暗号通貨界隈で人気YouTuberとして活動するラーク・デービス氏にお話を聞きました。インタビューでは、YouTubeコミュニティやインフルエンサーが暗号通貨市場に与える影響について解説していただきました。是非、ご覧ください。
インタビュー日 : 2020年4月15日
人気チャンネル「クリプト・ラーク」
私は、暗号通貨系Youtuberのラーク・デービス(Lark Davis)と申します。現在、私のYoutubeチャンネル「クリプト・ラーク:The Crypto Lark」には、11万人以上の方に登録してもらっています。もう何年間もYouTubeで動画を作り続けています。基礎的な知識を身に付けたい方達のために、YouTubeで初心者向けの暗号通貨の講座も製作していて、これから暗号通貨の世界に入りたい方のサポートを行なっています。これまで何年も動画を制作してきましたが、今日新しく入って来た人でも直ぐに情報が得られ、何が起きているかを理解できるような動画を作り続けていこうと考えています。
Lark Davis
暗号通貨との出会い
この世界に最初に入ったのは、Steemという暗号通貨がきっかけでした。暗号通貨コミュニティと交流し、Bitcoinを購入し始めたきっかけであり、Steemitというプラットフォームに記事を投稿することでSteem(Steemit上のコイン)をもらい始めることとなりました。当時は、旅行の話や訪れた場所の感想などについて夢中になって記事を投稿していました。Bitcoinにも非常に興味があったので、それに関連する投稿も始めました。しばらくしてからBitcoinに関する考えを皆から聞かれるようになりました。その質問に回答するためにSteemitに記事を投稿していましたが、記事を書く作業にかなりの時間を使っていることに気付きました。そこで、時間をより効率的に使うため、記事を書く代わりにもっと早くできる動画作成を始めました。最初の動画を録画して、YoutubeとSteemitにアップロードしたのを覚えています。その後、YouTubeチャンネルに人気が出てきたので、Steemitに投稿することはなくなりました。もう長い間、Steemitを使用していませんが、これが暗号通貨コミュニティに足を踏み入れ、コンテンツクリエイターとなったきっかけです。
暗号通貨系Youtuberの変化
私は、2017年にコンテンツクリエーターとして暗号通貨でのキャリアをスタートさせました。当時は、今のように大きなチャネルは少しだけで、その他のチャンネルは少し遅れて2018年、2019年から増えてきました。YouTubeチャンネルの「Ivan on Tech」や「DataDash」のような人たちと同じ頃に、私も動画作成を始めました。それ以前にも大きな暗号通貨系のチャンネルはいくつかありましたが、現在はその中の多くの人がコンテンツを作らなくなってしまいました。「Davincij15」のようなチャンネルは数年前からずっと存在していて、まだコンテンツを作り続けているので、非常に素晴らしいと思います。5年前にコンテンツを作成していた人のほとんどが、既に止めてしまっていて、動画を作成したとしても不定期にしか出さなくなりました。
それがなぜかを考えると、もしかしたら彼らは2017年にすでに数百万ドルを稼ぎ、カリブ海の島に移り住んでいるからなのかもしれません。それは定かではありませんが、コンテンツを作り続ける理由と作らない理由は皆にあるのだと思います。コンテンツ作りはフルタイムの仕事で、コミュニティと関わり、本当に面白いコンテンツを作り続ける必要があります。もちろん、批判にさらされることにもなるので、それを避けて静かな生活を求める人もいるのかもしれません。
もちろん、私も批判は受けますし、アンチコメントは毎日のようにあります。誠意のある批評を行なったり、ある考えについて議論したい場合は、いつでも大歓迎なのですが、たまにコメント欄に「Bitcoinは全て詐欺」と投稿する人も確かにいます。それから逃れることはできませんし、インターネット上には常にそのような人達がいます。しかし、暗号通貨コミュニティでは、ほとんどの方達が非常に強い情熱と関心があり、新しい考えに対してオープンなクリティカルシンキングを持っています。彼らはお金の問題を解決することに対して非常に熱心なので、コミュニティに参加することで励みにもなります。
YoutuberがBitcoin価格に与える影響
暗号通貨系のYouTuberが、Bitcoinの価格に影響を与えることはありますが、その影響力はコミュニティとの関わり度合いよって違ってくると考えています。特に時価総額が小さい暗号通貨を考えると、非常に大きな影響が出る可能性があります。例えば、視聴者が多い暗号通貨系Youtubeチャンネルにおいて、時価総額の小さい通貨が宣伝された場合、元々の取引量が非常に小さいため、実際に価格が変動することがあります。同じ方法で、資金調達を検討する企業は、コンテンツ作成者に自社製品を宣伝してもらうことで投資のリターンを得ています。なので、この様な影響は確実にあります。
私は教育にフォーカスするのが好きなので、「これを買いなさい」「このようにトレードしなさい」ということは決して言いません。これが自分の考えで、現時点でこの様な見方をしていると、ただ伝えるだけです。トレードは、必ず自分自身の判断で行う必要があります。しかし、残念ながらネットには動画のサムネイルだけを見て、トレードを行う人がいるというのが現実なのです。動画の中身も見ず、聞くべきことにも耳を貸さず、自分自身でのデューディリジェンスとリサーチを怠る人達が一定の割合で常に存在しています。彼らは、最初に目にしたものに飛びついてしまいます。暗号通貨コミュニティにいる殆どの人は物事を批判的に検証する優秀な人達なので、非常に残念に思います。暗号通貨系のYoutube、Twitterは、意見を交換したりニュースを得るのには丁度良い場所だと思いますが、それをファイナンシャル・アドバイザーとして使うべきではありません。
Youtubeは巨大な暗号通貨コミュニティ
Youtubeの暗号通貨コミュニティは非常に大きいです。幸いにも私には約11.5万人のチャンネル登録者がいますが、全体で見るとYouTubeにアクセスして暗号通貨関連のコンテンツを視聴している人は少なくとも100万人はいます。私は主にニュースを取り扱い、トレードについても少し解説していますが、ニュースだけに特化したチャンネルや、トレードやレビューのみに特化したチャンネルもあり、様々な視聴者を引きつけています。コンテンツの作成者が異なれば、それを見る視聴者も異なってきます。私のキャラクターが少し変だと思う人もいるかもしれませんし、コンテンツは万人向けでなくても良いと思っています。そのような人は、もう少し真面目で素晴らしいコンテンツを作り続けている「DataDash」などのチャンネルが合っているかもしれません。YouTubeの視聴者は、様々な視点や特徴のチャンネルから豊富なコンテンツが選べるようになっています。素晴らしいオプションが多く用意されているので非常に恵まれていると思います。
インタビュー・編集: Lina Kamada
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