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「IntoTheBlockで見られるブロックチェーンのデータ」IntoTheBlock コンタスチ氏、ガラティ氏にインタビュー ①

ブロックチェーン分析企業イントゥ・ザ・ブロック(IntoTheBlock、ITB)は、機械学習の技術を活用することで独自の指標を出し、投資家たちに暗号資産市場に関する魅力的な情報を提供しています。今回はITBの開発に携わっているニコラス・コンタスチ氏(Nicolas Contasti)とフランチェスコ・ガラティ氏(Francesco Galati)をお招きし、サービスの詳細や様々な指標の見方についてお伺いしました。

インタビュー日 : 2021年2月16日

どのようなデータが見られるのか 

私たちのプラットフォームは大きく4つのカテゴリーに分かれています。①アナリティス、②予測、③DeFi分析、そして④キャピタル・マーケット分析です。

このうちのアナリティクスというカテゴリーは、さらに細かく2つに分かれています。1つ目は、クイックビュー・ダッシュボード(Quick View Dashboard)というものです。ここでは最も重要なデータポイントのいくつかを確認することができます。

2つ目はディープダイブ・セクション(Deep Dive Section)と呼ばれるものです。ここでは70以上もの指標がまとめられています。これらの指標は6つにカテゴライズされています。6つのカテゴライズというのは、①財務指標、②ネットワーク指標、③オーナーシップ指標、④取引所、⑤SNS指標、そして⑥デリバティブ分析です。

クイックビュー・ダッシュボードの見方について 


このダッシュボードは大きく3つの部分に分かれています。ダッシュボードの一番上で確認できるセクションはトークン・サマリー(Token Summary)と呼ばれるものです。

このサマリーでは、たとえばBitcoinといった資産の現状を全般的に把握することができます。また、ITB Proにある指標の中から興味深いものを要約して表示してくれます。

トークン・サマリーにはたとえば「現在価格で利益を上げている保有者:Holder’s Making Money at Current Price」を知ることのできる指標があります。これは現在利益を上げているBitcoinアドレスの割合が正確に表示される指標です。

私の個人的に気に入っている指標の一つは「保有期間別の保有者割合:Holder’s Composition by Time Held」というものです。この指標は、ユーザーがある資産を短期保有している可能性が高いか、それとも長期的な投資として保有しているのかということを理解するのに大変役立ちます。

今この指標を見てみると、保有者の全体の実に約58%が、過去1年の間にBitcoinを動かしていない、ということが読み取れます。

残りのセクションは、モメンタムベースの指標で構成されています。これは4種類のオンチェーン指標と2種類の取引所関連指標、そして1種類のデリバティブ指標に分かれています。

大量保有者への集中度合いを表す指標「Concentration by Large Holders」

この指標は、ある資産で流通しているトークンのうちの「ホエール」や「ラージアドレス」が保有している割合を示します。

この指標を参照すれば、たとえば集中の度合いが高い暗号資産に投資することでどれくらいのリスクを負うことになるかを知ることができます。


指標をみてみると、現時点においてBitcoinの総供給量の約11%が比較的母数の少ない大規模なプレーヤーに集中しているということがわかります。

たとえばEthereumではこの数値は約41%まで上がります。したがってBitcoinは他の暗号資産と比較して集中度合いが比較的低いということが分かります。

取引所関連指標について

通常、取引所におけるスポット取引の活動は非常に活発です。したがって当社の取引所関連指標は1分ごとに更新されます。ユーザーは当社の出している複数の取引所のオーダーブックの活動に応じての指標の数値の変化をみることができます。

一方でオンチェーンデータの指標の更新は1日に数回のペースです。なぜならオンチェーンレベルの活動は、取引所と比べると非常に遅いからです。また、複数のブロックチェーンから得られる全てのデータを処理する必要もあるので、必然と更新のペースも遅くなるのです。

また、数テラバイトのデータをホストしているということもあるので、あらゆる指標を勢いよく機能させるためには、ものによっては何時間もかけてデータを編集しなければならない分析もあります。

多岐にわたる情報の層

我々はオンチェーンのデータとオフチェーンのデータ、価格情報、コミュニティ及びデベロッパー主導のデータ、そしてさらにはソーシャルメディアのデータなど、多岐にわたるプラットフォームのデータを併用しています。

我々が一番初めにプラットフォームの基礎として開発していたのがオンチェーンの部分でしたので、これは我々の最も得意とするところでもあります。

我々は暗号資産の活動をもっと全体的に把握できるようにしたいと考えました。そこで2019年の12月にサービスをはじめて以来、何種類もの新たな指標を追加することで、情報の層を増やし続けてきました。

オフチェーンデータについて

オフチェーンデータに関しては膨大な量のデータベンダーが存在するため、取得はそれほど難しくありません。

問題があるとすれば、データの取得先となる取引所の数が非常に多いことです。しかしCoingeckoやCryptoCompareといった適切なパートナーがいれば、この問題は簡単に解決できます。

我々は各パートナーと非常に良好な関係を築いています。だからこそ、取引所関連指標を頻繁に更新することができるのです。

そのおかげで当社のAPIは約1分に1回というペースで、何十もの取引所からデータを取得することができます。そしてITB Proの全ユーザーは、ほぼ即時にオーダーブックのデータを閲覧できるというわけです。

ITB Proでは、多種多様のブロックチェーンの暗号資産が約1,000種類登録されています。これは市場の約80%をカバーしています。

IntoTheBlock(ITB)の始まり

ITBは、創業者兼CEOのジーザス・ロドリゲス(Jesus Rodriguez)によって打ち出された非常にマクロな命題から生まれました。

創業者のロドリゲスはテクノロジーと金融の分野においてのキャリアが長く、以前はマイクロソフトで優秀なエンジニアとして活躍しました。その後はウォール街で、大手ヘッジファンドのクオンツシステムの構築に携わりました。これらの経験から、彼は金融市場とテクノロジーの接点を深く理解しています。

そんなロドリゲスの昔も今も変わらない主張は「暗号通貨製品はインテリジェンス・ファーストであり人工知能を搭載すべきである」というものです。伝統的な金融市場がAIファーストの商品に向けて進化しているので、もちろん暗号通貨も同じ方向に進化するべきである、というのが彼の主張の根幹です。

しかし暗号通貨における問題点は、インテリジェンス・ファーストな製品を構築しようにも、その基礎となる層、つまりデータ層が欠如していたということです。

そこでロドリゲスとITBチームは、まずは市場全体に必要なサービスを提供しようと考えました。そしてその後に提供したサービスのインフラを活用して、インテリジェント・ファーストな製品を構築できるようなデータ企業を立ち上げようとしたのです。

それで立ち上げられた企業というのが、今日のITBです。弊社は暗号資産に関するあらゆるデータを収集し、数々の統計モデルや機会学習モデルを実行して、暗号資産に関する独自の分析を導きだします。

データの収集源は多岐にわたり、ブロックチェーンや取引所、ソーシャルデータ、そしてデリバティブのデータなど実に様々です。最終的な分析結果は、ITBプラットフォームのチャートや洗練されたUIを通じて、機関投資家と個人投資家の両方に向けて、理解しやすい形で提供されます。

ITBプラットフォームの狙い

どのプラットフォームも「どうすればブロックチェーンから得られる膨大なデータの中から簡単に理解できる実用的なものを得られるのか」という命題について、独自の回答を持っています。

我々の目的は人々に投資アドバイスを提供することではありません。それよりも、人々がより良い投資判断が出来るように、判断の一助となるようなプラットフォームを作るのが狙いです。

だからこそ、暗号通貨取引を始めたばかりで指標を参照したがっている若手トレーダーと、熟練のトレーダーの間のギャップを埋められるような、そんなツールの作成を目指しました。

ブロックチェーンのノードのサポート

我々はサポートする全てのブロックチェーンのノードを運営しています。これによりネットワークにおける完全な取引活動にアクセスできますし、過去にさかのぼって分析を行うことも可能です。

また、大量のデータ処理や保存もできます。現在は約20~25テラバイトのブロックチェーン生データをホストしています。生データは1日あたり約50ギガバイトのペースで増加しています。

インタビュー・編集: Lina Kamada

翻訳: Nen Nishihara

     

【免責事項】

本ウェブサイトに掲載される記事は、情報提供を目的としたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。また、本記事は執筆者の個人的見解であり、BTCボックス株式会社の公式見解を示すものではございません。