暗号資産の技術はアートの分野やゲームの分野といった人間の幅広い活動と結びつくことで、より人々の社会的活動や日常生活の中に溶け込みつつあります。今回は「ソーシャルトークン」という新しい概念の紹介を通じて「暗号通貨技術×セレブ・有名人」という比較的新しい分野の発展についてみていきます。パンデミックで活動の場が制限されてしまった有名人たちの中には、ソーシャルトークンを活用してファンサービスやコミュニティーのメンバーシップを充実させたりする人もいるそうです。是非ご覧ください。
本記事はbit4youの「Is a social token a new trend?」の内容を日本語へ翻訳し掲載したものです。原文の英語版はこちらをご覧ください。
パンデミックで登場した新概念「ソーシャルトークン」
暗号通貨業界は急速な成長を遂げており、金融分野における影響力をどんどん高めています。しかし昨今の新型コロナウイルスのパンデミックは、暗号通貨市場全体に大きな影響をもたらしています。その結果、暗号資産経済は何とか持ちこたえていくために、人間の社会的な活動の様々な側面に溶け込んでいこうとしています。
そこで登場したのが「ソーシャルトークン」という概念です。本記事はこのソーシャルトークンについて、その実用性を学んでいく内容となっております。
ソーシャルトークンの定義はかなり曖昧ですが、一般的には、特定の人物(多くの場合は有名人)や特定のコミュニティ、特定のブランドに関連したトークンであるというように定義されています。
パンデミックの第一波が到来した際、有名人は従来のように観客とコミュニケーションをとったり、あるいは自分のアートや活動を収益化したりといったことができなくなりました。そこでソーシャルトークンというものが大人気になりました。人気に火がついてからは市場革命が起こり、ソーシャルトークンは暗号通貨業界から一般大衆の間にまでも広がっていきました。
ソーシャルトークンは定義上、「パーソナルトークン」と「コミュニティートークン」の2種類に大きく分けることができます。そして他の暗号通貨技術と同様、ブロックチェーン技術に基づいています。
ただ、ソーシャルトークンとDeFiトークンの間には決定的な違いがあります。もっとも基本的な部分で異なるのは、ソーシャルトークンは所有経済に基づいており、トークンの価値を決めるのはあくまでも人である、ということを前提にしているという点です。
ソーシャルトークンの機能とは
ソーシャルトークンの主な目的はコミュニティーのメンバーシップとして機能することです。これはソーシャルトークンを購入することで、特別なコースやメディア製品やグッズへのアクセスが可能になるという仕組みです。
もっとわかりやすく言うと、ソーシャルトークンという形でメンバーシップを持っている人が、たとえば音楽レコードといった芸術作品を購入する際に何らかの特典を受けられるというわけです。
ソーシャルトークンを購入することで、暗号通貨市場での取引もできるようになります。その結果、ソーシャルトークンに投資する人が増えれば増えるほど、その価値は高まっていきます。簡単に言えば、ソーシャルトークンも従来の暗号通貨取引のモデルにあてはめることができるということです。現在のところ、数でいうと約300以上のソーシャルトークンが市場に流通しています。
たとえばグラミー賞を受賞したポルトガル系アメリカ人歌手のRACことAndre Allen Anjos氏は、Zoraプラットフォームをベースとしたクリエイティブな人たちのためのソーシャルトークンを作成しました。このトークンを使えば、誰でも様々な特典や限定コンテンツにアクセスする機会を得ることができるというわけです。
最も成功したソーシャルトークン
今のところ最も成功したソーシャルトークンは$WHALEだと言われています。これは2020年にWhaleShark氏によって生み出されたトークンで、デビュー後すぐに多大な成功をおさめました。
総資本額は3,000万ドルにも達し、このソーシャルトークンだけで大きなエコシステムを形成するまでにいたり、フォロワーのコミュニティーもできました。さらに$WHALEのプロジェクトには140万ドル分のNFTも含まれており、この価値は現在でも日に日に上がり続けています。
昨今の世の中は技術が急速に発展しているため、ソーシャルトークンが暗号資産のエコシステムの重要な構成要素となってくる日も近いかもしれません。
とは言え、クリエイターや開発者によるソーシャルトークンの扱い方、それから顧客にどのようなメリットを提供できるのかということについてはまだまだ考え続けていく必要があります。開発者はユーザーにとって使いやすく、有用なトークンモデルを設計しなければ市場で十分に競争できません。
翻訳: Nen Nishihara
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