記事提供元:BITTIMES(ビットタイムズ)
ポルカドット(DOT)はWeb3の実現を目指すプラットフォームです。インターオペラビリティの問題を解決するために開発されており、2021年に大きく高騰したことで有名になりました。
目立った高騰などはないものの、プラットフォームとして評価が高い状態を維持できています。そんなポルカドットですが、直近ではどのような動きを見せているのでしょうか?
本記事では2023年〜2024年にかけてのポルカドットの最新ニュースを紹介するとともに今後の展望について解説します。
ポルカドット(DOT)とは?
ポルカドット(DOT)は、異なるブロックチェーンの相互運用性を実現するネットワークプロジェクトです。イーサリアムの創業者であるGavin Wood氏が率いる「Web3 Foundation」によって作られたプラットフォームとなっています。
ポルカドットの大きな特徴としてブロックチェーンの仕組みがあります。
ポルカドットにはリレーチェーンとパラチェーン(特定のプロジェクト用のチェーン)があり、リレーチェーン自体はスマートコントラクト機能をサポートしていませんが、パラチェーンを利用することでスマートコントラクト機能を提供することが可能です。
例えば、Astar Networkなどのパラチェーンはスマートコントラクトをサポートしており、これにより分散型アプリケーション(dApps)の開発や運用がポルカドットのネットワーク上で行えます。
ポルカドットの大きな特徴としては、下記の3つがあげられます。
- 相互運用性の強化によってスケーラビリティ向上
- セキュリティの維持に力を入れている
- エネルギー効率をアップさせ、環境にやさしい
ビットコインやイーサリアムなどの著名なブロックチェーンはそれぞれ仕様が異なるので、互換性を持っていません。
例えばイーサリアムチェーンをベースとしたウォレットとビットコインチェーンをベースとしたウォレットは仮想通貨の送受信ができません。
上記のような問題を解決するために、インターオペラビリティ(相互運用性)を実現するプロジェクトとして誕生したのがポルカドットです。
コンセンサスアルゴリズム
またブロックチェーン内におけるコンセンサスアルゴリズムには「NPoS(Nominated Proof-of-Stake)」と呼ばれる仕組みを活用しており、セキュリティ維持をはかっています。
「バリデーター(Validator)」「コレーター(Collator)」「ノミネーター(Nominator)」「フィッシャーマン(Fisherman)」の4種類のガバナンス参加者によって、セキュリティが維持されています。
4種類のガバナンス参加者は以下の役割を担っています。
- バリデーター:DOTをステークすることでセキュリティに貢献する
- コレーター:ユーザーのトランザクションを収集・伝達し、ブロック候補を伝達する
- フィッシャーマン:フィッシャーマンは不正な取引がないか監視し、バリデーターに報告する
- ノミネーター:DOTをステークするバリデーターを指名する
バリデーターはDOTをステークするだけでなることができますが、信頼できるユーザーであるかは未知です。
ノミネーターにはバリデーターと同じようにDOTをステークすることでなることができますが、自身がノミネートしたバリデーターがペナルティを犯してしまった場合、ノミネーターのDOTも没収されてしまいます。
上記のような仕組みを採用することで、ノミネーターもコンセンサス形成に参加することで、NPoSは成り立っています。
パラチェーンによるスケーラビリティ問題の解決
ポルカドットでは独自技術である「パラチェーン」によって、スケーラビリティ問題を解決しています。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンの取引データ数の制限によって、トランザクションの遅延や手数料の高騰が起きる問題です。
そこでポルカドットはリレーチェーンと呼ばれるポルカドットのメインチェーンに対して接続された複数のブロックチェーンを用意することで、トランザクションの並列処理を可能としました。
並列処理によってブロックチェーンネットワークの混雑状態を解消し、ユーザーが集中した時の処理遅延や手数料の上昇を防いでいます。
上記の仕組みからスケーラビリティ問題が起きにくい特徴を持っており、ユーザーにとっても快適なネットワークを実現しています。
ポルカドット(DOT)の最新ニュース・開発情報
ポルカドット(DOT)のニュースは現在報告されており、2023年〜2024年の期間でも複数の話題が上がっています。
ポルカドットブロックチェーンにおけるアクティブアドレス数が過去最高を更新
ポルカドットブロックチェーンはネットワーク上でのアクティブアドレス数が過去最高を更新しました。
2024年4月の段階で60万を超えるアクティブアドレスを記録しました。残高がないユニークアカウントも増加しており、2024年3月末の段階で559万アカウントです。
ポルカドットに関する大きなニュースなどがない期間が続いていましたが、ユーザーは日々動き続けています。
理由として考えられているのは、ポルカドットに関与したアプリケーションが専用のブロックスペースを利用することで、活発な動きを見せているとのことです。
トランザクション数は低迷しているものの、アクティブなユーザーが増加しており、期待値については低下していない様子が捉えられます。
ポルカドットの財務報告
一方で、2024年6月に発表された財務報告では現在の支出率が継続した場合ポルカドットのオンチェーン基金に残された期限が2年であることを発表しました。
支出の内訳もすでに発表されており、マーケティングに関わる支出が特に多いことに対する批判の声も集まっています。
ポルカドットのオンチェーン基金は2億4,500万米ドル(約395億円)の資産を管理している中で、流動している資産は1億8,800万米ドルとなっています。
支出の合計金額は8,700万米ドルとなっており、2023年下半期の2,700万米ドルを大きく上回っています。
DOTの価格は上昇しており、利益が発生しているものの支出が大きい結果となりました。
アウトリーチを目的としたマーケティング費用に利用されることが多いものの、その効果は目に見えていません。
ランウェイに関してWeb3財団のFabian Gompf最高経営責任者は「コミュニティによって投票されたオンチェーン基金の支出である」ということを伝えています。
また、ポルカドットのガバナンスはブロックチェーン界隈で最大で最も洗練されたDAOであると主張しており、急速に進化し続けているとのことです。
パラチェーン機能のアップデート
ポルカドットはパラチェーン機能の効率アップをはかりました。コンセンサスプロトコルと有効性証明のアップデートによってトランザクションを処理するネットワーク効果を最大10倍まで高める可能性を秘めています。
ブロックチェーンネットワークのボトルネックとされているスケーラビリティ問題にも対処でき、ポルカドットの魅力を高める成長といえます。
インテルマイアミフットボールクラブとの提携を発表
ポルカドットはインテル・マイアミ・フットボールクラブと提携し、グローバルトレーニングパートナーとなりました。
ポルカドットのロゴは全てのトレーニング用具に採用されることとなり、選手やテクニカルスタッフはポルカドットブランドのトレーニングシャツを着用します。
ポルカドットはデジタルキャンペーンなどを通じてファンと交流することとなっており、スタジアムなどのさまざまなシーンでビジュアルが活用されます。
昨今、イングランドプレミアリーグのチームが仮想通貨取引所やブロックチェーンネットワークと提携することが多く、ポルカドットもその後を追う形となりました。
ポルカドット(DOT)の将来性・今後の展望
ポルカドット(DOT)はWeb3を実現するために開発された仮想通貨であり、執筆時点でも時価総額ランキング16位にランクインしています。
時価総額ランキング上位を維持できている理由としては下記の要素があげられます。
- パラチェーンのオークション実施をしている
- マルチチェーン対応への期待感が高い
- セキュリティ維持の能力が高い
- ブロックチェーン上の有望なプロジェクトが多い
中でも注目度として高いトピックが「パラチェーンオークション」です。
オークションにてスロットの獲得に成功した場合、ポルカドットのリレーチェーンと接続する権利が得られ、セキュリティや相互運用性の面でプロジェクト発展に大きく作用します。
パラチェーンのオークションは2021年11月にスタートしており、ポルカドットのブロックチェーン上でプロジェクトを進行するにあたって重要です。
例えば、「Astar Network」のようなプロジェクトがオークションで成功することで、プロジェクトの大きな進歩だけではなくポルカドット全体に大きな影響を与えます。
安全面やマルチチェーンを活用した発展を進めていきたいプロジェクトにとって、ポルカドットは注目の的となっています。
上記のようなポルカドット独自の特徴があることから、将来性に関しては依然として高いです。2024年6月に大きな高騰を見せており、それ以降は落ち着いた値動きを見せています。
今後大きなニュースがリリースされるタイミングで高騰する可能性が高いことや一定の価格を維持しており、価値が著しく低くなっていないことからまだまだ将来性が高いと言えます。
ポルカドットへの投資を検討している方は今回紹介した情報を参考にした上で検討しましょう。