【2021年4月】コインベースがナスダックに上場

さらにこの時期には、アメリカで最大手の暗号資産取引所であるコインベースがナスダックに上場し、ビットコイン価格上昇を後押ししました。

【2021年9月】エルサルバドルがビットコインを法定通貨に

その後暗号資産は急激な上昇に対する調整や、材料の出尽くし感、さらにはテスラ社のビットコイン売却報道などネガティブなニュースにより一時的に価格は下落します。

しかし同年9月にエルサルバドルが国家として初めて暗号資産であるビットコインを法定通貨とする法律が施行されたことを受けて、市場は一気に強気に。

【2021年10月】アメリカでビットコイン先物ETFが上場

翌月にはアメリカSEC(米国証券取引委員会)がビットコインETFを初めて承認し、ビットコインETFがニューヨーク証券取引所に上場するなど、暗号資産市場にはさらなる追い風がふきます。

【2021年10月】Facebookが社名をメタに変更しメタバースに注力する方針を発表

さらに同年10月にはFacebookが社名を「Meta」に変更しメタバースへ注力することを発表。

Web3へさらに市場が期待感を高める中で暗号資産市場にはポジティブな影響を与えビットコイン価格は一気に上昇していきました。

【2021年11月】ビットコインが過去最高値を記録

そして11月、ビットコインは(2023年9月時点で)過去最高値となる1BTC約776万円に到達しました。

【2022年】テラ(LUNA)の暴落による影響

2021年最高値をつけたビットコインですが、2022年は一転して下落基調に。

特に、5月に発生したアルゴリズム型ステーブルコインUST(TerraUSD)が1ドル1

USTを維持できなくなるという問題が発生。

ガバナンストークンであり当時高い流動性と時価総額を誇っていたLUNA(テラ)の価格が暴落し、暗号資産市場へ非常にネガティブな影響を与えました。

これに影響を受けたビットコインの価格も大きく下落しました。

まとめ

以上、ビットコインが初めてその価値を認められた時点から現在までに至るまで、その価格に大きな影響を与えた出来事についてまとめてきました。

ビットコインはこうしたイベントやニュースに大きく価格が影響されます。

予測可能なイベントであれば事前に対応を考えることも出来るかもしれませんが、予測不可能な事件やニュースが発生することも忘れてはいけません。

しっかりとしたリスク管理のもとでビットコインを取引することを忘れないようにしましょう。

   

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記事執筆(コンセンサス・ベイス株式会社)

コンセンサス・ベイスは、国内初のブロックチェーン技術の専門企業として事業を展開しており、専門的な知識と技術を持った企業としてアドバイス、コンサルティング、開発、教育を行っています。

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