記事提供元:BITTIMES(ビットタイムズ)
ドージコイン(DOGE)は仮想通貨市場における代表的なミームコインの1つとして知られていますが、現在は単なるジョークの枠を超えた代表的な仮想通貨として世界中で広くドージコインが採用されています。
この記事では2023年〜2024年前半にかけてのドージコイン関連ニュースを紹介するとともに、今後の展望も合わせて紹介します。
ドージコイン(DOGE)とは?
ドージコイン(DOGE)とは、インターネットで流行した柴犬のミームである「Doge」をモチーフにして2013年12月に開発されたオープンソースの仮想通貨です。この仮想通貨はソフトウェアエンジニアのビリー・マーカス氏とジャクソン・パーマー氏によってジョークとして開発されました。
DOGE誕生の背景には仮想通貨市場が技術的に難解で参入障壁が高いと感じられていたことがあり、「もっと親しみやすく、楽しめる仮想通貨」として柴犬をモチーフにしたドージコインが誕生しています。
技術的には、ビットコイン(BTC)をベースに開発された代表的な仮想通貨であるライトコイン(LTC)の技術をもとにしてドージコインが開発されています。そのため、基本的な仕組みもBTCやLTCに似ていて、コンセンサスアルゴリズムはBTCと同じプルーフ・オブ・ワーク(PoW)が採用されています。
しかし、ブロック生成速度はBTCやLTCよりも速い約1分程度となっているため、送金や決済などで活用できる強みも有しています。実際にDOGEは世界中の様々なサービス・店舗で決済手段として採用されていて、現在もDOGE決済対応店舗は増えています。
また、ドージコインは米国の大手電気自動車メーカーTesla(テスラ)のCEOであるイーロン・マスク氏から支持されていることでも知られていて、マスク氏からの前向きなコメントが投稿されるたびにDOGE価格が反応しています。
ドージコイン最大の特徴は、その大規模で活発なコミュニティです。ソーシャルメディアを通じて多くのユーザーが意見交換を行い、世界中に広がっています。
2023年〜2024年前半のドージコイン関連ニュース
ドージコイン(DOGE)に関するニュースは現在も数多く報告されていて、2023年〜2024年の期間だけでも多数の話題が仮想通貨業界を賑わせています。
TwitterのアイコンがDOGEに
2023年に話題となったドージコイン関連の代表的なニュースとしては「Twitter(現X)のアイコンがDOGEのロゴ画像に突如変更されたこと」が挙げられるでしょう。
この画像変更はTwitterを買収したイーロン・マスク氏が『Twitterの鳥のロゴをDOGEに変えて欲しい』という要望を受けて行ったもので、変更された期間はわずか4日間ほどであったものの、突然の画像変更を受けてDOGE価格は急騰しました。
ビットコイン以外の仮想通貨は一般的にはまだ広く知られていないものの、この騒動を受けてドージコインの認知度は世界的に高まったと考えられます。
決済・寄付などでDOGEの採用が増加
2023年には決済・寄付などでDOGEを採用する事例も増加しました。
2023年4月には人気のファッションブランドであるRalph Lauren(ラルフローレン)がマイアミ・デザイン・ディストリクトにある新しい店舗でDOGEを含む複数の仮想通貨決済に対応しています。
2023年5月には2024年米大統領選への出馬を表明していたバイオテック起業家のヴィヴェク・ラマスワミ氏が選挙活動の資金集めでDOGEを含む複数銘柄の寄付受け入れを発表しています。
2023年10月には世界的なシンガーソングライターであるテイラー・スウィフト氏の最新ライブ映像を収めたコンサートフィルムのチケット販売でもDOGE決済が採用されていて、現在はDOGE決済を受け入れる店舗やサービスが非常に多く報告されています。
2024年5月には、アメリカの前大統領でもあるドナルド・トランプ氏が2024年11月に控える米大統領選挙に向けてDOGEを含む複数銘柄での寄付受入を開始しています。
Teslaの公式サイトにドージコイン専用ページ
2023年には「Teslaの公式サイトにドージコイン専用ページが追加された」というニュースも大きな注目を集めました。
テスラは以前から一部商品を購入する際の決済手段としてDOGE決済を受け入れていましたが、ドージコイン専用ページでは「DOGEで購入できる商品・DOGEで商品を購入する方法・DOGE決済の手数料・DOGE決済の処理時間・Teslaの対応仮想通貨」などといった様々な詳細説明がなされています。
この専用ページは記事執筆時点(2024年10月)時点でも残されているため、それ以降はドージコインの認知度向上につながっていると予想されます。
なお、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は2024年1月に開催されたXスペースの中で『私は大量のドージコインを保有している』とも語っています。
千葉県佐倉市にかぼすちゃんのモニュメント設置
2023年11月2日には、ドージコインのアイコンにもなっている柴犬「かぼすちゃん」のモニュメントが千葉県佐倉市にある「佐倉ふるさと広場」に設置されました。
モニュメントが設置された「佐倉ふるさと広場」は本格的なオランダ風車がシンボルの公園で、かぼすちゃんがよく散歩していた場所でもあります。
なお、かぼすちゃんの銅像は「Own The Doge、ドージコイン財団、Feisty Doge、The DogePound、Rainbow」のコラボとして制作されたもので、グローバルなDOGEコミュニティが資金提供を行い、竹中銅器によって制作されたと報告されています。
DOGEのネットワークに名作FPSゲーム
2024年1月には、ドージコインのブロックチェーンに名作FPSゲーム「Doom」が刻み込まれたことによって、誰もがドージコインのネットワーク上で「DOOM」を無料でプレイできるようになったことが話題となりました。
これは、ドージコインのオーディナルズ・プロトコルである「Doginals」によって実現したもので、匿名の開発者であるMini Doge氏が「DOOMの30周年」を記念してブロックチェーン上に刻み込んだことを報告しています。
DOOMのゲームは対象リンクにアクセスすることによって無料でプレイすることが可能で、パソコンとスマートフォンの両方でゲームをプレイすることが可能となっています。
Doginals(ドギナルズ)とは、ドージコインのブロックチェーン上にテキスト・画像・動画・音声などのリッチデータを刻み込むことができるプロトコルのことを指します。
従来のNFTは「画像データなどへのURL」のようなものとなっており、実際のコンテンツなどはブロックチェーン外部の中央集権的なサーバーに保存されていましたが、Doginalsではデータをブロックチェーン上に直接保存する仕組みが採用されています。
DOGEを含むミームコイン・インデックスの登場
2024年5月には、ビットコイン現物ETFを提供していることでも知られる資産運用会社VanEck(ヴァンエック)の子会社であるMarketVectorが、人気のミームコインを追跡する「ミームコイン・インデックス(MEMECOIN)」をローンチしました。
ミームコイン・インデックス(MEMECOIN)は、仮想通貨業界で特に人気の高いミームコインを追跡するミームコイン指数であり、発表時点では「DOGE・SHIB・PEPE・WIF・FLOKI・BONK」などで構成されていました。
また2024年7月には、暗号資産取引所BitMEX(ビットメックス)からDOGEを含む複数のミームコインで構成されたバスケット型の永久先物商品である「MEMEMEXTUSDT」も発表されています。
DOGE価格操作の訴訟でイーロン・マスク氏が勝利
ドージコインの価格に大きな影響を及ぼしているイーロン・マスク氏の行動には批判の声も出ていて、2022年6月にはドージコインの投資家グループがマスク氏とテスラを相手取って訴訟を起こしていましたが、2024年8月29日にはこの訴訟が棄却されたことが報告されています。
ニューヨーク連邦裁判所の判事は、マスク氏の発言には重大な虚偽があったと指摘しつつ「マスク氏のツイートを受けて投資判断を下すのは賢明ではない」という見方を示しています。
この判決は、仮想通貨市場における有名人の発言の影響力と、投資家の自己責任について重要な問題を提起しています。SNSでの発言をどこまで真剣に受け止めるべきか、投資家は改めて考える必要がありそうです。
D3が「.doge」のトップレベルドメイン申請
2024年9月には、Web2・Web3対応の次世代ドメインを展開しているD3がドージコイン関連の分散型自立組織(DAO)である「Own The Doge」との提携を通じて「.doge」というトップレベルドメインを申請することを発表しました。
D3は仮想通貨の送受信などでも活用できるWeb3対応のトップレベルドメイン・ハンドル名を販売している企業であり、記事執筆時点では「*shib、*core、*viction」などのハンドル名が販売されています。
同社は、自分が好きな文字列のドメイン・ハンドル名を購入できるサービスを展開しているため、将来的には「myname.doge」などといった自分だけのドメインを購入することができるようになります。
購入したドメインはNFT形式でユーザーに付与される仕組みで、ドメイン購入者はD3公式サイトでドメインに各ウォレットアドレスを紐付けして、ドメイン名で仮想通貨を送受信したりできます。
公式発表によると「.doge」のドメインは、ウェブサイト・メール・ウォレットID・複数プラットフォームのユーザー名などで利用できるようになるとのことです。
2024年5月24日、かぼすちゃんが死去
ドージコインに関する嬉しいニュースは数多く報告されていますが、2024年5月24日には「かぼすちゃんが息を引き取ったこと」が報告されています。
かぼすちゃんは病気と闘いながらも2023年11月2日に推定18歳の誕生日を迎えていましたが、24日午前7時50分には飼い主である佐藤敦子さんに撫でられながら眠るように息を引き取ったと報告されています。
訃報が報じられた際には仮想通貨業界の著名人からも数多くのコメントが寄せられていて、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏なども「安らかに眠ってください」とのコメントが投稿されています。
かぼすちゃんの訃報は世界中のDOGEコミュニティに深い悲しみを与えたものの、現在もかぼすちゃんは世界中で愛されており、DOGEコミュニティも成長を続けています。
ドージコイン(DOGE)の将来性・今後の展望
ドージコイン(DOGE)はジョークとして始まったミームコインであるものの、記事執筆時点でも時価総額ランキングTOP10にランクインする代表的な仮想通貨の1つであり、ミームコインカテゴリでもランキング1位をキープし続けています。
また、技術面でも複数の進展が見られていて、開発チームがセキュリティとネットワークの強化に向けて様々なアップデートを行っていることも報告されています。特に「Libdogecoin」というプロダクト開発用ライブラリは、ドージコインの機能を簡単に他のアプリケーションやプラットフォームに組み込むための大きなステップです。これにより、ドージコインはより多くのユースケースを持つ可能性が広がりました。
コミュニティの活動も引き続き活発で、ドージコインの支持者たちは、単なる仮想通貨としてだけでなく、その文化や精神を世界中に広げるための新たな試みを続けています。
DOGEが世界的なコミュニティを有していることや、決済・送金などをはじめとする複数の分野で活用されていること、代表的なミームコインとしての地位を確立していることなどを踏まえて考えると、ドージコインの将来は明るいと考えられます。
ドージコインはその親しみやすさやユニークな文化によって今後も新たなユーザー層を取り込み続けると予想され、技術的な進歩や実用性の向上により、今後ますますその存在感を強めていくと期待されます。