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「確定申告に向けて年末までやっておく税金対策」クリプトリンク株式会社:八木橋泰仁 税理士

執筆者:八木橋泰仁 税理士 (クリプトリンク株式会社)

今年も残すところあとわずかになりました。

仮想通貨の投資をされている皆様においては、これから年内に何を行うかによって支払う税金の額が大きく変わってくる可能性もありますので、確定申告を見据えてのトレード戦略を立てることも検討してみてください。

仮想通貨は所持しているだけでは確定申告の必要はありませんが、売却したり、他の仮想通貨に交換したり、何か商品を買ったりした際に、購入した時より価格が上がっていて利益が出ている場合に確定申告が必要になってきます。

日本の所得税法上、仮想通貨の取引で得た利益は課税対象となり、年間の取引で確定した利益は、一般に総合課税の「雑所得」として確定申告が必要になります。総合課税とは、給与所得や事業所得などの他の所得と合算して税額の計算をすることを言います。

※年末調整を行っている給与所得者(会社員など)は、年間20万円までの利益(雑所得)であれば申告不要です。

※雑所得がマイナス(赤字)の場合は他の所得と合算できません。

   

参考:所得税の税率(このほかに住民税も課されます)

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

     

所得税の計算式【簡易的に表記しています】

(①課税される所得金額-②所得控除)×③税率-④上記控除額=税額

①課税される所得金額は、雑所得の他、給与所得、不動産所得等10種類に分かれています。総合課税になるのはこのうち8種類です。

②所得控除とは、医療費控除や寄付金控除、全員が対象となる基礎控除等14種類あります。

     

確定申告の方法については別途ご紹介をできればと思いますが、今回は年内にできる仮想通貨についての税金対策についてご紹介をできればと思います。

上で述べた通り、仮想通貨の取引を行い利益がでた場合には、その年(暦年)に発生した利益合計に対して税金が課されることになります。

そのため今年のうちに何かしらの手を打っていくことが税金対策では重要になってきます。

税金の対策を行う上でポイントになってくるのが、

(1)黒字なら、含み損の出ている仮想通貨を売却して利益額を減らす

(2)赤字なら、含み益の出ている仮想通貨を売却して損失額を減らす

ということを年内に行うことになります。

      

例えば、利益が出ている方を例に見てみましょう。

※便宜的に簡略化し、所得税率20%・住民税10%の方とします

2019年1月に1BTCを40万円で購入。

2019年7月に1BTCを120万円で売却。

2019年7月に40ETHを120万円で購入
(2019年12月のレートは1ETH=16,000円)

という場合、

2019年7月に1BTCを売却した際に、80万円の利益が出ていて、現在40ETHを所持しているという状況になっています。

この状態で確定申告を行うと、利益80万円に対して30%の税金・24万円を支払う必要があります。

もし年内に保有している40ETHを、現在のレート1.6万円で売却を行った場合、新たに56万円の損が発生しますので、差し引きすると今年は24万円の利益に圧縮されることになります。

その場合の税金は24万円×30%=72,000円と税負担も少なくなります

このような取引を意識的に行うことにより税金の額を調整することが出来ます。

また、損が出ているという場合にもこの手法は有効です。

仮想通貨の損益は所得税では雑所得とお伝えしましたが、重要なポイントが、雑所得の場合は「損(赤字)を翌期に繰り越せない」「損(赤字)を他の所得と合算できない」ということがあります。

仮に今年、損を200万円だしてしまった場合でも、他の所得と合算できないし、翌年200万円利益がでても、前年の赤字を活用することができず、200万円の利益に対しての税金を負担することになる、ということです。

ですので、戦略として、年末の段階で損が出ている場合、含み益があり、売却を検討しているような仮想通貨があれば、売却をすることで損(赤字)額を少なくすることも有効です。

    

含み益を活用させるか否かを例で見てみましょう。

何もしない場合

税率は先ほどと同じく所得税・住民税合計で30%とします

  • 2019年 -200万円(税金なし・繰越なし)
  • 2020年 +200万円(税金60万円)
年内に含み益のある仮想通貨を売却した場合

     

  • 2019年 0円 (税金なし)
  • 2020年 0円 (税金なし)

というように無駄な税金を払わずに済むように調整することが出来ます。

上記は一側面からみた取引になりますが、ご自身の判断で現在保有している仮想通貨を確認しながら利益のコントロールができる余地があるということを念頭に置いて、これから年があけるまでのトレード戦略をご検討いただければと思います。

年に数回トレードをするだけ、という方であればEXCELなど表計算ソフトを利用し損益計算を行うこともできるかもしれませんが、売買を頻繁に行っていたり複数の取引所を利用している場合は、損益計算も現状の把握もなかなか難しいものになります。取得した金額や現在の利益、残数等の売買に利用できる情報を計算するのは大変な作業かと思います。

そのような場合には、弊社が提供しているクリプトリンクのような、収支計算のアプリやサービスをご利用いただくことをお勧めいたします。

クリプトリンクではBTCBOXのデータをアップロードし、現在の収支の状況を計算するだけではなく、仮想通貨毎の現在のレートでの損益の確認、売却した場合のシミュレーションも行うことが出来ますので、簡単に確定申告に向けたトレードの戦略を立てることができます(アップロード方法)。

仮想通貨の場合、年をまたいでしまうと税金対策はほぼ取れなくなってきますので今のうちに確定申告に向けて準備を行うことをお勧めいたします。

クリプトリンク HP

クリプトリンク株式会社

代表取締役 八木橋泰仁 (税理士)

当記事に対するお問合せは以下までご連絡ください

support@cryptolinc.com

 

    

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