「マイニングの必要性とブロック署名」Blockstreamのアレン・ピシテッロ氏にインタビュー ③

ブロックチェーンの開発企業「Blockstream:ブロックストリーム」に行ったインタビューをまとめた前回の記事に続き、今回は第3回目の記事となります。今回はブロック署名やマイニングの環境に対する影響についてお話ししていただきました。是非、ご覧ください。

アレン・ピシテッロ (ブロックストリーム:プロダクトマネジメント副代表)  

インタビュー日 : 2020年1月17日  

マイニングの必要性

マイニングはビットコインの非常に重要な部分です。マイニングのアイデアは、大変大きいコストをかけなければ、台帳の履歴変更が行えないというものです。また、ビットコインの全てのマイナーは匿名であるため、ネットワークに登録する必要がありません。必要なのは計算力を使い続けることだけで、それを行うための多くの設備が世界中に散らばっています。

多くのお金と計算能力を持っていたとしても、マイナーが履歴を改ざんすることは困難となります。一方で、改ざんを防ぐために、マイナーは対価として報酬を受け取ることができるのです。十分な数の人がマイニングに参加している限り、彼らが結託するということは起こりません。これはビットコインには良いことですが、コストが非常に大きく、ブロックを生成するプロセスもランダムであるため、予測が不可能です。ブロック生成にコストがかかり、どのくらい時間がかかるかわからないマイニングですが、分散的なシステムを維持するためには、私が知る限りで一番良い方法だと思います。

ブロック署名

Liquid Networkの場合は、マイニングを「ブロック署名」と呼ばれるものに置き換えます。秘密鍵を保護するHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)を備えたサーバーを動かすフェデレーションのメンバーによって構成されています。ブロックを有効にするには、メンバー全員がブロックに署名する必要があり、マイニングと比較すると署名にかかるコストが非常に安くなります。どのメンバーも非常に簡単に署名を行うことができるようになります。簡単に署名が実行できるため、ブロックの履歴を書き換え不可能にするなどの特定のルールに従うHSMを使います。

これにより、非常に安定した頻度でブロックを生成することができます。それぞれのメンバーが順番交代にブロックを出し、他のメンバーはそのブロックが有効かどうかを確認します。有効であると判断した場合は、デジタル署名でブロックに署名を行います。11のメンバーがデジタル署名をしている限り、ブロックは生成され続けます。これが、毎分ブロックを生成できる理由です。履歴を書き換えることなく、ネットワークを健全で機能的な状態に保つインセンティブが各メンバーにあります。フルノードを動かすこと自体は、フェデレーションメンバーでなくともLiquid Networkのユーザーであれば可能です。ソフトウェアを開けば、それらがルール通りに動いていることを確認できます。

環境に対するマイニングの影響

マイニングは台帳を維持するために大きなエネルギーを使用するため、環境への心配があることはよく理解できます。ただ、マイニングに使われる電気の多くは、その電気の活用方法がない地域から来ているということに気付きました。多くの水力発電がある中国の一部の地域では、発電所が孤立した地域にあり、その場所で活用することはできません。マイニングは、グリーンテクノロジーを使うことで非常に効率的に多くの電力需要を生み出せると考えています。それができない場合は、そのようなグリーンテクノロジーに対して助成を行うこともできます。そうすることで、エネルギーをより効率的に活用でき、安定した電力需要を生み出すことができるようになります。

電力需要の状態は大きく変化しています。たとえば、世界中の多くの場所では、日中にエアコンが必要ですが、夜は需要が減ります。それに対して、安定した電力需要がある場合は、実際の電力コストを相殺することができるようになります。水力発電や原子力発電のようなテクノロジーには、多くの革新が起こると思います。以前は経済的に実現不可能であったことも、これからの新しいイノベーションにより実現可能になります。「ジェボンズのパラドックス」という考えがあるように、エネルギーが不足することはありません。より効率的な方法により、より多くのエネルギーを世界で得られるようになれば、より多くの人々に利益をもたらし、彼らの助けにもなるのです。

     

最終回の【Blockstream アレン・ピシテッロ氏:インタビュー ④】では、Lightning NetworkとLiquid Networkの統合や、Blockstream社の今後のビジョンついてお話ししていただきます。是非、ご覧下さい。

インタビュー・編集: Lina Kamada

     

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