「どのようなDAppを信頼すべきか」DappRadar CEO スキルマンタス・ヤヌスカス氏 インタビュー

DApp(分散型アプリケーション)に関するデータを集めるサービス「DappRadar:ダップレーダー」のCEO兼共同創設者スキルマンタス・ヤヌスカス氏(Skirmantas Januskas)にインタビューさせていただきました。インタビューでは、DappRadarというサービスを始めたきっかけやデータを集める目的などについてお話を伺いました。

スキルマンタス・ヤヌスカス氏(CEO兼共同創設者)

インタビュー日 : 2020年6月29日

DappRadarの始まり

私は、DappRadarのCEO兼共同創設者のスキルマンタス・ヤヌスカスです。DappRadarは2018年の初めにサービスを開始し、すでに2年余りが経ちました。私がDAppの世界に参加したのは、2017年後半だったので、他の人よりは少し遅かったと思います。この2年間で業界が急成長してきたので非常に嬉しく感じています。

DappRadarを作ろうと思った理由は、似たようなサービスがどこにも存在せず、DAppのアクティブユーザー数、その他の様々なデータを知らせるプラットフォームがなかったからです。DappRadarは、そのデータを見せたいという思いから始まりました。

Skirmantas Januskas

共同創設者であるDragos Dunikaと一緒になって、非常に短い時間でこのプラットフォームを作り上げました。最初は、空いた時間に取り組むようなプロジェクトでしたが、今ではかなり大きなものに成長しました。

私達のチームには約30人のスタッフがいて、それぞれが異なるバックグラウンドを持っています。イギリス、中国、ロシア、リトアニアにルーツを持つ人達がいて、これからは更に多様性を広げていきたいと考えています。リトアニアの都市カウナスにあるDappRadarの本社は非常に国際的であり、私達のユーザーの多くがアメリカ、ヨーロッパ、中国の人達です。

どのようなDAppを信頼すべきか

私が暗号通貨を初めて知ったのは、DragosとDappRadarのプロジェクトを開始した時とほぼ同じタイミングでした。暗号通貨を発見したわずか2か月後から、プラットフォームの構築を始めました。

スマートコントラクトを始めて見た時は、開発者として圧倒され、いつかこれは本当に大きなものになるだろうと感じました。それがきっかけとなり、DAppのメカニズムや、それがどのように機能するかを調べ始めました。そして、どのDAppを信頼すべきで、どのDAppを避けるべきかを計測し判断する方法はあるだろうかという疑問が、自然と頭に浮かんできました。

DappRadarを始めた時は、クリプトキティが非常に人気を集めていました。そこから波が到来し、様々なアプリが一定の期間人気を得て、その後衰退するという流れが起こりました。その中で、DappRadarはDAppに関する様々な情報、データ、インサイトを提供し続けたいと思っています。

Ethereumゲーム&マーケットプレイスの四半期ごとの取引量

リトアニアの原動力はデータ

リトアニアの暗号通貨ユーザーの正確な数についてはわかりませんが、この国はヨーロッパにおける暗号通貨界のイノベーションハブになっています。ICOブームの頃は非常に積極的にICOが行われ、世界における投資額では、アメリカと中国に次ぐ3番目の国でした。リトアニアには、今でも大きなICOプロジェクトが存在しています。今のところ、BTCやデジタル通貨での給与の支払いはできませんが、その日が来るのを楽しみにしています。

リトアニア、ラトビア、エストニアなどのヨーロッパの小国は、ブロックチェーン技術と暗号通貨を採用することに大きな強みがあります。私達は、コードとデータが原動力となっている国であり、それが唯一私達が持っている資本です。石油や金などの資源はありませんが、私達にはデータがあり、誰もがそこにアクセスすることが可能です。このデータこそが、国として経済成長するチャンスなのです。

注目しているDApps

様々な波が来るにつれて、DAppの種類も大きく変化しています。DAppゲームの中では、Hiveというプロトコル上で動く『Splinterlands』が、現在非常に人気で、簡単に始められるDAppゲームの1つです。その次は、EOSプロトコルの中では最も奥が深い『PROSPECTORS』というゲームがあります。

EOSゲーム&マーケットプレイスの毎日のアクティブウォレット

SteemitやCryptoPunksにも、非常に多くのユーザーがいて、CompoundのようなDeFi DAppも大きなボリュームがあります。しかし、この領域では全てのDAppが非常に速く変化しているので、将来的にどうなっていくかを予測するのは非常に困難だと思います。

現時点で、既に3500を超えるDAppがあり、毎日増加し続けています。1週間で100%増加する場合もあれば、1000%増加する場合もあります。この増加率は、DAppの種類によって異なりますが、既存のDAppをコピーしたりリスクが高いものである場合は、たとえ多くの誇大広告で集客したとしても、その寿命は非常に短いものとなります。

データ収集を行う意味

DappRadarの当初からの目標は、正確で透明性のあるデータを提供することです。DappRadarで表示されるユーザー数とボリュームがブロックチェーン上のデータよりも少なくなることもあり、これが原因で頻繁に開発者と衝突することがあります。

私達の仕事は、それが人間による実際のデータか、勧誘目的で操作されたデータかを検出することです。現在、DappRadarで一番大きなDAppには、毎日6千人のユーザーがいます。

一部には、4万人以上のユーザーがいると主張するDAppもありますが、私はその主張が真実であるとは考えておらず、それをユーザーに知らせたいと思っています。これがDappRadar取り組む大きな課題であり、悪いプレイヤーを排除することによって、正確なデータを提供していきたいと考えています。

Ethereumで新規に開発された四半期ごとのDappsの数

DApp開発のプロトコル

DAppの開発者は、いくつかの要素に基づいてプロトコルを選んでいます。例えば、どのような種類のアプリを開発し、どのくらいの処理速度と安全性が必要であるかによって、その質問に対する答えが異なります。

私がファイナンス系のDAppを開発するなら、安定したプラットフォーム開発を手助けする強力な基盤と大きなコミュニティが既にあるEthereumを選択するでしょう。また、開発者がそのブロックチェーンから報酬を受け取ることもできるので、それも大きな理由となります。ただ、リトアニアでは、そのようなプロジェクトへの資金提供は、特に他の地域と比較して少し困難だと思います。

Ethereum DeFiにおけるデイリー・アクティブウォレット増加数

DappRadarの利用者

DappRadarを訪れる人には主に3つのタイプがあります。1つ目のタイプは、ただ単に色々なDAppを探しに来る人達で、2つ目のタイプは、ここで提供される情報を利用してDAppに関する記事を書くための人達です。最後のタイプは、見たいものがはっきりと決まっている人達です。多くのユーザーが特定のカテゴリに直接アクセスし、探していたDAppを素早く発見しています。彼らのように、時間を無駄にすることはなく、DappRadarを見る時間が非常に短い人達もいます。

ゲームの可能性

私は、元ゲーマーとして何年もゲームをプレイしてきました。お金と時間をかけすぎてやめるのは大変でしたが、結局は何も残りませんでした。
1年ぐらい前に、ニューヨークでフォートナイトのトーナメントがあり、賞金は約4,000万ドルでした。現在は、フォートナイトはeスポーツ以外でお金を稼ぐ方法がありません。フォートナイトには数百万人のユーザーがいますが、そのようなトーナメントで賞金を獲得できるのは40〜50人だけなので、あまり平等ではないと思います。しかし、フォートナイトのユーザー同士がこの世界の通貨で取引を行えれば、多くの経済的なチャンスが生まれるのではと想像しています。

インタビュー・編集: Lina Kamada

     

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