暗号資産の送付をご依頼される皆様へ

 当社がお客様から依頼を受けて行う暗号資産の移転取引について、本年5月~6月に予定されている犯罪による収益の移転防止に関する法律、政令、施行規則、及び事務ガイドライン等(以下、法律等)の改正内容の施行により、トラベルルール等の新しい規制が法律等として導入されることになります。

 暗号資産の送付をご依頼されるお客様におかれましては、特に以下の点についてご留意ください。

【法律等によって求められる通知義務について】

 本年5月~6月に予定されている法律等の改正内容の施行によって、当社はお客様からの依頼を受けて行う暗号資産の移転取引について、①若しくは②の対応が必要となります。

金融庁が告示で指定する法域(※1)について、当該法域の当局によってライセンス登録を受けた暗号資産交換業者に対して、暗号資産を移転する場合(国内の他の暗号資産交換業者に対する暗号資産の移転も含む)

⇒当社は、暗号資産の移転と同時若しくは事前に、法律等で定められた通知事項を移転先の暗号資産交換業者へ通知することが必要となります。

①以外の場合(アンホステッド・ウォレットや無登録業者なども含む) (※2)

⇒①において法律上求められる移転先の暗号資産交換業者への通知は必要ありません。ただし、今回の法律等の改正により当社において情報収集義務(アンホステッド・ウォレット等の属性について調査・分析しマネロン等のリスクを評価)などが課されることとなります。

なお、①につきましては、暗号資産交換業者が採用している通知システム(いわゆるトラベルルール対応ソリューション)やシステム以外の通知(例えば、e-mailを使ったマニュアルでの通知など)等の対応の有無によって、当社が通知可能である暗号資産交換業者と通知不可能である暗号資産交換業者がございますので、今後当社のHP等にて随時掲載されるお知らせの内容をご確認いただきますよう、お願い申し上げます。なお、当社からのご案内は段階的となる(複数回にわたる)ことも想定されますので、申し添えいたします。

    

※1:金融庁が告知で指定する法域

⇒以下の金融庁ウェブサイトの【告示】(別紙4)をご参照ください。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案等の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)

※2:アンホステッド・ウォレット等

アンホステッド・ウォレット等には、お客様が自ら管理するウォレットであるいわゆるアンホステッド・ウォレットのほか、無登録業者の管理するウォレット、我が国の通知義務に相当する義務が課されていない国又は地域に所在する外国暗号資産交換業者の管理するウォレットその他の通知義務の対象とならないウォレットを含む(トラベルルールに基づく通知が必要であるにも関わらず、通知を伴わない場合についても同様)。

⇒上記のアンホステッド・ウォレット等の説明については、以下の金融庁ウェブサイトの【事務ガイドライン等】(別紙6)事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係「16.暗号資産交換業者関係」Ⅱ-2-1-4-2 主な着眼点(11) の抜粋となります。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案等の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)   

     

【トラベルルールとは?】

トラベルルールとは、「利用者(お客様)の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者が、送付依頼人(お客様)と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルールです。

このルールは、FATF(金融活動作業部会)が、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策についての国際基準(FATF基準)において、各国の規制当局に対して導入を求めているものです。

【トラベルルールの目的は?】

テロリストその他の犯罪者が自由に電子的な資金移転システムを利用することを防ぎ、不正利用があった場合にその追跡を可能とすることを目的とするものです。

【トラベルルールに関する参考情報】

・金融庁:暗号資産の移転に際しての移転元・移転先情報の通知等(トラベルルール)について 

・JVCEA:当協会が定める自主規制規則におけるトラベルルール対応についてのお知らせ

・JVCEA:暗号資産の送付を会員にご依頼される利用者の皆様へ

これまでの当社からのお知らせは、以下よりご覧ください。

・トラベルルール対応に伴う暗号資産の移転取引について(2022年3月)

・トラベルルール対応に伴う、追加情報の登録について(2022年9月)