仮想通貨の大きなトランザクションをTwitterでお知らせするツール「Whale Alert:ホエールアラート」の共同創設者フランク氏に行ったインタビューをまとめた前回の記事に続き、今回は第2回目の記事となります。今回はマウントゴックス事件、ブロックチェーンの普及などについてお話ししていただきました。是非、ご覧ください。
フランク(ホエールアラート:共同創設者)
インタビュー日 : 2020年2月13日
マウントゴックス事件の教訓
当時の仮想通貨市場を考えると、マウントゴックスの事件は、いずれは起こるであろうという惨事だったと思います。マウントゴックスの資金は、仮想通貨の市場価格に反映されるべきでしたが、ほとんどの人はその存在について知りませんでした。一般の人がどこまで知っていたのか定かではありませんが、もし当時Whale Alertが利用可能で、マウントゴックスのトランザクションを追跡できていれば、より多くの人々が何が起こっているのか、なぜ起こっているのかということを知ることができ、多くのお金を守ることができたでしょう。
あの事件によってどこまで悲惨な結果が人々に及んだか詳しく知りませんが、当時既にマーケットから撤退していた私達にとっては、それほど悪い影響はありませんでした。しかし、多くの人にとっては大切なビットコインを失ったことで、多くの貴重な教訓を得たと思います。それが、Whale Alertのような追跡サービスが重要だと思う理由です。
このサービスは、何かが起こった原因を皆が理解するのに役立ち、市場がどのようになっているか警告してくれます。実際にBitcoinを持っているのは誰か、EthereumやXRPを誰が保有しているかという情報を皆が得られれば、市場から多くのボラティリティを取り除くことができるはずです。これが私達の考えです。ボラティリティが高いことは、一部の人々にとっては良いかもしれませんが、ブロックチェーンの普及を後押しすることはありません。
ブロックチェーンの普及と課題
現在、ブロックチェーンには崩壊に繋がるかもしれないいくつかの問題があります。その中には、必要とされている規制が不十分であるということや、ブロックチェーンの世界で中央集権化が進行していることがあります。たとえば、中国政府はブロックチェーンを強く推進していますが、正当な理由でそれを行っているかどうかはわかりません。多くの人たちがお金を追い続け、詐欺やピラミッド・スキームなどもまだ横行しています。残念なことに、依然として引っかかってしまう人もいます。また、2018年初めの市場の崩壊は、ブロックチェーンを後退させ、仮想通貨は詐欺という印象を人々に与えてしまったため、仮想通貨の普及に対して大きなマイナスとなりました。そのため、非中央集権と規制はバランスが重要です。
違法行為に使われた仮想通貨を追跡する精度は、かなり良くなっています。これらは全てはデータで決まります。より多くのデータを取得すればするほど、より正確に追跡できるようになります。私たちは個人を追跡するのではなく、大きなクジラと仮想通貨取引所のトランザクションを追跡しています。適切な量のデータがあれば、良い分析ができると思います。マネーロンダリングの話題は、本当は注目すべき大きな問題から目をそらすために使われていると思います。もちろん、これらの問題にも注意を払う必要がありますが、全体としては、ごく一部分のもので、主要な問題とは思いません。
仮想通貨との出会い
私が仮想通貨について最初に読んだのは2011年頃だったと思います。テック系のニュース記事を読んでいて、仮想通貨の話を時々目にしましたが、当時はあまり注目していませんでした。正直、それが何であるか、何の意味があるかということは、自分では完全に理解できませんでした。非中央集権の意味や、技術だけでなくそれが一般に対し何を意味するのか、分散システムの通貨を持つことの影響などについてもっと勉強する必要がありました。
仮想通貨に関して、 「あの時にビットコインを購入すべきだった」、または「売却すべきではなかった」などということは、あまり考えるべきことではないと思っています。何らかの機会を失う可能性は毎日あります。何年も前に購入したビットコインが入ったウォレットの鍵を紛失し、自殺してしまった人の記事を少し前に読みました。それが原因で彼はうつ病になり、精神的に大きなダメージを受けてしまったという事件で、非常に衝撃的でした。なので、「持っていればよかった、持つべきだった」ということに気を使いすぎる必要はないと考えています。
仮想通貨は、将来的にもっと多くのチャンスが増えると私は信じていますが、マイナス面も多くあると考えるべきです。送金に関しては細心の注意を払わなければならず、本当にそれらを正しく使用できているかを確かめる必要があります。残念ながら、多くの人がたくさんの間違いを犯してきましたが、状況は良くなってきていると思います。
インタビュー・編集: Lina Kamada
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