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「その主張は真実か」CoinGecko 共同創設者 ボビー・オン氏 ③

暗号通貨のデータを収集し、様々な角度から市場分析を行っているCoinGecko(コインゲッコー)共同創設者のボビー・オンにインタビューさせていただきました。第三回の記事では、SNSから読み取ることができる暗号通貨の情報、DeFi(分散型金融)などについてお話しをいただきました。是非、ご覧ください。

ボビー・オン(コインゲッコー:共同創設者)

インタビュー日 : 2020年2月25日

その主張は真実か

2014年の頃を振り返ると、暗号通貨界隈は今とかなり違っていて、造りが良くないサイトが多くあったように思います。現在は、1つのWebサイトにアクセスするだけで価格、時価総額などの情報を全て簡単に入手できますが、2014年当時はそうではありませんでした。また、造りが酷いサイトでは信頼性が損なわれてしまいます。そこで、私達はより良質なサイトをこの業界にもたらす良いチャンスだと考えました。他の多くのプラットフォームよりも優れたデータ集約こそ、私達にできることだと思いました。

CoinGeckoを開始した2つめの理由は、サービスを開始した当時、ソーシャルメディアと開発者の統計データを誰も収集していないという事でした。価格、数量、時価総額なども、ある程度までしかトラックされていませんでした。そこで、どのコインが長期的に生き残る可能性が高いかを知りたいと思いました。長期的に存続するコインには、一般に優れたコミュニティと開発チームがいます。長い時間を費やしてネットを見ていると、「最高の開発チーム、最高のコミュニティがあるから、このコインは素晴らしい」と言う人がいることに気付きました。私達は、そのような主張が本当に正しいのかを確認できる良い方法があるべきだと考えました。

自分のコインは最大のコミュニティを持っていると誰かが主張する場合、Facebook、Twitterでフォロワーがいる、またはRedditで非常に多くの投稿とコメント、コミュニティ、アクティビティがある等で簡単に裏を取ることができます。そのコインが死んでいる場合、そのような動きは確認できないので、彼らの主張が嘘であるとわかるでしょう。これと同様に、開発者が最高のコインだと主張し、全てがオープンソースの形で行われている場合、実際にこれを証明することが可能となります。Githubで作成、管理されているコミュニティの数やコメント数で検証を行うこともでき、そのリポジトリに貢献している開発者の人数、いいねの数なども確認できます。そして、これら全てのデータをまとめることも可能であると考えました。実際にいくつかのコインは、ソーシャルメディアで多くの開発活動とコミュニティがあることが確認されましたが、他のコインは完全に静かで死んでいたことが研究でわかりました。

DeFi 分散型金融の出現

非常に興味深いことは、Ether、DAI、USDCなどで利子によってリターンが得られるようになり、マネーマーケットが形成されていることです。以前は、基本的にバイ・アンド・ホールド(Buy and Hold)の戦略だけしかありませんでしたが、投資を行うことで利子も得られるようになっています。これらの利率は、コインとプラットフォームによって違ってきます。 特に、USDCなどのステーブルコインの場合、多くのスマートコントラクトのプラットフォームで提供されている利率は、銀行よりも大幅に高くなっています。このような活用方法自体は非常に良いと思います。

また、分散型の保険商品も多く作られ販売されています。スマートコントラクトはハッキングなどのリスクが伴うため、DeFi(分散型金融)に対する保険の領域が拡大していることは非常に喜ばしいことです。DeFiが出てくる前には作ることができなかったプロダクトもあります。例えば、損失が出ない宝くじのサービス「PoolTogether」というものがあります。そこでは、参加者がくじを購入し、集められた資金がレンディングサービスであるCompoundに送られます。そこで1週間の利子が得られた後、くじを購入した参加者の中から1人が当選者として選ばれ、その利子を受け取ることができます。その他の参加者にはくじを購入した分の資金が返ってくるので、損失が出ないという仕組みになっています。これは従来の方法では実現できなかったサービスであり、暗号通貨ならではのプラットフォームだと思います。更に多くのプロジェクトがDeFiの領域に出てくるのを楽しみにしています。

DeFiに対する保険

スマートコントラクトは非常に複雑になるため、ハッカーがそれらの弱点を見つけた場合、資金が流出してしまう可能性があります。今年の2月にDeFiプラットフォームのbZxが2、3日の間に2回もハッキングされ、スマートコントラクトで100万ドル以上のEthereumを失ったことがわかりました。DeFiスマートコントラクトにお金を入れ、コントラクトが完全に悪用された場合、基本的にはお金を失うことになります。 USDCを使って8%〜9%の利子が得られるからといってコントラクトにお金を入れてしまうと、かなり危険なことになります。そのコントラクトがハッキングされると、そこで発生した利子だけでなく、元本も失ってしまうのです。

最近、Nexus MutualとOPYNという2つの保険会社が出てきて、ある保険サービスを始めました。そこでは、暗号通貨の購入で何か問題が起こった場合に備えて保険を購入できます。例えば、Compoundのコントラクトに問題が発生した場合、購入した分の金額が保証されるという内容です。bZxのハッキング事件では、一部の人々がNexus Mutualの保険を購入していたため、損失が発生した分が保証されました。

インタビュー・編集: Lina Kamada

     

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