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株式市場を描いた映画10選:アレクサンダー・フォークト氏 

本記事は、アレクサンダー・フォークト 氏(Alexander Voigt)の「Best Stock Market Movies」の内容を日本語へ翻訳し掲載したものです。原文の英語版はこちらをご覧ください。

著者のアレクサンダー・フォークト氏(Alexander Voigt)はdaytradingz.comの創設者であり、20年間の金融市場での勤務経験を持ちます。彼はトレーディングと投資を誰にでもわかりやすく理解できるようにするということを目標に掲げており、彼の著述はBenzinga、Business Insider、GOBankingRatesといった数々のメディアで引用されています。

今回は、株式市場のようなとてつもない大金の動く世界を、映画を通して楽しめるような作品をご紹介します。ぜひご覧下さい。

大金の動く物語とは

ほぼ純粋な資本主義の国では、伝説上の物語は現実のものとなり、そして今なお現実であり続けています。その数々の物語の中にはもちろん、株式市場にまつわる映画の根本でもある大金(ビッグマネー)をめぐる物語もあります。

その多くはたとえばデイトレーディングの成功、市場の崩壊、投機の失敗や誤解、そして倒産といった類いの実際の出来事に基づいています。物語の中心となるのは株、オプション、商品先物、そしてお金の支配などで、険しいキャリアと苦い敗北の物語です。というわけでこれから、始まりから今日に至までの映画史の中でも特に重要な株式市場関連映画についてご紹介していきます。

おすすめの株式市場関連映画

株式市場にまつわる映画というのは、何もウォール街関連映画しかないわけではありません。この世界には印象に焼き付くストーリーの映画、それに素晴らしい俳優たちが極上のエンタメを見せてくれるような金融映画や株式映画がたくさんあります。実話に基づいている映画もあれば、フィクションもあります。ジャンルもアクションスリラーからコメディーまで実に様々です。以下注目すべき金融・株式市場関連映画10選をご紹介いたします。

1. Edison, the Man (1940)

1941年アカデミー賞ノミネート作品

本作はトーマス・エジソンの生涯、そして彼の業績を伝記的に描いた株式市場映画です。映画の主役である実業家エジソンを演じたのはスペンサー・トレイシー氏です。

エジソンはとりわけ電力供給部門において、自身の開発や起業を通して世界的なセンセーションを巻き起こしました。ちなみにエジソンは、ゼネラル・エレクトリック社をはじめとする多くの企業に株主として関わっていました。

エジソンは(映画の中で)「誤りとは面白いもので、決して永続的なものではない。私は少年の頃に自分でこの真実にたどり着いた。」というセリフを残しています。

2. Citizen Kane (1941) 

(邦題:市民ケーン)
1942年アカデミー賞受賞。その他受賞9回、ノミネート13回

本作ではオーソン・ウェルズ氏がニューヨークの新聞王チャールズ・ケーンの役を、忘れられもしない、非常に印象に残る演技で演じています。

この映画は、ケーンが大邸宅「ザナドゥー城」で「ローズバッド」(バラのつぼみの意)という謎の言葉を残して息を引き取るところから始まります。

そこで記者たちはケーンの謎めいた最後の言葉の意味を探るために、彼が新聞王となるまでの過去を追います。その過去というのは、ケーンがいかにして自身の作ってきた新聞を通して株価と人々を操ってきたかという物語でした。

本作の元となっているのは、新聞発行人のウィリアム・ランドルフ・ハーストの生涯です。実在する人物であるハーストの人生をモデルとした主演、監督としてのオーソン・ウェルズによるこの傑作は、映画市場最高の作品と讃えられています。

モデルとなったハースト本人は、映画の上映を禁止しようとしました。しかしそれにも関わらず、本作「市民ケーン」はその芸術的・技術的革新を買われ、賞賛され続けています。

作中のケーンのセリフの一部抜粋です。

「サッチャーさん。あなたの言う通り、僕は去年100万ドルを損をしました。今年も100万ドルを失うことになるでしょう。そして来年もまた100ドル、損をするでしょう。いいですかサッチャーさん、毎年100ドルずつの損失だと、私はこのお店を…60年後に閉めることになります。」

3. The Pursuit of Happiness (2006)

(邦題:幸せの力)
2007年アカデミー賞ノミネート作品。その他受賞11回、ノミネート24回

ウィル・スミス主演の実話をベースにした物語で、様々な感情の詰まった1作です。ウィル・スミスが演じるのはクリス・ガードナーという主人公で、幸せと自由を求めるシングルファーザーの役です。クリスは妻のリンダに別れを告げられ、1人で息子クリストファーの面倒を見ることになります。

この映画は、投資銀行で働いて足場を固めることがいかに難しいかということを実にリアルに描いています。父子はホームレスとなってしまい、クリスは投資銀行での無給のインターンに明け暮れる日々を送ります。クリスとクリストファーは過酷な環境の中で生き延びるための戦いを強いられます。彼らの強い意志とその努力は、最終的に報われるのでしょうか。

作中のクリストファーのセリフです。

「夢があるのなら、守らないといけない。人は自分にできないことがあると、それは他の人もできないと決めつけ、そう伝えてくる。欲しいものがあるのなら、それを手にいれるんだ。」

4. Arbitrage (2012)

(邦題:キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け)

2013年ゴールデングローブ賞ノミネート作品。その他受賞4回、ノミネート4回

2012年に公開された映画「アービトラージ(邦題:キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け)」は、利益のみを追求する金融世界に対する批判の意が込められた作品です。

俳優のリチャード・ギア氏が演じる主役のロバート・ミラーはあらゆるものに恵まれていて、一見、誰もがうらやむ生活をしているように思えます。

ロバートはヘッジファンド・マネージャーとして成功を収めていたのですが、お金を銅山への投資につぎ込み、この投機的なお金の使い方が失敗して突如として4億ドルもの損失を被ってしまいます。そこで彼は自身の投資会社を高い金額で売却しようとします。

ところがロバートによる失敗を帳消しにしようとする試みはすべてあえなく失敗し、そしてついに私生活でもさまざまな問題が起こり始めまてしまいます。そんなロバートの作中のセリフです。

「子どもの頃のお気に入りの先生はジェームズ先生でした。ジェームズ先生は、世界中のありとあらゆる出来事は5つのモノを中心に回っていると言いました。その5つというのはM-O-N-E-Y。そう、お金です。」

5. Barbarians at the Gate (1993)

(邦題:企業買収/250億ドルの賭け)
1994年ゴールデングローブ賞2部門受賞。その他受賞6回、ノミネート16回

本作「Barbarians at the Gate(邦題:企業買収/250億ドルの賭け)」は、アメリカ史上最大級の企業買収を描いた作品です。作中ではKKR社が、310億ドルでタバコ&食品大手のRJR Nabisco社を華々しく買収します。

本作は大好評だった同題のノンフィクション小説を元に、1993年にHBOによって映画化されたものです。ゴールデングローブ賞を2部門受賞、IMDBの評価も7.3と、視聴者人気の大変高い作品です。そんな本作の重要登場人物であるRJR Nabisco社のCEOであるロス・ジョンソンのセリフです。

「俺たちが話しているのはただのカネのことじゃない。いいか?みんなのカネのことを話しているんだ。」

6. Working Girl (1988)

(邦題:ワーキング・ガール)
1989年アカデミー賞受賞。その他受賞8回、ノミネート17回

女優のメラニー・グリフィス演じる主人公テス・マクギルは、ビジネス界で大ブレイクを遂げたいとチャンスを待ち望んでいました。投資銀行で働いていたテスは、上司のキャサリン(シガニー・ウィーバー)がスキー休暇中に足を骨折したことで、大きなチャンスを手に入れます。

テスは大きな取引を目前に控え、投資銀行家のジャック・トレーナー(ハリソン・フォード)とタッグを組みます。しかし上司キャサリンが職場に復帰し、事態はどんどん複雑になっていくのです。

本作は1989年のアカデミー賞の多くの部門にノミネートされ、また興行収入の面でも大成功を納めました。主人公のテス・マクギルの作中のセリフです。

「私はビジネスをするための頭、それから罪を犯すための体を持っている。それって何か悪いこと?」

7. The Bank (2001)

2001年AFI賞(現オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞)受賞。その他受賞8回、ノミネート21回

2000年代に入ってから公開された本作は、株式市場の同行を予測できる金融ソフトを題材にしています。若き数学者であるジム・ドイル(Jim Doyle)は、悪徳投資銀行家サイモン・オライリー(Simon O’Reilly)に雇われます。この悪徳投資銀行家は、ソフトを自身の有利になるように使おうとしており、物語は大きく展開していきます。

オーストラリアとイタリアで製作された本作は賛否両論あるものの、脚本が高く評価され、2001年にオーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞の脚本賞を受賞しました。登場人物の1人、ウェイン・デイビス(Wayne Davis)の作中のセリフです。

「もし問題があれば…その時は銀行が教えてくれるさ…」

8. The Wizard of Lies (2017)

(邦題:嘘の天才 〜史上最大の金融詐欺〜)
2018年ゴールデングローブ賞2部門ノミネート作品。その他受賞3回、ノミネート17回

本作は、あのバーニー・マドフの壮大な金融詐欺事件を題材にした作品です。監督を務めたバリー・レヴィンストン氏は、アカデミー賞主演男優賞にも輝いたことのある俳優のロバート・デ・ニーロ氏を、目もくらむような眩い大物詐欺師バーニー・マドフとして配役しました。HBOによる制作作品で、ゴールデングローブ賞2部門にノミネートされました。

バーニー・マドフの妻のルース・マドフ役を女優のミシェル・ファイファー氏が、そして夫婦の2人の子ども役をそれぞれネイサン・ダロウ氏とアレッサンドロ・ニヴォラ氏が演じています。映画の中では、スキャンダルの渦中で崩壊していくマドフ一家の様子も描かれています。バーニー・マドフ の作中のセリフです。

「私は人からお金を奪い、そして人にお金をあげた。私の手元にはもう何も残っていない。500億あったはずのお金がたったの少しも残っていない。全部なくなってしまった。」

9. Glengarry Glen Ross (1992)

(邦題:摩天楼を夢みて)
1993年アカデミー賞ノミネート作品。その他受賞8回、ノミネート12回

本作「Glengarry Glen Ross(邦題:摩天楼を夢みて)」は、トップクラスの評価を得ている金融映画です。

主役のリッキー・ローマを演じるアル・パチーノ氏をはじめとし、アレック・ボールドウィン氏やジャック・レモン氏といった名俳優たちが、カリスマ性のある強烈なキャラクターたちを、非常によく演じています。

不動産会社のトップマネージャーのブレイク(アレック・ボールドウィン)が社内の営業コンペを開催したことで、社員同士の火花を散らすような権力争いが巻き起こります。敗者はクビ、勝者は高級車を手に入れられるというなんでもありな営業コンペが幕を開け、突如として手段を問わない容赦のない顧客争奪戦が始まります。

営業コンペが進行するにつれ、不動産を高圧的に顧客に販売する者が出てきたりと、社員たちは以前では考えられなかったような恐怖的な営業手段に訴えるようになります。主役のリッキー・ローマの作中のセリフです。

「君たちが雇われているのは、我々を助けるためだ。それはわかっているね…?会社をメチャクチャにするためではない。いいか?生計を立てようとしている人たちを助けるんだ、この会社員風情めが。」

10. Money for Nothing: Inside the Federal Reserve (2013)

FRB(米国連邦準備制度)の裏側というのは常に多くの人にとって気になる部分でしたが、ついに映画「Money for Nothing: Inside the Federal Reserve」がそこにつながるヒントを与えてくれました。

本作は米国連邦準備制度の構造について解説することで、投資家の信頼を高めようと試みています。そしてこの映画は最終的に、米国連邦準備制度がアメリカの金融システムの安定化に貢献しているということを視聴者に示す役割を果たしています。

ただ、ポール・ボルカー(1979年〜1987年までFRB議長)とジャネット・イエレン(2014年~2018年までFRB議長)のインタビューでは、2008年以降の経済危機の中で起こったことに対する批判的な視点も示されています。

「映画の父」ルイ・ル・プランスの物語

映画用カメラ(フィルムカメラ)の発明者であるルイ・ル・プランスが1888年に世界初の映画を撮影した際、彼は自身の発明がその後どうなっていくかについて、想像すらしていなかったことでしょう。

ル・プランス自身、映画の題材となってもおかしくないような人生を歩みました。フランス人であったル・プランスは子ども時代にフランスの画家・写真家であるルイ・ジャック・マンデ・ダゲールに写真の技法について手ほどきを受けました。ル・プランスはライプツィヒで学び、イギリスで働き、そして後にアメリカ市民になりました。


しかし画期的な発明を成し遂げてから2年後、ル・プランスはフランスでの列車の旅の最中に、煙のように姿を消しました。彼の発明したカメラをめぐる物語はまさに大がかりな経済ドラマの一幕ともいうべきもので、映画に勝るとも劣らない価値のある物語です。


1908年、ニューヨークではアメリカの大手映画会社が組んだトラストである「モーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニー」(別名、エジソン・トラスト)が設立されました。道を切り開いたのはトーマス・エジソンでした。エジソンは自分で何かを発明することなくアメリカ全体のすべての映画特許を保持した非常にタフなビジネスマンだったのです。

モーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニーは映画、カメラ、映画産業を寡占し、自分たちの権利を行使するために悪党たちの手を借りることさえも厭いませんでした。その結果、ニューヨーク内の映画製作者たちはモーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニーから遠く離れたカリフォルニアのハリウッドという小さな町に引っ越しました。後は皆様がハリウッドについてご存知の通りです。

翻訳: Nen Nishihara

     

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