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「キャッシュレス社会は不可避」CoinGecko共同創設者のボビー・オン氏 インタビュー ②

暗号通貨のデータを収集し、様々な角度から市場分析を行っているCoinGecko(コインゲッコー)共同創設者のボビー・オンにインタビューさせていただきました。第二回の記事では、マレーシアの状況や、キャッシュレス社会に対する考えなどについてお話しをいただきました。是非、ご覧ください。

ボビー・オン(コインゲッコー:共同創設者)

インタビュー日 : 2020年2月25日

暗号通貨に積極的なマレーシア

マレーシアは、暗号通貨の法制化の整備に関して非常に積極的です。政府はこれまでに3つの取引所にライセンスを付与しており、そのうちの1つは“Luno”と呼ばれる取引所があります。他の2つに、“SINEGY Technologies”と“Tokenize Technology”がありますが、まだ最終承認中です。協会という点では、複数の機関はありますが、日本のような自主規制団体ではありません。

マレーシア政府は非常に進歩的で、暗号通貨をもう一つの資本市場と見ていると思います。現在、暗号通貨の法制化だけでなく、ICOの資金調達に対しても法制化を始めています。それに1年か2年かかるかはわかりませんが、そのルールが施行されると、取引所もそれぞれのプラットフォームでICOを行うことができるようになります。マレーシアの証券委員会は、スタートアップ企業のための資金調達方法としてICOを捉えています。

各国のユーザーの違い

全ての国にそれぞれ独自のマーケットがあります。それぞれにマーケットと規模の違いがあるので、アメリカのユーザーと日本のユーザーを単純に比較することはできないと思っています。日本では、JVCEAによって承認された暗号通貨しか取引ができません。もちろん、バイナンスのような他のプラットフォームでコインを購入することも可能なのかもしれませんが、日本ではあまり人気がありません。一方、アメリカのユーザーも、規制により多くのプラットフォームが利用不可となっていますが、彼らは常に何らか方法で抜け穴を見つけています。

また、ヨーロッパのユーザーは、どんな場所でも暗号通貨取引を行い、あらゆる種類のトークンを試すのが好きなようです。それがアジアのプラットフォームであろうが、欧米のものであろうが、あまり気にしていないようです。そのため、国民性など考慮しなければならない要因も多くあります。多くの人にとって妨げとなっている問題の1つは、言語の障壁です。これらのプラットフォームとアプリの多くは英語であるため、日本ではユーザーを引き込むことはできません。深い英語の知識を持っているか、英語を使うことが好きでない限り、それは難しいと思います。

キャッシュレスへの動きは不可避

キャッシュレスへの動きは避けられず、お金を持ち歩く方法としては万能です。最近、中国やスウェーデンのような国に行くと、現金を使う人がほとんどいないことに気付くでしょう。中央銀行には、デジタル通貨を発行する方法がいくつかありますが、どのような方法が採用されたとしても、その国のエコシステムにおいて市中銀行の役割に影響が及びます。なぜなら、市中銀行は、中央銀行に対する預け入れの比率を通じ、マネーサプライを増加させるために使われているからです。キャッシュレス社会への動きは避けられないと思いますし、紙幣を印刷してメンテナンスするコストは安価ではないので、政府にとっては魅力的です。

現金は損傷してしまい、コインは常になくなってしまう可能性があるので、政府はe-moneyを欲しています。現金はマネーロンダリング、および麻薬取引などのあらゆる種類の違法な目的にも多く使用されますが、デジタルマネーではマネーロンダリングが非常に困難です。全てに証跡があり、お金がどこから来たかを監視し、追跡することができます。デジタルマネーは間違いなくやって来ると思いますが、e-moneyは中央銀行に対しては、まだ不確実な概念だと思います。それぞれの国が、どのようなものを出してくるのか非常に興味深いです。近い将来、いくつかのモデルが各国から登場し、どのように機能するかを見られるようになるでしょう。

インタビュー・編集: Lina Kamada

     

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