「ハイパーインフレのアフリカで求められるBitcoin」アニタ・ポッシュ Bitcoin ポッドキャスター①

Bitcoin専門のポッドキャストを運営し、様々な場所で教育を行っているアニタ・ポッシュ氏(Anita Posch)にインタビューさせていただきました。今回のインタビューでは、激しいインフレーションが起こるアフリカ諸国でのBitcoinの活用についてお話ししていただきました。是非、ご覧ください。

アニタ・ポッシュ氏

インタビュー日 : 2020年7月1日

Bitcoin専門のポッドキャスト

私は、アニタ・ポッシュと申します。独立系のBitcoinポッドキャスターであり、教育者でもあります。これまでに「Bitcoin For Beginners」という本をドイツ語で出版し、アンドレアス・M・アントノプロス氏が執筆した2巻の「The Internet of Money」をドイツ語に翻訳しました。

私のポッドキャストは英語とドイツ語の両方で聞くことができ、Bitcoinの背景にある思想と哲学について開発者などと話をしています。Bitcoinには多くの側面があるため、理解するのは容易ではありません。なので、それぞれの側面に焦点を当てながらインタビューを行っています。

Anita Posch

ほとんどの場合、誰しもが自分の周りにしか目がいかないので、Bitcoinの外国での活用状況を伝えるのは非常に素晴らしいことだと思っています。狭い地域にフォーカスするのも良いのですが、特にBitcoinはグローバルな現象となっているので、国境を越えた視点が必要になると思います。私が外国で起こる問題について話をしている理由はここにあります。

ドイツやオーストリアには英語が話せる人も多いのですが、英語があまりできない人もたくさんいます。そのため、ドイツ語でもコンテンツを作成しています。ドイツ語のコンテンツももっと作っていきたいと思っていますが、1人でやれることにも限界があります。できるだけ、より多くのコンテンツを公開し、私をサポートしてくれる方達のために多くのことができればと願っています。

ジンバブエでの体験

私は、COVID-19の大流行が起こる前の今年の初めに、ジンバブエに行ってきました。そこでBitcoinがどのように使用されているかついて非常に興味がありました。ハイパーインフレが起こる国にとって、Bitcoinは完璧なお金であるとよく語られています。

私が取り扱いたかったトピックはプライバシーと経済的包摂であり、私が最初にBitcoinに興味を持つようになった理由がこのテーマです。

ジンバブエの人々と話し合い、Bitcoinの基本知識を共有できたことは素晴らしい体験でした。アフリカ大陸の平均年齢は25歳であり、皆非常に好奇心が強く、何か学びたいと思っています。そして、誰もがお金のために働きたいと思っています。

アフリカのインフレ率は平均50%

アフリカ諸国に住んでいる人々は、非常に高いインフレ率に苦しんでいます。Bitcoinのコア開発者であるTim Akimbo氏は調査を行い、アフリカ諸国の全ての通貨の価値が5年ごとに平均して50%も失われていることを発見しました。

ジンバブエでのインフレ率は、それよりもはるかに高くなっています。現在のジンバブエは、クレプトクラシー(泥棒政治)の状態であり、過去30〜40年間に、政府が価値の搾取を行ってきました。それは非常に残酷なシステムであり、人権の状況も悪化しています。

政府は通貨システムも支配しています。ジンバブエには、EcoCashと呼ばれるモバイルマネー決済方法がありましたが、先日それが使用禁止となってしまいました。国内における99%のデジタル決済がEcoCashを通じて行われていましたが、EcoCashは民間の企業であったため、政府は常に介入を行い、個人のデータを濫用することができます。政府は株式市場も停止させてしまったため、金融システムやマーケットにも影響が及びました。

ネットへのアクセスの問題

ジンバブエの人々にとって、Bitcoinのようなインフレ及び検閲耐性があるお金は、価値の貯蔵手段として大きな利点があります。しかし、問題となってくるのがインターネットの環境であり、ネットにアクセスするのは非常に高価です。

多くの人が携帯電話を持っているので、テクノロジー自体はそこにありますが、World Wide Webにアクセスして、Bitcoinの非カストディアルのウォレットをダウンロードすることはできません。また、多くの人はWhatsApp経由でしか通信を行うことができません。したがって、このような技術的問題を解決する必要があります。

世界から収入を得る方法

貧しい国々において少額送金を可能にするためには、1ドル未満のトランザクションが可能なLightning Networkが必要となるでしょう。

スタートアップなどの起業家の人達と話すと、彼らの多くがBitcoinテクノロジーに大きな興味を持っていることがわかります。海外からお金を稼ぐ手段として既にBitcoinを活用している人達にもインタビューを行ってきました。彼らにとって、暗号通貨はインターネットで収入を得ることができる唯一の方法であり、彼らは動画編集やアフィリエイトなどの仕事に従事していました。

もしも、ジンバブエでビジネスをしていて、日本などから商品を輸入する場合は、ジンバブエ政府に許可を求める必要がありますが、その状況下で自由にビジネスが行う方法はありません。

アフリカの人々はBitcoinについて知りたがっていました。誰も奪うことができない検閲耐性があり、制限なしでどこにでも送金ができることを伝えると、彼らはもっと学びたいと興奮していました。

アマゾンギフトカードを経由

アフリカの国々においてもBitcoinを使用する多くの方法があります。例えば、Bitcoinを手に入れる方法として、ナイジェリアではアマゾンギフトカードが使用されています。

ナイジェリア人は、カナダやアメリカからギフトカードのコードを受け取り、BTCを得るためにそのコードをグローバル市場、またはローカル市場で販売します。このようにして、彼らはBTCを手に入れ、それを現地通貨と交換したりしています。これはシステムを非常に賢く利用した方法です。

既存金融システムの限界

私は2000年からWeb開発の分野に携わっています。クライアントと共に多くのWebサイトやオンラインショップを作る仕事を通して、伝統的な金融決済システムに伴う複雑さと問題を経験してきました。

「Wirecard」という決済サービス企業が破産して19億ユーロの損失を被りましたが、従来の金融システムにはとても古い技術が使用されていて、支払いサービスを提供するためにゲートキーパーを伴う閉鎖的なシステムが使われています。更に、中小企業や個人がこの経済圏に参加するのには大きな費用がかかってしまいます。

「大きいものが常に良い」や「低コストで終わりなき成長を」というスローガンとは対照的に、私が常に関心を寄せてきたのは、持続可能な発展、持続可能な環境と都市、そして個人や小さな組織が繁栄できる小規模なシステムでした。Bitcoinは人々との真のつながりや価値創造に大きく貢献できると思っています。

Bitcoin運動と政府

Bitcoinは自由のためのツールであり、現在の金融システムの代替手段になることを多くの人に実感してもらいたいです。政府に止められたり干渉されたりすることなく、世界中にお金が送金ができるようになったのはこれが初めての出来事です。それは皆のためのお金であり、この運動に貢献できることを嬉しく思っています。

アンドレアス・M・アントノプロス氏が作成した「Rules without Rulers」という非常に興味深い動画があります。もはや政府が信頼されていない状況や技術的なギャップなど、現在の問題について彼がどのように未来を見ているかを知ることができます。

私達の世界はますますグローバル化し、インターネット、デジタル通信により、政府だけで経済を支配することはもはや不可能となっています。したがって、最終的には国とBitcoinがそれぞれ手を取り、政府のシステムをも内部から変化していくと思っています。

Bitcoinの専門家をゲストに

私は、2018年からポッドキャストをしていて、業界の話題や教育コンテンツを取り扱ってきました。初期のインタビューのゲストにはアントノプロス氏がいて、非常に貴重なインタビューでした。それから、彼には年に1回インタビューを行うようになり、私にとっては大きな学びになりました。Bitcoinに関する全ての質問に対して洗練されバランスのとれた回答が得られ、非常に素晴らしかったです。

私のポッドキャストでインタビューしたもう1人の著名なゲストで興味深い人物がアダム・バック氏です。彼の功績は、BitcoinやTor Browserのホワイトペーパーで引用されています。Bitcoinの分野で非常に影響力がある方です。

ポッドキャストでは、Bitcoin開発者、ユーザー、起業家などをゲストに呼んできました。Bitcoinの世界で活躍されている彼らは、とても協力的かつ控えめな方達であり、いかに優れているかを自慢することはありません。非常に謙虚で、自分達の仕事に一生懸命になっている方達でした。私は、アントノプロス氏とアダム・バック氏のような方達をPolymaths(博識な人)と呼んでいて、様々な分野に精通しているところを非常に尊敬しています。

次回のインタビュー記事では、Lightning Networkとデータ保護に関する考え方について説明します。是非、ご覧ください。

インタビュー・編集: Lina Kamada

    

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