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「Bitcoinを理解すると起こるパラダイムシフト」Bitcoin Rapid-Fire ジョン・ヴァリス氏 インタビュー ①

ポッドキャスト番組「Bitcoin Rapid-Fire」の司会者であるジョン・ヴァリス氏(John Vallis)に、Bitcoinと所有権という観点からお話を伺いました。カナダ出身のヴァリス氏は上海で金融・資産管理の仕事をした経験もあります。Bitcoinこそが自分の探し求めていた答えだというヴァリス氏に、Bitcoinの奥深さについて色々と伺いました。

インタビュー日 : 2021年3月23日

Bitcoinとの出会いとポッドキャスト番組のはじまり

Bitcoinとの出会い自体はけっこう前でした。たしか2012年頃のことだったと思います。しかし実際に注目しはじめたのは2014年になってからでした。

2015年にBTCC創設者のボビー・リーさん(Bobby Lee)にインタビューをする経験がありました。当時の私は面白い人と話すということが目的でしたので、今のような「Bitcoinの専門ポッドキャスト」をしているという感じではありませんでした。ただ単に会話を収録していただけだったのです。

しかし私はゆっくり確実に、この業界へと深くのめり込んでいきました。2019年、私は当時していた仕事を休んでタイに拠点を移していました。そこでポッドキャスト番組「Bitcoin Rapid-Fire」を始めました。

Bitcoinと所有権

Bitcoinが我々に提供してくれる所有権というのは、お金の所有権のあらゆる形態の中でも、ひときわ強力で最も過激なものです。

お金というは、我々の保有している時間を象徴するものです。だからこそ我々にとってお金は最も重要な資産です。我々はBitcoinを通して、自分の資産であるお金を所有することができます。しかしBitcoinの提供してくれる所有権というのは、ただ資産を所有できるというだけではありません。

Bitcoinを使えば、自分の所有している資産との関係を誰にも邪魔されることがないという利点があります。さらにBitcoinには誰にも価値を奪えないという利点もあります。つまり、インフレや新しい紙幣の増刷といった出来事によって自分の所有している資産の価値を奪われることがないということです。

これは、自分の払ってきた犠牲の価値を保存しておいてその価値に対して完全な主権を持つことができる、という非常に強力な考え方です。これほど重要なものに対してしっかりと主権を握れているのだと人々が感じれば、劇的な変化が起こってくるはずです。

Bitcoinが提供する所有権というのは、自分の資産に対する自由と独立、責任というものを感じさせてくれます。もちろん影響の受け方は人によって異なります。しかしこれらの感情は非常に強力で、間違いなく人々を夢中にさせるものだと思います。

Bitcoinを理解すると起こるパラダイムシフト

Bitcoinのもつ意味合いを理解しはじめると2つのことが起こります。1つ目は、通貨システムがどれほど腐敗しているのに気付き、Bitcoinがどのようにしてこの腐敗を解決できるかを理解するということです。

そうすると、他にも様々な多くのものに不信感を抱くようになります。これが2つ目の出来事です。「通貨システムをこんなにも見誤っていたのであれば、他の分野についてももう少し批判的な視線で見た方がいいのかもしれない」と考えるようになるのです。

そうすると、政府や医療や教育といった人生の身の回りの物事をより批判的な視線で見ることができるようになります。そうすると、主権を持つということの大切さが分かり夢中になり、様々な分野において主権を確立したいと考えるようになります。

このことを極端に単純化して考えると、多くのBitcoinerたちというのは、あらゆることに対する主権を自分で掌握できるような、可能な限り独立した砦を夢見ているということです。食料も、そしてエネルギーに至っても自分で確保して主権を握りたいのです。

現代においてどれだけの自由が奪われているのかということは、一度Bitcoinの世界に足を踏み入れてみるとよく分かります。人々が自由を望むのは、その価値と重要性を理解しているからこそだと思います。

ここ最近の新型コロナウイルスの蔓延以前から自由は奪われていましたが、確かにパンデミックの発生によってそれが明るみに出たというのは間違いないと思います。

主権や自由は恐ろしい 

人々が自分で責任を取りたがらないのは100%、怖いからという理由です。これが現在の状況を生み出した一因でもあります。貨幣システムについての批判はいくらでも出てきますが、自分で責任を受け持つか断念するかというのは結局個人の選択に委ねられているのです。

多くの人は「自分自身で健康管理をする責任を負いたくないから国の医療機関に任せる」という考えですし「お金の自己管理はしたくないから銀行に任せる」というように思っています。我々は自分で責任を負いたくはないのです。

我々は自分で責任を負いたくないので、代わりに人生の様々な場面において信頼を差し出しています。ところがその信頼は裏切られて破壊されてしまうことがほとんどです。しかも信頼がどのように壊されているかということに関しては、複雑な構造があるため、残念ながら気付けないことが多いのです。

このような背景があるので、Bitcoinの世界に入ってきた人にとって自分のBitcoinを管理して自分自身で管理するということは大きな一歩です。こういった行動こそが、主権をどれだけ重視しているのかということや、自由をどれだけ重視しているのかということを表す行動です。

自分で責任を負うという選択を最初にする人は、主権を最重視している人と、自由がないということを最も問題視している人です。彼らは後続に人々のために道を切り開いてくれるでしょう。

彼らは失敗を重ねることで立ちはだかっている様々な問題を解決してくれます。そして後続の人々のために道をより歩みやすくしてくれます。

彼らのおかげで自由は時間の経過とともに、より恐ろしくなくなるでしょう。しかし全く恐ろしくなくなるということはありません。なぜなら自由には常に責任がつきものであり、責任は恐ろしいものだからです。

自分は自由だと思い込んでいる人たち

責任をとる気がなければ自由を得ることはできません。逆に言えば、責任をとりたがらないということは結局自由を望んではいないということです。責任をとりたがらない人は、自分の人生を誰かにコントロールしてもらいたいということなのです。

こんな言い方をされると人は嫌がるでしょうし、多くの人がこの意見には賛同しかねるでしょう。しかしそれでも、異議を唱えることはできないのです。

現代人はお金とは何かということについて、それからお金の持つべき特性について、全然知らされていないように感じます。そして現代の一番の問題は、多くの人々が現状を受け入れてしまっているということです。多くの人は「こういうものだからこのままでいい」と考えてしまっているのです。

これは非常に危険な考え方です。なぜなら、何も修正したり改善したりする必要がないという前提に立った考え方だからです。このような考え方は、現在の独立と自由の度合いが適切なレベルであると思い込んでしまっているのです。

人は皆、自分が自由に関心がないということを認めようとはしません。それどころか、自分はもう自由を手にしていると思い込んでいて、現在の社会は自由のあるべき姿だと思ってしまっているのです。

現代の人々というのは、自分は自由な社会に住んでいると思い込んでいます。そして身の回りで起きている様々なことは自由な社会の特徴であると考えてしまっています。このように現状に酔いしれているような考え方には全く同意できません。

世界観に異を唱える

他の人の視点や世界観に対して異議を唱えるのはあまり有益な行動ではありません。人というのは、この世界を自分の視点から何とか理解して進んでいるからです。自分の世界観を使って、この狂った無秩序な世界の中から自分なりに何らかの安心感を得ているのです。

Bitcoinの興味深い点というのは、決して人の世界観全体に対して異を唱えるような存在ではないということです。Bitcoinは、世界の構成要素の一つである「お金」に対してのみ異議を唱えています。

お金の重要性や意味合いについて、そしてお金がどのように腐敗してきたかということを一度理解し始めると、この理解は生活の様々な分野に浸透してきます。この変化はほぼ自動的に起こります。

Bitcoinという領域は、最もポジティブで劇的な変化をもたらすことのできる場所です。だからこそ私は、たとえ今日の世界で起こっていることに怒りや不満を感じるようなことがあってもBitcoinのもたらしてくれる貢献に集中するようにしています。

進化の過程と理由が重要 

あらゆるものは進化しています。我々の体や文化も進化の過程の途中です。お金や経済も、もちろん進化の過程にあります。

物事が今のような形になっている理由を理解したいのであれば、どのようにして今に至ったのか、今に至るまでに起こった様々な経緯を理解することが非常に重要です。

私は子供の頃「なぜ世界の国々は今のようになっているのだろうか」ということを疑問に思っていました。例えば「なぜ米国では英語が話されているのか、なぜ最強の国なのか」「中国ではなぜ中国語が話されているのか、なぜそういった歴史があるのか」といったようなことです。 

こういった疑問は歴史がどのように展開してきたかということを理解する上で重大な疑問です。多くの現代人の抱えている問題は、歴史に対して何の視点も持っていないということだと思います。

物事がなぜ今のような形になっているのか、その理由を見つけるのは非常に難しいことです。また、過去に物事がどうしてうまくいかなかったのかということを理解するのも同様に難しいことです。

現在と過去の類似性 

人類は約6000年という比較的短い歴史しかありません。しかしそれでも、現在起こっているほとんどのことは歴史の中に類似性を見つけることができます。様々な統治形態、革命、お金、戦争、政治的イデオロギー、すべて過去に同じような例が存在します。

現代の人間に関しても、過去の人間と類似性があります。たとえ周りの風景や環境が変わっても、石造りの住処から木造に家屋に住むようになっても、人間の言動というのは昔とそれほど変わりません。

なぜなら人間は物事に対して「意味」を創り出す存在だからです。我々は客観的な事実よりも、創り出された意味に基づいて周りの環境と関わり合ってきました。

歴史を理解するということは非常に重要です。歴史を理解すれば、過去に犯した過ちを避けて同じ過ちを犯さないようにすることができますし、大惨事になる前に食い止めることができます。

ところが我々は、現在の政治へのアプローチ方法や考え方が過去にどのような悪い結果をもたらしたのか、ということについて十分な注意を払っていないように感じます。私はこのことについて、とても懸念しています。

人間は果たして進歩しているのか 

たとえ人間が同じ行動を繰り返していたとしても、その中には必ず進歩の要素があると思います。私は根っからの楽観主義者です。だからこそ、歴史の描く軌道はポジティブな変化へ向かっているのだと期待せずにはいられません。

もしも歴史が良い方向へ動きつつあるのであれば、それこそ、過去に何が上手く行って何が上手く行かなかったのかということについてはより一層よく認識しなければいけません。そしてそこから得られた教訓を、現在起こっている問題や現在構築している解決策に応用していかなかればいけません。

現在の世界において最も明白で有益な進歩の例はBitcoinです。人類の進歩を促進するもののの中でも、これほど斬新でインパクトのあるものはないと思っています。

新しいテクノロジーよりも大切なもの

例えばAIやロボットといった新しいテクノロジーは非常に興味深いものです。しかしロボットやインターネットやアプリよりも一層奥深い大切なものがあります。人間には新しい技術よりも大切なものがあるのだということを理解していないと、物事は上手くいかないでしょう。

人類は歴史を通して「意味」に関する格闘を繰り広げてきました。しかし現代人の多くはこの重要性を理解していません。現代人の多くは、宗教だろうが哲学だろうが、意味に関しては「何でもいい」と思ってしまっていて、技術の進歩に注力しています。

しかしすべての努力には、最終的には意味がなければいけません。それから、どういった価値があるのか、価値観の方向性も定められなければいけません。人類は意味を育てるということを怠るべきではありません。自分の中でしっかりとした意味を構築する前に、目新しさを求めてAIの開発に走ってしまえばひどい目に遭うことになると思います。

自分には合わなかった金融業界

幼い頃の私は色々なことに興味を持っていました。また、お金持ちになりたいという強い願望を抱いていました。そんな私は、「お金持ちになるにはお金を扱う仕事をすることがもっとも手っ取り早い」と考えて金融業界に入りました。

しかし入ってすぐ、金融業界の実情は自分の価値観や理念とまるで一致しないということに気が付きました。おまけにこの業界には自分の苦手とするタイプの人たちもよく集まってきました。

仕事自体にもあまり価値を見出すことができませんでした。他の人が一生懸命に行ったことの何割かをもらっているだけ、というような仕事でした。金融システムに対して批判したいこともありました。金融業界で働いた私はかなり心が傷つくような思いをしてきました。

求めていた答えはBitcoin

私が嫌っていた様々なことと全く反対の性質を持っていたのがBitcoinです。

私はBitcoinとは何かということや、政治や通貨や経済システムの抱えている諸問題をどのように解決できるのか、ということを理解しました。通貨システムにおける諸問題がどのようにして政治問題や社会問題、ひいては個人の問題につながっているのかということも理解しました。

Bitcoinについて理解すればするほど、もっと関わりたいと思うようになりました。Bitcoinは、私の望んでいた様々なことに対する答えでした。それまでの私は、自分の望みに対する答えが存在するということを知らなかったのです。

今ではこの技術が、社会的、経済的、金銭的な面において、そしてもっと個人的なレベルにおいてもポジティブな変化をもたらす可能性を感じています。Bitcoinに時間を費やす以上に有意義な時間の使い方はないと思っています。

どこまでも奥深いBitcoin

私は昔から好奇心が強く、若い頃は常にたくさんの本を読んで勉強していました。本を読むことは、世界に対しての自分の考え方を形成するのに役立ちました。おかげで自分なりの視点と批判的思考能力を身につけることができました。

Bitcoinが登場してきて、色々と学んでいくうちに、自分が見てきた世界の諸問題はBitcoinによって解決できるのではないかと考えるようになりました。

この業界における数々の作品や記事、たとえば「The Bitcoin Standard」といった画期的な著作等は、業界をざっくり理解して描写するのに役立ちました。しかしご存知のようにこの業界は大変奥が深く、さらに深いところまで、いつまでも続いていきます。

Bitcoinについては、まだまだ理解すべきことが星の数ほどあるように感じています。深く掘り下げれば掘り下げるほど、より多くのものを提供してくれるのです。Bitcoinが我々の世界をより良く、そしてより公平にしてくれる可能性があるという確信がどんどん強くなっています。Bitcoinのもつ特性が、最終的により公正なシステムをもたらすだろうと考えています。

世の中に蔓延する自殺やうつ病

労働者の間で流行する自殺やはびこる絶望、薬物濫用、欲求不満、そして不安やストレスといった問題は、日本を含めて多くの国々で蔓延しています。これらの問題の根本は全て同じところにあります。

こういった問題に対する解決策を見つける責任を個人に負わせるのは賢明とは言えません。システムの構造が人々に絶望感を抱かせる大きな要因となっていることは明らかです。他にも様々な問題がある中、時が経つにつれ、人々の労働はより重くなっていくにも関わらず、得られる対価は少なくなってきています。このような状況では誰でも参ってしまいます。

我々の現在の通貨・金融システムでは、多くの人々の努力によって得られた報酬をこぐ少数の人しか享受できないような構造になっています。自分の努力が報われていないと思うと、気が滅入るものです。

この努力が報われない不満というのは「高い年収をもらって当然の仕事をしている」といった類いの利己的な考え方ではありません。どちらかと言えば「努力しているし、わき目もふらずに懸命に取り組んでいる、勉強もしている。それなのに、なぜまだ足りないのだろう」というもっと単純な落胆です。

こういった人生におけるストレスが積もり積もって、多くの人にとっては手に負えなくなります。そして最終的にストレスに飲み込まれてしまうのです。

Bitcoinは新しい行動様式を可能にしてくれる手段 

Bitcoinには、個人に対して変革をもたらす効果があります。私はBitcoinの持つこの効果に大変興味を感じています。Bitcoin自体は、言ってしまえばインターネットやカメラなどと同じように、我々の様々な行動を可能にするための新しいツールに過ぎません。

つまりBitcoinは我々にとって新しい行動様式を可能にするための手段なのです。私が興味を持っているのは、どのような行動様式が可能になるのか、そしてその新しい行動様式が個人にどのような影響をもたらして、どのような可能性を与えてくれるのかということです。

人生を好転させたBitcoin

私のポッドキャスト番組「Bitcoin Rapid-Fire」では、有名な作家や起業家からも話を聞きますし、ツイッターにいる人と話したりもします。フォロワー数が全然いないような人とも話します。

人々はこの領域に入ってきて色々なことを学び始めると、徐々にその意味を理解しはじめます。一つ確実に言えるのは、そうすると人生が好転してくるということです。

人生が好転するというのは決して、投資をして億万長者になれたからというわけではありません。もちろん経済的なストレスが解消されるのは確かですが、大切なのは、イデオロギーや世界観、物事を見る視点が変わるということです。

健康に対する考え方、それから家族に対する考え方も変わります。しかしおそらく最も重要な変化は、将来に対する考え方が変わるということだと思います。

未来への希望と現在を生きる活力   

現状の世界はいくら見渡しても、よりよい未来へ向かう明確なビジョンが見えてきません。だからこそ多くの人々が希望を失ってしまっているのです。しかし一旦Bitcoinの持つ意味を理解しはじめると、未来に希望が持てるようになります。

Bitcoinの持つ影響力、つまりBitcoinがより公平な通貨システム、そしてより公平な経済システムへとつながる可能性があるということを理解しはじめると、人々は未来に希望を持ち始めるでしょう。未来への希望こそが現在を生きる活力です。

逆に言えば、未来への希望がなければ現在の世界の全ては無意味です。未来に希望を持とうとしなければ、今の環境の中にある情報にも何の価値もありません。しかし未来への希望があって、自分の理想の未来を最善の方法で手繰り寄せようという意志があれば、今の環境の中にあるありとあらゆるものに命が吹き込まれるのです。

未来への希望があれば、現在の環境の中にある全てのものは、思い描いている未来にいち早く、そしてより良い方法で到達するための潜在的な助けとなります。

インタビュー・編集: Lina Kamada

翻訳: Nen Nishihara

     

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