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「エドワード・スノーデンが語るBitcoin」ナオミ・ブロックウェル氏がスノーデン氏にインタビュー

数多くのブロックチェーンカンファレンスで司会を務め、テレビプロデューサーとして活動するナオミ・ブロックウェル氏が、エドワード・スノーデン氏にインタビューを行いました。スノーデン氏は今回のインタビューで、Bitcoinの匿名性や問題点などについて語っています。

    

   

<span class="bold">ブロックウェル氏</span>
ブロックウェル氏

あなたは本の中で、クレジットカードに対して過敏になってしまい、あらゆる生活必需品を購入するのに現金を使うようになった、というお話がありましたね。

おっしゃるように現金は、我々の行動を匿名化する上でとても優れていると思います。クレジットカードと違って、カード会社にデータを収集されたり、消費行動を政府などに知られる恐れがありません。

しかし我々はデジタル時代に生きているので、ほとんどのやりとりや取引はオンラインでデジタルです。Bitcoinなどの暗号通貨によって人々がより自由になるでしょうか。

また、Zcashについてもよくお話しをされていますね。Bitcoinは本質的に、プライバシーの要素が欠けていると以前おっしゃっていましたが、暗号通貨全般について、どうお考えでしょうか。

<span class="bold">スノーデン氏</span>
スノーデン氏

デジタル通貨は避けることのできない存在です。実際、デジタル通貨が次世代のお金となるとことをすでに各国が認めていますし、それを我々に隠そうともしていません。これは現在、各国がBitcoinに対して対抗できるものを作ろうとしていることからもわかります。

いわゆる中央銀行のデジタル通貨は、だたブランドを変えただけの法定通貨です。政府がより効果的に景気刺激策をとれるということ以外に、国民にとってメリットはありません。

しかし大多数の人々は、それがわかるほど経済的な知識がありません。政府の行為は通貨全体の価値を下げることで、単に新しい方法で課税を行っているだけなのだということに、残念ながら気付くことができないのです。

<span class="bold">スノーデン氏</span>
スノーデン氏

一般的にデジタル通貨や暗号通貨は、インフレや隠れた税金の問題を解決するものではありません。Bitcoinに関して言えば、インフレ率が低く、しかもこのインフレ率は下がり続けているので、ある程度予測のしやすさというのはあります。

ただ、Bitcoinのネットワークにはスループット(処理能力)の問題があります。残念ながらBitcoinのネットワークは、大きな規模での取引において必要なプライバシーの保護を提供してくれません。

私としては、プライバシーの保護は必要だと思いますし、提供するのは可能だと思います。また開発者たちもそうすべきだと気づいていると思います。しかしなぜか、Bitcoinの改善点について話し合っても、実際に行動が起こされ改善が加えられるということが未だにありません。これについては、どうにも納得できません。

 

デジタル通貨への転換は必然ですが、これは勝者や敗者を決めるような話ではありません。それよりも、世界に何か必要か、ということが大切です。

今世界が必要としているのは、プライベートな取引を可能とする、真に独立した手段です。その手段がBitcoinであるとしたら、非常に素晴らしいことです。私はBitcoinを利用しています。以前から使っていましたし、これからも使い続けるでしょう。

Bitcoinを使うのは難しいですが、私が使用できないクレジットカードに比べたら、圧倒的な進歩です。クレジットカードのネットワークは匿名での取引さえできませんが、Bitcoinのトランザクションにおいては匿名が使えます。

 

現時点の暗号通貨はまだまだ欠陥があるということは、開発コミュニティの間でも、学界の間でも十分に理解されています。しかし欠陥が解決できないことはないと思います。

オフチェーン・トランザクションやクロスチェーン・トランザクションの問題に関しては、多くの人々が取り組んでいます。私が問題に思っているのは、なぜこんなに時間がかかっているのか、ということです。

インタビュー・: Naomi Brockwell

翻訳: Nen Nishihara

    

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