仮想通貨の大きなトランザクションをTwitterでお知らせするツール「Whale Alert:ホエールアラート」の共同創設者フランク氏に行ったインタビューをまとめた前回までの記事に続き、今回が最後の記事となります。最終回では、ハッキングに関する考え方やホエールアラートのビジョンについてお話ししていただきました。是非、ご覧ください。
フランク(ホエールアラート:共同創設者)
インタビュー日 : 2020年2月13日
透明性の源
ブロックチェーンのデータの収集には、多くのコンピューターと技術に関する知識が必要となります。私達は、全てのデータを収集するために40以上のサーバーを持っており、現在はシステムの大きなアップグレードに取り組んでいます。処理しなければならないデータの量を考えると、それは決して容易な事ではありません。将来的には、暗号通貨は更に多く使用されるようになり、結果としてもっと多くのトランザクションが行われるようになるため、その変化に応じてシステムを設計し直す必要があります。より多くのトランザクションを見なければならなくなるというのは非常に困難な課題ですが、それに関してはうまく対応できていると思います。そして、私達が最大の透明性の源となれるよう開発を続けている理由もここにあります。
ハッキングとセキュリティ
「ハッキング」という言葉を使う人がいますが、ハッカーによって取引所から大金が盗み出されるのは、ほとんどの場合セキュリティの欠陥によるものです。誰かからお金が盗まれる事件が起こるとハッキングと呼ばれますが、それは必ずしもビットコインやブロックチェーン自体がハッキングされているというわけではないのです。
Quadrigaと呼ばれるカナダの取引所で、1つの前例があります。カナダ最大の暗号通貨取引所QuadrigaのCEOだったジェラルド・コッテン氏は、インド旅行中に病気で突然亡くなりました。彼がブロックチェーン上で持っていた鍵が失われたと伝えられ、価格の変動し、ボラティリティが大きくなりました。
私達は、お金が実際にどこに向かっているかを人々に見せるため、バイナンスへ行われた全ての募金なども追跡しています。特にそのような送金に関しては、ホエールアラートの目から逃れることはできません。それらのお金が、人々が望むような場所で使われているのかということを見せています。一方で、お金を盗んだ人は、それをどこでも使うことができなくなります。特にお金を盗んだりハッキングが行われた偽の取引所では、これまで多くの問題が起こってきました。私達が取り組んでいるのは、取引所がどのくらい安全で、いくらの金額があるかという透明性を人々に与えることです。お金がどこに移動し、それが然るべき所で使われているのかを見せています。
若い運営者
この業界には若い人達が運営している企業が多くあります。しかし、暗号通貨の企業が20代の人達によって運営されていることに対して心配する必要はないと思っています。20代半ばでも子供ではありませんし、暗号通貨などの新しい分野では、経験が一体どれほど重要なものなのかと思っています。何が正しい方法かということを判断してしまうのは少し早すぎるかもしれませんが、ブロックチェーンの世界には頭の良い人達がたくさんいます。仮に全てが失敗してしまったとしても、それは能力の欠如ではなく、だた未来を見誤っていただけなのです。
私達のビジョンは、透明性をより一層高めることです。現在、世界中には不平等など数多くの問題があります。世界の富は一体どこにあるのか、それを正確に知るのは難しいことか、この瞬間に何が起こっているのか、市場の動きはどうなっているか、誰がどこに送金しているか。将来的にこれらの問題は更に大きなものになっていくと考えています。透明性が必要であり、ブロックチェーンこそがその答えです。ホエールアラートは、その透明性の中心になり得ると考えてます。
インタビュー・編集: Lina Kamada
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