MintGoxは、BitcoinのLightning Networkを活用したゲームを紹介するプラットフォームです。毎月、オンラインでのeスポーツイベントを開催しており、ゲームを通じてBitcoinの普及を行なっています。創設者であるジャック・エブリット氏、クリスチャン・モス氏、デシレー・ディッカーソン氏への前回のインタビュー記事に続き、第二回目の記事では今後のビジョンについて語っています。ぜひご覧ください。
インタビュアー:BTCBOX ライター Lina
インタビュー日 : 2020年7月29日
コインを獲得することだけが目的でこのプラットフォームを使う人もいると思いますか?
いますね!
10サトシを獲得するのに、張り切るような人もいますね。
そうですね。コインを獲得するのに夢中になれるみたいですね。
ゲームに少しだけ、お金という要素を投入すれば、興奮の度合いがが大きく変わってしまうことは不思議です。
前回のオンラインイベントでは、最下位だった人が、「最下位だったけど70サトシ獲得したから、何も勝ちとれなかったわけじゃない」と言っていて、すごいなと思いました。
幸いLightning Networkでは、必要に応じて、小規模なトランザクションを実行できます。
何人かの方と話してみましたが、彼らが言うには、例え少額であっても、コインに実際に価値があるということが、いい点だという話でした。たとえ100サトシとか数セントであっても、実際に価値のあるものを獲得できるところが、皆の好きなところなのです。
広告主がゲーム内で宣伝のためにプレイヤーに100サトシずつ配ったとしても、最終的にペイするでしょう。きっと一部のプレイヤーは顧客になり、広告を出した人としては出費をいくらか取り返せます。
さらにはゲーム内で商品を購入してくれるプレイヤーまでいるかもしれません!うまくいけば、MintGoxが大きくなるにつれて、ゲーム内で商品を購入してくれる人も増えます。そうするとわずかな賞金という投資が、はるかに大きな収益をもたらします。
顧客一人につき1ペニーの数分の1を払ってあげるとして、顧客となってくれたプレーヤーが5ドルを出して商品を買ってくれたら、かなりリターンのいい投資だと言えます。
ゲームに資金を提供しているのは誰ですか?
多くのスポンサーMintGoxに資金を提供してくれますが、我々はまだどうやって前に進むべきか模索しているところです。
はじめは、ゲームを中心として人々がわくわくするようなプラットフォームをつくりたかっただけでした。我々は全員他の仕事に就いていたので、楽しむためのちょっとしたプロジェクトのつもりでした。
最初の内は、地域を応援したいという親切さから、お金を寄付してくれるスポンサーだけでした。しかし現在は、プラットフォーム上で広告を掲載したい企業などから、多くの関心が寄せられています。
スポンサーは広告モデルに興味を示しており、こうして集まったお金のおかげで、ゲームの賞金プールを大きくすることができました。スポンサーと広告主が多いほど、賞金プールを大きくすることができ、そしてより多くの人々をイベントに引き付けることができる、というのが理想的な形です。
現在はレーストラックの看板や、カスタムVRの世界などで、多くのゲーム内広告を行っています。また、Bitrefillのピットステーションもつくりました。プレイヤーはこういったピットステーションに立ち寄ってサトシを補給することができるのです。
こうして補給したサトシは、前にChristianも言ったように、対戦相手に向けて使うこともできますし、単純に貯めておくことも可能です。これはユーザーにブランドへの興味を持ってもらうために効果的な手法です。我々は色々なマーケティング手法を試していますが、この広告モデルもそのうちの1つです。
MintGoxは他の産業にどのように貢献していると思いますか?
Bitcoin自体が一種の投資のパラドックスだと思います。投資することでBitcoinをより強化できますが、これが実は皆を助けることになります。
投資家は特定の会社に投資して、会社が生み出した利益から収益分配を得ることができますが、例えばBitcoinの発展を目的とした暗号通貨業界の会社があれば、Bitcoinの価値を高めることによって、より良いものにすることができます。
私が話した投資家や広告主は、短期的な利益を得ることだけに関心があるわけではないと感じています。彼らはBitcoinの長期的な強さに非常に関心があります。長期的な強さへの期待が、投資したい理由の一つだと思います。
また、経済システムをよくすることにもつながります。Bitcoinがより強く、より人気に、そしてより安定するようになれば、将来的に利益が見込めるということを知っているのです。
MintGoxの登場以前は、どのような形でBitcoinを入手したい人を支援していましたか?
私が2013年に開発したゲームは、ジャックの開発しているゲームのスタイルに似ています。当時は広告主もいませんでした。
私はSNSのRedditに「人々がBitcoinを入手する手助けしたいとお考えの方は、このゲームに寄付してください。すべての寄付金を人々がBitcoinを始める支援に使います。」と書いて、寄付先のアドレスを載せていました。
Bitcoinの存在を有名にしたい、と思っていた人たちがいたため、最初の6ヶ月ほどで1000ドルもの寄付受けられました。
このゲームのおかげでBitcoinがすごく有名になったというわけではないのですが、より多くの人たちにBitcoinの存在を知ってもらうことができ、たくさんの新規ユーザーを獲得することができました。
より多くのひとにBitocinを知ってもらいたいというのは、コミュニティ全体に共通する課題だと思います。Bitcoinコミュニティでは孤立して成功することはできませんし、孤立して活動することもできません。
したがって、BitcoinとLightning Networkをより多くの人が使用する必要があり、これはコミュニティが全体としての成功につながります。
MintGoxのイベントはどういったものなのですか?
形式的には、月に1回イベントが開催されます。その中にはメインイベントというのがあって、これはesportsのトーナメントです。メインイベントに参加するための予選があります。
メインイベント以外にも、「Bitcoin Bounce」「Sats Stacker」「Sarutobi」といったゲームなど、予選なしで誰でも参加してサトシを稼ぐことができる数々のゲームも用意されています。
ここ最近のイベントは「Bitcoin Rally」の大会でした。観客はイベントのライブストリームを見ることができ、誰が勝っているのか負けているのかを確認することができます。
また、他の大会で勝ったサトシの一部を支払って、試合中の参加者をパワーアップさせることもできます。つまり、観客が参加してゲームに影響を与えることができるのです。
さらに、MintGoxアリーナではVRパーティーを開催しています。VRヘッドセットを持っている人は、VR MintGoxのスタジオに参加することができます。
最近ではBitcoinのアートをVRで紹介しているので、BitcoinのVR美術館があります。言ってみればBitcoinのテーマパークのようなものです。将来的には皆がVRで参加できるようにしたいと思っています。
これから先の計画はどうですか?
私たちの目の前にはたくさんのチャンスが広がっています。このプロジェクトは運に恵まれたと感じています。
また、私たちのとってこのプロジェクトは、メインで取り組んでいたものではなく、片手間に始めたものだったからこそ、無理な方向に変化させるのではなく、自然な流れにまかせて発展させていくことができるのだと思います。
つまり、参加者や視聴者が何を求めているかをみて、それを中心に創造、発展して、構築していくことができるのです。
私たちは今、さまざまな広告やスポンサーシップのモデルを試していますが、とてもおもしろいです。さらに対面式の会議やイベントを始めたら、もっと面白くなると思います。
もちろんバーチャルでも成長を続け、MintGoxのプラットフォームを成長させていきたいと考えています。対面式イベントとバーチャルイベントを組み合わせて、どこからでも参加できるようにしたいと思っています。
VRなんかも含めて、壮大なアイデアはたくさんあります。ただ、ゲームと開発面はシンプルにしておいて、Bitcoinerではない人たちをより多くこのスペースに招き入れることと、MintGoxも利用させることに集中したいと思います。
より多くのゲーム開発者にゲームを開発してもらい、一貫性のある安定したシステムを構築したいと思っています。興味をもってくれる開発者はたくさんいると思います。これが将来に向けた成長の仕方だと思っています。
ゲーム開発者のためにはどのような環境づくりをしていきたいですか。
ゲーム開発者にも様々なタイプの人がいます。小さなインディーズのゲーム開発者もいれば、大企業で働いているゲーム開発者もいます。この2つは大きく異なります。
個人的には、比較的小規模なゲーム開発者がLightningとBitcoinを追加することで、収益とユーザーベースを増やすことができるようになればいいなと思っています。
そういった小さなスタジオに利益をもたらすような、自立したエコシステムをができたらいいなと思います。そしてプレイヤーにとってもゲームがより良いものとなり、ゲームを通してなにか価値あるものを得られるようになってほしいと思っています。
ゲーム開発者と話をしたところ、競争が激しいという話がありました。注目を集めることが難しいということでした。そこでMintGoxを利用することで、より小規模なゲーム開発者が、今までとは違った方法で注目を浴びて、チャンスを獲得する一助となれば幸いです。
インタビュー・編集: Lina Kamada
翻訳: Nen Nishihara
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