コロナ禍で増えたおうち時間をより楽しむのに暗号通貨をテーマにした映画鑑賞はいかがでしょうか。映画は難解で抽象的な概念も具体的にイメージしやすくしてくれますし、周りの人と話題にするきっかけにもなります。暗号通貨界隈に興味があり日頃から情報収集を欠かさない人にも、難しそうでよくわからないから敬遠しがちという人にも、映画鑑賞はおすすめです。今回の記事では暗号通貨に対する興味や理解をより深めてくれる映画を3つ紹介しています。ぜひご覧下さい。
本記事はMogul ProductionsのLisa Sung氏の「3 Movies About Bitcoin You Shoud Watch This Year」の内容を日本語へ翻訳し掲載したものです。原文の英語版はこちらをご覧ください。
ブロックチェーン映画のススメ
最近は家で過ごす時間がますます増えたという人も多いでしょう。そんな生活の中、何か新しいものを見たいという気分の方には、Bitcoinや暗号通貨をテーマにした映画がおすすめです。
これからご紹介する映画には様々な評価がありますが、これらの映画全てに通じている本当に素晴らしい点は、ブロックチェーンやBitcoinについての議論を映画の中に持ち込んだという重要なはじめの一歩を踏み出したというところです。
映画は評価の良し悪し関わらず、イメージしにくいコンセプトに命を吹き込む力があります。つまり映画は我々がこれまでに見ることができなかったものを想像するための手段であることが多いのです。だからこそ、Bitcoin映画を家族にすすめるのもいいでしょう。そうすればリアルで会ってもバーチャルで会っても、鑑賞した映画がBitcoinに関する話題に文脈を添えてくれることでしょう。
これから評価もタイプも異なる3つの映画をご紹介していきます。3つとも鑑賞すれば、映画の中でBitcoinがどのように描かれているかを理解するための強力な基礎知識を得ることができます。
バンキング・オン・ビットコイン Banking on Bitcoin (2016)
本作はクリストファー・カンヌッチャーリ監督(Christopher Cannucciari)によって2016年に制作された90分のドキュメンタリー映画で、暗号通貨の歴史をたどる内容となっています。
Bitcoinの初期のルーツであるコンピューター科学者のデビッド・チャウム氏(David Chaum)のサイファーパンク運動からはじまり、DigiCashやeCashについても触れ、さらには2008年の金融危機の時期にニック・サボ氏(Nick Szabo)が唱えた信頼の最小化(minimizing trust)にいたるまでを追っています。
また、このドキュメンタリーでは、自由市場のもつ意味合いや、KYC(Know-Your-Customer)、AML(Anti-Money Laundering)といったさまざまな経済的概念についても取り上げています。
さらに、暗号通貨取引所ジェミニ(Gemini)の設立やFacebookの元アイデアとなったとされる学生専用SNSの起案で知られるウィンクルボス兄弟(Winklevoss Twins )や、Bitcoin Foundationを設立したチャーリー・シュレム氏(Charlie Shrem)といった暗号通貨業界の大物たちも登場します。
映画レビューサイトRotten Tomatoesで100人ほどのレビュアーから平均67点の評価を得ている本作ですが、暗号通貨愛好家たちの中には、この作品はBitcoinの過去の負の側面に焦点を当てすぎており、プロトコルの可能性についての描写が不十分であると言っている人もいます。
クリプト Crypto (2019)
ニューヨーク州北部の支店に左遷されたウォール街の銀行員が町の小さなアートギャラリーを危険なロシアのギャングも関係する国際的な暗号通貨の陰謀論に引きずり込み、彼の家族も騒動に巻込まれます。2019年に撮影された長編映画で、俳優のボー・ナップ氏やルーク・ヘムズワース氏、アレクシス・ブレデル氏、カート・ラッセル氏などが出演しています。
この映画に対する評価は賛否両論に分かれました。ソーシャルニュースサイトのRedditでは、映画の中に登場する暗号通貨が入っているとされるサムドライブ(USBフラッシュメモリ)の信憑性が問われ、サムドライブは全くもって無価値であるという人もいました。
しかし一方で他のRedditユーザーには、サムドライブの中には暗号キーのコピーが入っている可能性があると主張し、映画の描写は正確であると言う人もいました。
いずれにしても、はじめの方で述べたように、映画がBitcoinについての話題を大きなスクリーンで展開し、議論のきっかけとなったのは非常に素晴らしいことです。
ビットコイン:私たちが知っているお金の終わり Bitcoin: The End of Money As We Know It (2014)
本作は今回ご紹介するラインナップの中でも最も古い映画ですが、Bitcoinに関する最高の作品の一つとして名高いドキュメンタリーです。
出演者には作家のアンドレアス・M. アントノプロス氏(Andreas Antonoplous)や投資家のロジャー・バー氏(Roger Ver)といった業界で人気の高い著名人や、アメリカ経済研究所のディレクターであるジェフリー・タッカー氏(Jeffrey A. Tucker)のような大物も出演しています。
このドキュメンタリーは変化する中央集権的な銀行システムというレンズを通してBitcoinについて語る内容ですが、他のBitcoinをテーマとする映画と比較しても評価の高い作品となっています。本作を「Bitcoinの入門書」と呼ぶ暗号資産愛好家もいるほどです。
おわりに
現在公開されているBitcoinに関する映画でよく言われるのが、デジタル通貨をリアルに描けていないということです。しかし実際問題、ハリウッドがニッチなテーマを取り扱う際にクリエイティブさや自由度が高すぎると非難されるのはいつものことです。
最も重要な点はやはり先から何度も述べているように、これらの映画がブロックチェーンや暗号通貨に関する話題を大きなスクリーンに登場させたということです。
2014年以降、映画制作者たちはよりプロフェッショナルな舞台でブロックチェーンとBitcoinの話題を探究しています。Bitcoinはドキュメンタリーから本格的なハリウッド作品まで、さまざまな映画の中に登場しました。今回おすすめ映画をご紹介させていただいた我々Mogul Productionsもまた、映画コミュニティーの人々同士をつなぐものとしてブロックチェーンと映画の統合をさらに進めようとしている一員であり、ブロックチェーンについての脚本作成アイデアを常に募集しています。
翻訳: Nen Nishihara
【免責事項】
本ウェブサイトに掲載される記事は、情報提供を目的としたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。また、本記事は執筆者の個人的見解であり、BTCボックス株式会社の公式見解を示すものではございません。